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週刊SPA!3月23日号 ゴーマニズム宣言 第118章 「森喜朗、コロナ禍の集団リンチ」

森喜朗、コロナ禍の集団リンチ


 

タッチ&ゴー

このコーナーでは『ゴーマニズム宣言』の最新話を読み終えた読者が、間髪入れずの「タッチ&ゴー」で感想を語り合います☆

 

《収録参加》

皿:皿うどん

え:えみりん

カ:カレーせんべい

 

  

《収録》

2021年3月16

  

週刊SPA!3月23日号

ゴーマニズム宣言 第118章

 

森喜朗、

コロナ禍の集団リンチ

 

 

 

え:本日同時発売の「FLASHよしりん辻説法」と「SPA!ゴー宣」はテーマが共通してて、どちらも『森喜朗の発言』が取り上げられていましたね。

 

 

カ:小林よしのり先生は同じテーマを取り扱うにしても「辻説法」ではユーモア、「ゴー宣」ではシリアスを切り口にしているから、それぞれの作品で考えさせられますね。

 

 

皿:「森喜朗の女性蔑視発言」というのは、日本のマスコミが恣意的に切り取って叩き、それが世界レベルの集団リンチにまで発展したわけですね。

 

 

え:そうですね。

 

 

カ:この件に関しては、私は当初、森喜朗の発言は女性蔑視だと決めつけていたから、反省というか、後ろめたい気持ちもあります。

 

 

皿:今週のゴー宣で書かれていた『「女性の人権」「男女平等」という理念、イデオロギーに抵触したら、権力者でも追い詰めることができる』という部分を読んで思ったのですが、日本は「ジェンダーギャップ指数」で見たら世界でもアラブ諸国並みの底辺グループなのに、男女平等イデオロギーだけが膨れ上がっているわけですね。

 

 

え:なるほど!

 

 

カ:それは面白い見方ですね!

 

 

皿:つまり「男女平等イデオロギーを広めても、日本の女性の地位が向上するわけではない」と感じました。

 

 

え:確かにそうですね。

 

 

カ:社会のいたるところに男女不公平があるわけですが、一方では、「男尊女卑」で糾弾すれば、過去の功績など度外視にして、一撃必殺ができてしまう。それが今の社会なんでしょうね。

 

 

え:謝罪をしても許してもらえないですしね。

 

 

カ:男尊女卑で糾弾されたが最期。北斗の拳で言えば「死あるのみ」「お前はもう死んでいる」というやつです。

 

◆◆◆

 

皿:僕は、今週のゴー宣で描かれていたイエス・キリストの「汝らの中、罪なき者、まず石をなげうて」のくだりを読んで色々と考えさせられました。

 

 

 

カ:私はキリスト教が嫌いなんですが、このエピソードには敬意を抱きます。

 

 

え:聖書もいいこと書いてるんやなって思いました。

 

 

皿:僕が好きな時代劇を見てても、日本人は「誰かが石を投げたら、みんなで石を投げる」という集団性が民族的にあるのかなと感じます。

 

 

カ:情けない!2000年前の外人に負けてるわ!

 

 

え:日本人は「周りを見て石を投げる」というのがありますね。

 

 

皿:そうそう。

 

 

カ:日本人は「石を投げる側に立つことで安心する国民性」があるのかもしれない。「今、自分が、人に石を投げれる側にいること」に幸せに感じるんですよね。それはヒーロー魂ではなく小心者だと思うのですが・・・、もしかすると「人に石を投げれるポジションを確保すること」は庶民の本能であって、それを世渡り上手と言うのかなぁと悲観的に思うこともあります。

 

◆◆◆

 

え:私は今週のゴー宣で「身内下げ」について考えさせられました。身内下げというのは今の日本人には通用しないのでしょうか?

 

 

カ:今も文化として日常にあるとは思うのですが・・・、どうなんでしょう?

 

 

え:言葉をそのまま受け取るようになったのかなぁと思いました。私も「わきまえる」という言葉のちゃんとした意味を、今回初めて知りました。

 

 

カ:私も同じです!「弁える」という言葉の意味を正確に知らなかったので、森喜朗の発言を聞いて「女性の立場を押さえつける」という文脈だと思ってしまいました。

 

 

皿:先ほど「身内下げについて日本人の意識が変わってきているかどうか」とありましたけど、カレーさんは奥様のことを他人に話すときは、どういう風に言うんですか?

