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「小林よしのり」を語る(前編)~引きこもりがゴーマニズム宣言に出会った理由~

 

カレー氏の部屋

 

カレーせんべいが

ゴー宣読者をゲストに招き

小林よしのりの魅力を語り合う

対談企画

ルールル、 カレーのルールル、ルルル、ルールールールール♪

 

 

第1回

ゲスト:えみりん

 

「小林よしのり」を語る(前編)

~引きこもりがゴーマニズム宣言に出会った理由~

 

 

カレーせんべい:えみりんさんが「小林よしのり」を意識したのはいつですか?

 

 

えみりん:私が中学生の時、小林よしのり先生が出演していた「朝まで生テレビ」を見たのが一番最初ですね。

 

 

カ:小林よしのりに対して、どのような印象を受けましたか?

 

 

え:自分のことを「わし」と言ってるところとか、言葉のイントネーションとか、声の高さとか、あとは「おぼっちゃまくんの作者」であるとか、自分にとってメッチャ気になる人になりました。

 

 

カ:つまり「ひっかかる要素」が多かったわけですね?

 

 

え:はい、そうです。その頃私は引きこもりをしてて「世界の変人」みたいな本をいっぱい読んでいました。

 

 

カ:偉人じゃなくて変人ですか(笑)

 

 

え:変な人が好きです。それも社会から逸脱したような人とか。

 

 

カ:それは意外です。

 

 

え:そんな本ばかり読んでいたから、変な人が気になる時期でした。だから、テレビで小林よしのり先生を見た時に、そのセンサーが反応したのか「あ、この人、なんか気になるわ」って思ったんです(笑)

 

 

カ:それから「この人のこと、もっとよく知りたい」と思ったわけですね。

 

 

え:ところが、当時はネットとか無くて、調べるすべが無かった。特にうちはそういうの一切無くて。携帯もパソコンも無かったんです。

 

 

カ:そうでしたか。

 

 

え:調べようがないので普通に過ごしていたんですけど、ある日、図書館に行ったら、「小林よしのりの本」を見つけたんです。

 

 

カ:朝まで生テレビを見て「小林よしのり」という名前は覚えていたわけですね。

 

 

え:そう、名前だけは覚えてました。図書館で「小林よしのり」という名前を見つけた時は「あーー、わしの人や!」って思いました。

 

 

カ:「わしの人」ってのは可笑しいですね(笑)

 

 

え:そのまま借りた本が【新ゴーマニズム宣言 2巻】でした。それが私のゴー宣との出会いです。

 

 

◆◆◆

 

 

カ:初めてゴー宣を読んだ感想はどうでしたか?

 

 

え:「メッチャ変な人」やと思いました。これは「フツーの人では無い」と思いました。

 

 

カ:あははは、そうですか。なぜ、そのように思ったのですか?

 

 

え:実際に存在する人をボロクソに描いているところですね。そこがすごく面白かった。

 

 

カ:そうでしたかーー。

 

 

え:吉本隆明という人をボロクソに描いていたのですが、最初は「漫画の登場人物かな?」と思ったんです。それはあまりにボロクソに描いているものですから、実在の人物とは思わなかったんです。

 

 

カ:そうなんですね(笑)

 

 

え:だけど、途中でだんだん気づいてきて「これ、ホンマにおる人のこと描いてるやん!」ってビックリしました。

 

 

カ:えみりんさんは無意識に「実在する人物をボロクソに描いているわけがない」と思っていたわけですね。

 

 

え:それからカラーのページで「自分には何人も愛人がいる」と描いてたのが衝撃的でした。「テレビ出てる人がそんなこと言っていいのー!?」って驚いたし、「この人、最強やな」と思いました。

 

 

カ:しかも愛人がいるってのは「マジ」ですからね(笑)

 

 

え:普通は、そういうことは隠すじゃないですか? 隠して週刊誌にバラされる。それなのに、自分から愛人がいるなどと言ってしまえるのなら、それはもう無敵だと思いました。

 

 

カ:最強で、無敵ですね(笑)

 

 

え:私は「強い人」が好きなんです。私が「変人の本」を読んでいた理由は「我が道を行く」という人が多かったからです。

 

 

カ:確かに、強さは「意思の強さ」と言えますからね。

 

 

え:引きこもりの人って、どこか周りの目を気にしがちなんです。だから私はそういう「人の目なんて気にしないぜ」っていう人に憧れる気持ちを持っていました。

 

 

カ:ある意味、傲慢な人にひかれる性格だったわけですね。

 

 

え:「なんで、こんな、自由に生きているのだろう?」とか、「どうして人の目や、人の迷惑も気にせずに生きれるのかな?」とかが知りたくて、そういう人の本を読んでいました。

 

 

カ:そうでしたか。

 

 

え:だけど、私が読んでいた変人というのは「もう死んでいる人」だったんです。そして「外国の人」でした。だから「昔だからこんなことできたんだろうなぁ。日本人では無理だろうなぁ」と思っていたんです。

 

 

カ:なるほど。で、小林よしのり先生を知ってどう思いましたか?

