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「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」読書感想文

 

投稿者:ポコ太郎さん

 

樋口耕太郎著「沖縄から貧困がなくならない本当の理由」(光文社新書)を読みました

 

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衝撃的な内容であり、沖縄だけでなく、日本全体の問題と感じたので、皆さんと共有したいと思い、投稿します

 

 

著者の樋口耕太郎氏は、事業再生を専業とされている企業家であり、沖縄大学の准教授や沖縄経済同友会常任幹事もされている方。現在、沖縄の経済成長をけん引するビジネスに奔走されてます

 

この本によると、沖縄県民の貧困率は、ダントツの全国1位とのこと

その貧困問題は、個人の問題ではなく、構造的な問題ではないかと投げかけています

 

戦後の特殊な歴史や基地経済への依存・不安定な雇用構造・「家族・教育・福祉」の連鎖的な弱さ…

これらが絡み合い、貧困から抜け出しにくい状況を作り続けている、というのが本書の核心です

 

まず、沖縄は本土に比べ本格的な復帰(沖縄返還)が1972年と遅く(当時の本土は高度経済成長真っただ中)、産業育成やインフラ整備が長く制限されてきました。その結果、製造業が育ちにくい、高付加価値産業が少ない、観光と基地に依存した経済構造が固定化されてきました。「選択肢の少ない経済」が低賃金・不安定雇用を生みやすくしています

 

基地は雇用を生み出す反面、地域経済の自立を妨げる、土地利用の制約になる、産業転換のインセンティブが弱まるという側面があります。特に本書では、基地関連収入は「生活の底上げ」にはなっても「持続的な貧困脱却」にはつながりにくいと指摘されています

 

また沖縄は平均賃金が全国最下位で、非正規雇用比率が高く、若年・女性・単身世帯が特に不安定となっています。そのため、働いても貯蓄ができず、病気や失業で一気に困窮になるという負の連鎖が生まれやすいと説明されます

 

ひとり親世帯の割合が高いことも指摘されています。学習環境が不足し、進学・就職の選択肢が狭まり、結果として「貧困家庭に生まれた子どもが、再び貧困層になる確率が高い」という連鎖が起きているとも述べられています

 

自己責任論にも言及しており、本書は「沖縄は甘えている」「補助金頼み」「努力しないから貧しい」といった言説を明確に否定しています。それは、同じ制度化で選べる選択肢が少なく、努力が報われにくい環境が存在しているからで、貧困を個人の性格や努力の問題にすり替えることこそが問題だと強調しています

 

解決の方向性、即効薬はないとしつつも、子ども・教育への重点投資や、不安定な雇用を前提にしない産業政策、所得の再配分・福祉の強化など、短期的な経済成長ではなく、長期的な生活基盤の再構築が必要と述べられています

 

沖縄の貧困問題を「感情」ではなく「構造」で説明し、データと現場の生の声を結びつけた内容となっており、沖縄だけでなく日本全体の貧困問題にも通じる、価値ある問題提起の一冊

 

本のカバー裏側には、「沖縄の根本原因を突き詰める旅は、日本の根本原因を突き詰める旅であり、そして、私たち自身を見つめるたびである」とあります

自分事として、ページをめくるたびに考えさせられる本でした

 

 

(カレー千兵衛のコメント) 

 

 

日本は「47都道府県」ですが、

 

沖縄県は明らかに不平等を押し付けられていますね。

 

 

大東亜戦争では「本土決戦」における唯一の住民を巻き込んだ地上戦で焦土と化し、

 

戦後は27年間にわたる米軍統治下に置かれました。

 

1972年の本土復帰後も「本土並み」の約束は果たされず、

 

 

現在も国土の約0.6%の土地に在日米軍専用施設の約7割が集中している。

 

 

これは全然平等ではない。

 

その上、今現在でも貧困率が全国1位なのですね。

 

これを立て直すには、短期的な経済効果を目指すのではなく、本当に基礎部分から再構築が必要ということなんですね。

 

確かに、これから衰退する可能性が高い日本そのものに言えることかもしれません。

 

 

 

それにしても、、、これは「感情論」になってしまいますが、

 

「沖縄県民斯く戦へり。後世特別の御高配を賜らんことを」と残した大田中将の言葉を裏切っていることに、これ以上ない理不尽を感じます。

 


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コメント: 4
  • #1

    大阪の一会社員 (日曜日, 17 5月 2026 11:33)

    「自己責任」…
    かつての、小泉竹中構造改革の際に、大手マスコミや学者がよく吹聴していた言葉ですね。
    ジャーナリストやボランティアの人間が、海外でテロ組織に捕まった時もよく言われましたね。
    「自己責任」…
    権力による不都合や不具合に対して、論点隠しに頻繁に利用される言葉でありますね。
    そして、それに引っかかる人間の多い事。
    構造改革の顛末が、今だに、「少子化」といった問題に尾を引いている事。
    イラク戦争やアルガンの頃、盛んに「自己責任」を言っていた割には、今だに自主憲法を作り、アメリカから真の意味で独力出来ていない事。

  • #2

    晃明 (月曜日, 18 5月 2026 11:25)

    私の知っている沖縄の知り合いは皆真面目で、よく働きます。それでも生活はカツカツなんだそうです。

    沖縄は島なので内地よりも物価が高いし、車が1台以上ないと生活が成り立たないし、ネットで買い物をすると配送料が高くついてしまうのも地味に痛いですね。
    それに加えて酒好きが多く、人との付き合いをとても大切にする土地柄なので、交際費にもけっこうお金を使うようです。

  • #3

    ポコ太郎 (月曜日, 18 5月 2026 23:16)

    ♯1 大阪の一会社員さん
    ボクもしがない大阪の一会社員です
    この本では自己責任論を真っ向から否定してますので、ご安心くださいませ♪♪♪

    ♯2 晃明さん
    そうなんですよ、ボクの沖縄のお友だちもその通りなので(沖縄でビールを作ったり、アグー豚を養殖したり…)、今週末に会うので、聞いてみようと思ってます

  • #4

    和ナビィ (日曜日, 31 5月 2026 23:58)

    つい先日沖縄に行きました。行く前に読み始め現地で読み進め、台風迫りくるギリセーフ;便の機内で読了しました。約20年ぶりの沖縄、この本を教えて頂いていたおかげで、内容を追うことを含めての沖縄の旅でした。

     沖縄の貧困問題を「構造」で説明していく、---沖縄にかけてきた・かけている負担のバーター・・・注ぎ込まれる国の補助金の作用の複雑さ・難しさに衝撃を受けました。
     第一線の証券マンに始まり金融事業の統括、沖縄のホテルを独自の方法で再生した手腕にも驚きます。長く様々な人々に会いその話にひたすら耳を傾けそこから洞察していく姿にも。
     初めてのご著書とのこと。読みながら胸を突かれるような箇所もいくつもありました。
    帯には ≪キーワードは「自尊心」---これは日本の問題だ≫ とあります。