 

 

カ:私には「愚妻」という言葉を使って身内下げをしようとする感覚は無いですね。私の知り合いでは「うちの愚妻が、うちの愚妻が」と、頻繁に言う人はいますけどね。

 

 

皿:同年代の人ですか?

 

 

カ:いや70歳前後の人です。「愚妻が、愚妻が」っていつも言うんだけど、よくよく聞いてみれば、全部「ノロケ」だったりするんよね(笑) これはオフレコですが、沖縄のサムライ、高里洋介さんのことですけどね(笑)

 

 

皿:「うちの家内が」と言うのは年配の方だけでしょうか?

 

 

カ:私は使いますよ。「家内」という言葉以外ではシックリこない場面もあるんです。

 

 

皿:でも、えみりんさんの年代だと「家内」という言葉には違和感があるんじゃないですか?

 

 

え:違和感はあります。「家内」という言葉は「家」の「内」と書きますけど、今は、女性が外で働くことが多いわけですよね。だから「家内」という言葉はなんだか変に聞こえます。

 

 

皿:なるほどね。社会の実態に合っていないというわけですね。

 

 

え:それなら「嫁さん」とか「奥さん」とか使う方が自然だと思う。

 

 

カ:うーーん、おっしゃることはごもっともで反論は難しい・・・。それでも「妻」や「嫁」や「奥さん」では、ピンとこない時もあるんですよ。

 

 

え:それは具体的にどんな時ですか?

 

 

カ:たとえば、子供が通っている学校の先生から連絡があった時です。私は「家内」という言葉を使います。やや目上で親しみを出せない相手には、「家内」と表現する方が、事務的な会話になってシックリくるんです。

 

 

皿:そういえば、他人と話しをするときには「お父さん」「お母さん」とは言わないですよね。「父」「母」と言いますね。

 

 

カ:そうですね。『身内に「さん付け」はオカシイ』と感覚的にピンときますね。

 

 

え:その感覚も身内下げなんですね。

 

◆◆◆

 

皿:今週のゴー宣の冒頭のページは、【民主主義という病い】を連想させられました。

 

 

え:『「集団リンチ」「糾弾」「王殺し」で「女性の人権」が向上するという観念は、完全に左翼イデオロギーである』という部分ですね。

 

 

カ:私は”民主主義という病い”というのは「王殺し」に限らないと考えます。たとえば最近の『アイヌ差別問題』で、ほぼ無名の芸人が糾弾され続けていることに不自然さを感じています(※3月16日時点)

 

 

皿:ありましたね。アイヌでダジャレを言った人ですね。

 

 

カ:それを差別と糾弾されたら、謝罪をして、撤回もしなければならないでしょう。しかしアイヌ協会や政府まで出てきて、抗議や教育の強化などと言い出したから、これは人の失敗に付け込んだ政治利用の臭いがプンプンします!

 

 

え:芸人さんは、差別する気持ちで言ったのでしょうかね?

 

 

カ:彼に悪意など無いです。まったく無邪気にダジャレを言ったのだと私は思います。だから彼が謝罪したなら、それで終わりにしなければならない!

 

 

え:番組やテレビ局まで糾弾されていますからね。

 

 

カ:「相手のミスを良いキッカケにして自らの政治的目的を達成しようとする我田引水」としか思えないわけです!

 

 

皿:そういうところ、ちょっと感じますね。

 

 

カ:相手の失敗につけ込んだ我田引水の振る舞いを、私は”卑怯”だと感じるのですが・・・、今の日本人は全くそうは思わないみたいです。そんな美意識の無い日本人こそが犬だと私は言いたいよ!

 

 

え:カレーさん、犬はそんなことしないです。

 

 

カ:そうか、お犬様に対する差別だったか(苦笑)

 

◆◆◆

 

皿:日本人の美意識の変化というのは僕も感じていますが、今週のゴー宣でも『がんを患い、今も人工透析を受けている満身創痍の83歳の老人が、人生最後のご奉公と全力を尽くして取り組んできた仕事を、こんな形で取り上げることに、一切の躊躇も感じない現在の日本人はあまりにも非情で恐ろしい』と書かれていました。

 

 

 

カ:森さんはオプジーボという免疫療法が効いたんですよね。昨年死んだ私の親父も約5年間、いろいろな抗がん治療をやりました。でもオプジーボは効かなかったんです。

 

