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週刊SPA!6月9日号 第87章「データを無視する専門家」


 

タッチ&ゴー

《収録参加》

え:えみりん

た:たっちゃん

カ:カレーせんべい

  

《収録》

2020年6月2日20時30分から21時10分

 

週刊SPA!6月9日号

ゴーマニズム宣言 第87

 

「データを無視する専門家」 

 

 

た:新型コロナはワクチンや治療薬がなく、まだまだ未知のウィルスだからと恐怖を感じている人が今でも沢山いると思いますが、新型コロナの感染規模やその症状については、データが色々と出てきているわけじゃないですか?

 

え:今週のゴー宣では『発症日ベースでの流行曲線』と『実効再生産数の推移』のグラフを出して、感染流行のピークは3月末だったことを証明していましたね。

 

カ:5月1日に出された専門家会議のデータですね。大衆の情緒が恐怖感であるなら、どうして5月1日の専門家会議のデータを見て「あぁ、ピーク過ぎててよかったぁ♪」と安心しなかったのでしょうね?

 

え:確かにこのデータ見たら自粛はしなくてもよかったんだって分かりますね。

 

カ:私も4月の時点では、感染の爆発的増加がこれから来るかもしれないと警戒していました。だけど3月末からずっと感染者数が下がりまくっているグラフを見て安心しましたけどね。

 

た:コロナで不安だった人にとっては「都合の良いデータ」のはずですよね。

 

え:私は、科学者が全然データを見てないっていうのに驚きました。

 

た:最後の方のコマで「科学的データが大衆の情緒に負けている。」って述べられていましたが、まさにその通りだと思いました。

 

カ:私は百歩譲って、4月7日の非常事態宣言については「データが揃う前だったから」という理由ならば歩み寄れます。だけど5月の非常事態宣言延長については、客観的なデータを出しておきながら、そのデータを無視して経済に大打撃を与えたのだから、もうわけが分からないです。

 

え:もしも、ゴー宣で書かれていた通り「日本のデータは専門家の活動を奪う。放っておいても収束することを示すデータだからだ。」が理由だとしたら、それはもう信じられないことだと思います。

 

カ:私はさすがにそこまで酷い事がまかり通っているとは思わないけれど・・・、ただ専門家たちが「世の中の空気」を相当強く意識して結論を出していると感じます。

 

え:非常事態宣言の延長に対して、異議を唱える専門家は誰もいてなかったのかなって思いました。

 

た:確かにそうですね。

 

え:科学者が科学的なデータを無視してしまったら、一体何を信じているのかなって思います。

 

◆◆◆

 

た:うちの会社は店舗があるので商品を買いにお客さんが来るんです。今まではアルコールを置いたり、換気したりしてたんですけど、数日前からレジに透明のシールドを設置するようになったんです。

 

え:コンビニやスーパーで設置されているやつですね。

 

た:それを決めたのは社長ですけど、社長自身はコロナに対する恐怖感というのは、そこまで強く感じているわけでもないんです。

 

カ:そうなんですね。

 

た:結局は周りの目というか、お客さんが「他の所では対策しているのに、ここの店はしないのか?」という目線を気にしてるだけです。せっかくデータが出てても、大衆の情緒に負けている感じですね。

 

カ:それはもう「仕方がない」と私は考えます。会社経営をする立場からは「そういうゲームになった」と受け入れるしかないと思うんです。否応なくそういうルールになった以上は、そのルールの中で生き残らないといけないと、責任ある人は考えざるを得ないでしょうね。

 

え:たっちゃんの店ではお出汁を扱うから、清潔さとかイメージが大事やろうから、そういうお客さんに合わせて、目に見える対策をするのって仕方がないかもしれないですね。

 

た:なるほど。

 

カ:私も電車の中ではマスクするようにしました。世間の情緒に合わせておこうと諦めた。マスクしていなくて睨まれたり、わざとらしく席を立たれたりするのにストレスを感じるのが嫌になってしまった。「もうめんどくさいからバカのお前らに合わせるわ」って感覚になってしまった。真面目に一個一個戦ってたら本当にキリがないなって思って、諦めてしまいました。

 

え:えー、そうですか。

 