 

 

え:「生きてる変な人おったーーー!」って思いました(笑)

 

 

カ:しかも「日本人」ですね(笑)

 

 

え:「えーー、現代で、こんな人がいるのかーーー!」と感激しました。

 

 

カ:そうでしたかー。

 

 

え:今から思えば、引きこもりをしていたら「毎日が退屈」なんですよね。だから奇想天外な人から刺激をもらっていたのだと思います。

 

 

◆◆◆

 

 

カ:いま「奇想天外な人」とおっしゃいましたけど、たとえば「小林よしのり」以外では、どういった人に関心があったんですか?

 

 

え:昔の人ですが「サド」とか「マゾ」とかの語源になったような人です。

 

 

カ:わー、私の想定以上の回答でした(笑)

 

 

え:その人も作家なんですけどね。

 

 

カ:そうか、知的な人なんですね。その人はどんなことをされてたんですか?

 

 

え:女の人を痛めつけて・・・

 

 

カ:やっぱアカン奴やん!(笑)

 

 

え:牢獄に入れられたんですけど、その後も変態的な小説をずっと書き続けていたという人です。

 

 

カ:つまり、サドとかマゾとかの語源になった人と、同じ延長線上に「小林よしのり」がいたわけですね(笑)

 

 

え:あの・・・。こんなことしゃべってて大丈夫かな?

 

 

カ:大丈夫です。このホームページはタブー無しの治外法権ですから(笑)

 

 

え:あとは、お金持ちだけど残酷に人を殺して、女の子の血を浴びて「若返ったぁ」と錯覚を起こして・・・。

 

 

カ:ドラキュラとか、エリザベート、カーミラとかかな? 人を串刺しにして・・・

 

 

え:あぁ、それはまた別の人です、けど、その人の本も読んだ!!

 

 

カ:「狂ったやつはだいたいトモダチ」ですね(笑)

 

 

え:たまたま若い使用人の血が自分の皮膚に付着して、それを拭き取った時に自分の肌がキレイになったように感じたんですって。それから「若い子の血を浴びたら若返る」と思って、女の子を誘拐しては、殺して、バスタブに血を溜めて入浴していたという話。

 

 

カ:う、うーーん、「変質者」と「殺人鬼」の流れで「小林よしのり」に興味を持ったわけですね。

 

 

え:やっぱり、そうなっちゃいますよね(苦笑)

 

 

カ:私はメッチャ面白い話だと思うけど、よしりん先生には聞かせられない話です(笑)

 

 

え:当時14歳くらいでしたが、アメリカの猟奇殺人者をプロファイリングした本とか読んでいました。

 

 

カ:りか坊さんと同じですね。シリアルキラーに興味があったわけですね。

 

 

え:そういう本を読みつつも、同時に「人間ってなんで生きてるのかな?」という哲学めいたことも考えていました。

 

 

カ:つまり「破天荒な人間を見たい」という刺激と、「人はなぜ生きるのか」という哲学の両方にマッチしたのがゴーマニズム宣言というわけですね。

 

 

え:ええ、まさしく、その通りです。

 

 

◆◆◆

 

 

カ:逆に知りたいのは、そういった残酷な話や犯罪者の本を読むのを”やめたキッカケ”は一体なんですか?

 

 

え:ある日突然「私は”殺した側”の人間の本を読んでいるけど、”殺された側”の人間は、別に殺されるために生まれてきたわけじゃないよな?」と思ったんです。

 

 

カ:そうか、違う立場の視点からモノを考えたわけですね。

 

 

え:そして「殺した側の本を読んで楽しんでいる自分って一体なんだろう?」と疑問に思ったんです。そこから急に興味が湧かなくなりました。

 

 

カ:そうだったんですねーー。

 

 

え:急につまらなく感じて。それに大昔のことですし、噓かホントか分からないじゃないですか。

 

 

カ:確かに、脚色だってありそうですよね。

 

 

え:「今生きてる人で刺激的な人いないかな~」って。「だけど日本にはいないだろうなぁ~」って思っていたら・・・

 

 

カ:『小林よしのりがいた』わけですね!

 

 

え:そうです。「えーー、日本にこんな奴おるん!?」って思いました!