 

え:森さんはがんと闘いながら頑張っていたんですね。

 

 

カ:頑張ってきた人間の名誉を剥ぎ取り、叩きのめす日本人。いやー、恐ろしい。

 

 

皿:まぁ、日本人が歪になっているのはあるかもしれませんが、マスコミの報道には悪意があったし、森の発言で女性や弱者が傷ついたと言うのは偽善だと思います。

 

 

え:今週のゴー宣で『女性がコロナ禍で失業し、うつ病になり、自殺に追い込まれていることに対しては、なぜ誰も声を上げないのか?』とありましたけど、森さんの発言に怒っている人は、コロナ禍で犠牲になる女性の方には目を向けない。それはなぜでしょうか?

 

 

カ:あぁ、なるほど!

 

 

え:本当に苦しんでいる女の人には関心がないのかな?

 

 

カ:ホンマやね!

 

 

皿:マスコミが本当に酷いと思います。

 

 

カ:森の”女性蔑視発言”というのは作られたモノですが、それを事実として受け取ったとしても、森の発言のせいで失業したり、うつ病になったりする被害者が現れるわけじゃないですよね。

 

 

皿:一方で、必要のない緊急事態宣言のせいで、失業者や自殺者が増えるのは現実に現れているわけです。

 

 

カ:「森発言」も「根拠なき緊急事態宣言」も両方を叩くならまだ分かる。そもそもフェミニズムって一体なんなんでしょうか?

 

◆◆◆

 

カ:私は今週のゴー宣の絵で凄いと思ったのが《ポリコレ棒で一人を叩きのめしてる人間の顔》です。一見、怒っているようにも見えますが、実はわらっているし、楽しんでいるんですよね。

 

 

皿:本当ですね。すごい絵ですね。

 

 

え:なんかそういうフェミニズムの女の人のせいで、女の人の人権が下げられているんじゃないかなって気がします。

 

 

皿:うん。

 

 

え:なんでもない発言を”女性蔑視”に仕立てて目くじら立てるのに、コロナ禍で犠牲になっている女性には目を向けない。

 

 

カ:フェミニズムの価値が無いというか、むしろ逆効果な気さえするわけですね。

 

◆◆◆

 

え:「クオーター制」というのは男女構成の割合を予め取り決める制度ですよね。そうなると「女の人というだけで、能力が無くても参加できるようになる」わけですね。

 

 

カ:「クオーター制」に関しては、私は必要な制度だと思うんですが・・・。

 

 

え:問題点はありませんか?

 

 

カ:確かに「女の人というだけで」という弊害はあるかもしれない。だけど今までの人類史は男社会だったわけで、それを男女公平に近づけていく過渡期においては、クオーター制のような制度設計が必要だと私は思うんです。

 

 

え:森さんの肌感覚としては「クオーター制に疑問がある」と感じたわけですよね?

 

 

カ:森さんのそれは「現場感覚」だから、それはそれで正しいのだと思います。だから森さんの意見に対して、賛同したり、反論したりすることは良い事だと思います。

 

 

え:ゴー宣の中でも『議論の余地のある話で』と書かれていますしね。

 

 

皿:小林よしのりは少年ジャンプでデビューして、読者アンケートの結果で打ち切りになるという熾烈な実力社会で生きてきたわけですが、そのよしりんはクオーター制には賛成なんですよね。

 

 

カ:そうか、なるほど。

 

 

皿:よしりんがクオーター制に賛成の理由が気になります。

 

 

カ:私は「クオーター制とは電動アシスト付き自転車」のようなものだと思っています。最初のひとこぎをアシストして、あとは要らなくなる。人類史は『男は軍事、女は家庭』と合理的に役割分担をしてきたわけですが、技術革新とかもあって時代に合わなくなってきたわけです。その是正の初動が今なんだと思います。

 

 

え:こうやって議論することが大切ですね。

 

 

カ:その通りです!議論が大事!一つの意見を、それを女性蔑視のレッテルを貼って、一人の人生ごと抹殺したことに寒気がします。

 

◆◆◆

 

カ:だけど森さんは良かったなぁ。あれだけの集団リンチにあっても、家族や友人以外にも理解してくれる人がいてさ。

 

 

え:せめてもの救いですね。

 

 

カ:今週の「ゴー宣」と「よしりん辻説法」を森さんも読んでくれたら嬉しいなぁ。



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