カ:もし私が戦前に生まれていたとして、当時の全体主義的な空気には逆らえなかったと自覚しました。これはニヒリズムもありつつも、本当にもうどうしようもなかったと思います。

 

た:うーーん。

 

カ:ただし、今は自粛の解除だけは絶対に必要だと思っています。ここまで経済を止めてしまうと多くの人に惨劇をもたらします。マスクをするくらいなら私は世間の情緒に合わせますが、経済活動の自粛だけは絶対に反対です。

 

◆◆◆

 

え:藤井聡さんが「新コロによる失業者の増加で自殺者は史上最悪になり、その数は最悪の場合年間4万人で、収束に2年かかる」って計算して、「2019年の水準に戻るまでは、19~27年かかり」とあって、これ読んだときそんなにかかるんやってショックを受けました。

 

カ:新型コロナが原因の失業は、リーマンショックを超えると肌で感じますので、この試算もあり得ると思います。

 

え:何ヶ月か自粛しただけどこんな何年単位ってことになってしまうんやっていうのすごい驚きました。こんな簡単にするべきものじゃなかったんやって。

 

カ:私の会社では1年間の利益の中から1億数千万円の法人税等を納税していますが、ひと月当たりの固定費は2億5千円です。1か月間経済活動止めたら、1年間通して赤字になるし、本来納めることができたはずの税金も0円になってしまいます。

 

え:今週のゴー宣を読んで、政治家も科学者も「総合知」っていうのがいかに大事かっていうのがわかりました。

 

◆◆◆

 

カ:ただ、大衆が恐怖や熱狂に踊りまくっている瞬間に、政治家が「総合知」を発揮することは相当難しいと思ってしまいます。

 

た:今週のゴー宣を読んでいると、安倍晋三にもちょっと同情の余地があるような描き方に見えましたよね。

 

カ:5月1日の専門家会議のデータがあって、結論が「非常事態宣言の延長」になった理屈は、レポートを読んでもよく分からなかったです。そして5月頭の世間は「今の自粛をゴールデンウィーク明けにやめるなんて考えられない!」という空気がありました。つまり「空気によって結論が決定された」としか思えないんです。

 

た:「結論が決定されてるから、どんなデータ出ても関係ない」ってことですね。

 

カ:またしても私が大嫌いな『結論から逆算している』ってヤツです。だって経済をズタズタにする非常事態宣言の延長を正当づけるエビデンスが無いんですから。

 

た:小学生ぐらいのときに、理科の実験するじゃないですか。どんな実験も教科書には「結論」があるじゃないですか。でもたまに実験しても教科書とは違った結果が出た場合、必ず先生が出てきて「これはやり方が間違いだから、やり直して」と言うんですよね(笑)

 

カ:それありました! 理科の実験に失敗したら、先生が「本当は、こうなります」と教科書に書いてある結果を言ったんです。私は笑いながら「”本当は”今やった通りじゃないか!」って言ったです。そしたら、もうめっちゃくちゃ怒られましたね(笑)

 

た:今、目の前で起きている現象こそが”本当”ですよね(笑)

 

カ:私は勉強の成績が悪かったから「アラシ」と思われたのかもしれないなぁ(苦笑)

 

た:だから実験で思ったような結果が出なかったときの気まずさといったらないですよね。

 

カ:だけど経済活動の自粛を延長したのは、死人が出る決断ですから。文字通り腹を切って、死んでお詫びする良心的な科学者が出てきたらそれは個人的に大変お気の毒にとは思うけど・・・、まさか何の責任も取らないというわけにはいかんでしょうね。

 

◆◆◆

 

た:僕の会社の社長が「この1ヶ月少々自粛した程度で、従業員を何人も雇ってるような会社がバタバタ潰れるっていうのは、一体どういう経営してるんだ」と言ってたんですよ。

 

カ:ほう。

 

た:「それだけ大勢の人の人生を受け持ってるんやから、もっとちゃんとお金貯めとかなあかん」みたいなこと言ってたんです。だけど、うちの会社はまだ売上3割減とか4割減とかで済んでますけども、業種によっては、売上がほぼゼロになった会社もいくらでもあるじゃないですか?