 

 

カ:「奴」はマズイでしょう~(笑)

 

 

え:あははは、ごめんなさい。

 

 

カ:だけど、当時のえみりんさんにとって「小林よしのり」とは、それほど現実離れした存在ということですね。

 

 

え:はい。その通りです。

 


 

 

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コメント: 8
  • #8

    かずず (金曜日, 29 10月 2021 08:57)

    この話とても面白かったです!後編楽しみにしています!

  • #7

    えみりん (月曜日, 04 1月 2021 21:02)

    皆さま
    対談読んでくださって
    ありがとうございます^ - ^

    > カブ好きさん
    >> めっちゃ面白かったです!

    ありがとうございます!
    とってもうれしいです^ - ^⭐︎


    > mayuさん
    楽しんでくださって
    ありがとうございます^ - ^

    あのメロディーは反則ですよね(笑)


    > チャチャさん
    >> めちゃ笑顔のカレーさん、カレー模様のネクタイしめたイラストから『ルールル、カレーの…�』からもう…お腹いっぱいでした(笑)

    確かにカレーづくしですね^ - ^
    後編も是非読んでみてください。


    > 皿うどん さん
    >> 「ゴー宣」に出会った経緯、めっちゃ個性的だなと思いました。

    最初は皆さんに読んでもらうのとても
    緊張したんですが、
    皆さん楽しんでもらえたみたいで
    よかったと思いました^ - ^⭐︎

    > 希蝶 さん

    わたしもカレーのルウは
    中辛が好みです^ - ^

    エリザベートバードリーム
    確かに老いることが恐怖というのは
    生命至上主義に通じるものがあるかも
    しれないですね。

    後編も是非読んでみてください。

  • #6

    希蝶 (土曜日, 02 1月 2021 00:52)

    楽しい企画をありがとうございます。私はカレーのルーは中辛が好みです。このコーナーは甘口ではなく、かといって辛すぎもせず、そんな感じになるんでしょうか。

    内容ですが、自分も人からよく変人扱いされていますが、優柔不断で、決断ができないことの方が多いです。その分、よしりん先生の意志の強さに憧れるのだと思っています。

    エリザベート・バートリ(バートリ・エルジェーベト)伯爵夫人の話は最初聞いた時は「気持ち悪い」でしたが、それだけ老いることが恐怖で苦痛だったのでしょう。これも生命至上主義に通じる話で、エゴイスティックな事例です。フィクションになりますが、『洞窟の女王』も似たような話だったとかな(TVで放映した映画版を見た限りでは)?今は絶版で、『ソロモン王の洞窟』ともども手に入りにくいのですが。

    ともあれ、後篇も期待します。どんな話が飛び出すやら。

  • #5

    皿うどん (土曜日, 02 1月 2021 00:41)

    「カレー氏の部屋」おもしろいですね!
    えみりんさんが「ゴー宣」に出会った経緯、めっちゃ個性的だなと思いました。

  • #4

    カレーせんべい (金曜日, 01 1月 2021 23:49)

    >>1 カブ好きさん
    >>2 mayuさん
    >>3 チャチャさん

    コメントいただき、どうもありがとうございますo(^o^)o
    企画のスタート時はいつも不安でいっぱいですが、
    やっていけそうだと自信を持つことができました♪♪

    BGMが好評だったこと、メチャクチャ嬉しいです(笑)

    交流掲示板でのチャチャさんのアドバイスで「○○の部屋」にしようと決めてからは、コンセプトもタイトルも、そしてBGMすらもすんなり決まりました^^

    この企画では、私はホスト役を務めさせて頂きますが、
    ゲストのゴー宣読者さんの個性を引き出しながら、
    小林よしのりやゴー宣の魅力を明らかにするインタビューを目指したいです。

  • #3

    チャチャ (金曜日, 01 1月 2021 22:29)

    カレー氏の部屋、始動ですね‼️
    めちゃ笑顔のカレーさん、カレー模様のネクタイしめたイラストから『ルールル、カレーの…�』からもう…お腹いっぱいでした(笑)
    皆さんのよしりんとの出会い話、面白い‼️
    後編楽しみです�

  • #2

    mayu (金曜日, 01 1月 2021 14:09)

    「カレーのルールルー」は反則です。
    吹き出しちゃったじゃないですか!

    それぞれの読者のきっかけって面白いですよね。また、話をうまく引き出すカレーさんのインタビュー能力にも感心しました。

    とても面白かったです!!

  • #1

    カブ好き (金曜日, 01 1月 2021 12:18)

    お二人の対談、めっちゃ面白かったです!
    変人、奇人の末に辿り着いたのがよしりんだなんて!!
    そして「カレー氏の部屋」とそのメロディー、最高です!