 

え:しかも1か月で済まない可能性もありますしね。

 

た:仮にうちの会社の売上がほぼゼロになったとしたら、給料を保証してくれるかといえば、絶対しないだろうなと思うので、苦笑いするしかなかったです(笑)

 

カ:今現在絶好調の会社であっても、過去の決算書をさかのぼって見ていけば、低空飛行でギリギリの時代っていうのがあるものなんです。だけどそのピンチを抜け出して上昇して今があるわけなんです。たとえば自分の「人生」を振り返ってみれば、誰だって心当たりがあるでしょう?

 

え:会社にだって浮き沈みがあるわけですね。

 

カ:つまり今は低空飛行ギリギリだけど、これからどんどん上昇していく可能性がある会社を、コロナ自粛によって一気に地面に叩きつけられたようなもんです。しかも天災ではなく人災でね。それはあまりに無念で、酷い話だねってことです。

 

◆◆◆

 

え:ゴー宣の漫画の絵で、楳図かずおさんぽく描いてるのが上手やなって思いました。

 

た:最近のゴー宣では、スタッフさんがこのタッチで描かれていますが、面白いですね。

 

カ:そういえば宇都さんの似顔絵を、久しぶりにしっかり見た気がする。

 

え:宇都さんだけ、いつも見切れたりしていますよね。

 

カ:今週は4ページ目の右下に、宇都さん一人だけのコマがありますよ。

 

た:いやいや、カレーさん。それ宇都さんじゃなくて「8割おじさん」ですから(笑)



コメント: 2
  • #2

    カレーせんべい (水曜日, 10 6月 2020 10:35)

    >>1 和ナビィさん
    確かに、ゴー宣の魅力は「説得力」ですが、
    「論理」のみならず、「絵の力」というのもありますね☆

    「総合知」というキーワードは、色々と考えさせられます。
    西部邁氏も、自決する直前の番組内で、
    「総合知の大切さ」と「専門バカになるな」と説いていたからです。

    社会が短期的な視点でパニックに陥った時、
    どのように総合知を働かせて、どのように着地点を見出すべきか・・・。

    一個人としても、難題です。

  • #1

    和ナビィ (月曜日, 08 6月 2020 22:19)

    バラエティー番組やそれに類した報道番組で、観客(がいるとして)が笑ったり「えーっ!」と驚いたり感心したりする音(声)が入る場合が多くあります。演出の一つでしょうが、出演者だけでやり取りするより“観客が反応する騒めき”が入るとそれが効果音になって場が盛り上がったり、テレビの向こうの一般視聴者もその反応につられます。

     専門家会議が5/1に発表したデータ、先生の冷静な解説に「え~~~っ!?」「そんな~~!?」と目を剥いておどろおどろしいお顔でエスカレートしていく様子は最高!。---同じ顔とキモチ!です。(えみりんさんが仰るように楳図かずお風、昔ゾクゾクしながら読んでました;)

    >非常事態宣言の延長に対して、異議を唱える専門家は誰もいてなかったのかなって思いました。 科学者が科学的なデータを無視してしまったら、一体何を信じているのかなって思います。 (えみりんさん)

    紛糾したはずのその会議の議事録も残していない!?とのこと、くせい、くせい疑惑の惑星です。論じておられるようにデータに科学者ともあろう人達が誠実でない(無視する)。≪科学的データが大衆の情緒に負けている。≫という言葉がズシンときます。

     そもそも「大衆の情緒」はマスコミによって煽られ誘導されました。そしてP72~73の“都・国のリーダー”の対応の決め方の流れに暗澹とします。そして描かれた安倍首相・小池東京都知事・恐怖を煽った玉川岡田両氏の似顔絵の凄さよ!。---その人物がどんな腹積もり・計算で動いたか一目で伝わる恐ろしさ---批評そのものです。

     大衆はと言えば、目鼻はあれども自ら考え判断はしていない表情の顔・顔・として描かれ、怯え翻弄されるばかり。そしてこれから来る未曽有の大不況下、人々には顔さえなく暗いシルエット・・・そういう不況の影響を懸念する藤井聡教授の表情も真実味が迫ります。

     「総合知」で専門家を“利用する”、すべて鑑みてリスク背負って最も妥当な決断を下す、そこが「政治家」の役割なのですね。「総合知」って覚悟を決めた胆力のことかもしれないと思いました。