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≪文字起こし≫「TVシンポジウム コロナ・パンデミック5年目の検証」

 

投稿者:トマトさん

  

先日投稿した2025年11月30日放送「TVシンポジウム コロナ・パンデミック5年目の検証」ですが、見逃し配信期間は1週間しかない(配信終了は12月7日15時29分)ので、急ぎ一部を文字起こししました。 

 

時間が足りなかったので、尾身さん、松本さん、その他VTRに登場する方々の発言はほぼほぼカット。

磯野真穂さんの発言をメインに拾いました。 

 

ただ、VTRで登場した方々のお一人、佐々木淳さんの発言も印象に残ったので、その部分も文字お越ししました。

 

その方は、在宅診療をされている方で、その地域の多くの病院が発熱患者を診てくれなかった時にも診察をし続けてくれていたようです。

 

 

・・・・・文字起こし始め・・・・・


 

(中略)

 

 

6:35~

 

●磯野真穂さん

 

2022年の初期の頃、ある医師からこんなお話を聞きました。

 

ある患者さんがいらっしゃって、検査をしたら白血病があると分かってしまった。

 

ところがその患者さんが何を言ったかというと、「コロナじゃなくて良かった」と胸をなでおろした。

 

これはまさに、医学の視点でみていただけでは分からない、ですよね。

 

白血病よりもコロナじゃなくて良かったと思ってしまう、この価値観というのは、どういう歴史、文化、政治、経済の観点から現れてくるのか、というのを分析するのが、医療人類学です。

 

 

(中略)

 

 

11:52~

 

●磯野真穂さん

 

私は尾身さん、松本さんと少し違う立場なんですけども、例えば、アメリカと先程のGDPの落ち込みで言えば、アメリカと日本のGDPの落ち込みというのは、ほとんど同じですが、アメリカは突出して死者数が多く、対して日本は少なくて、7分の1程度。先程のグラフによれば、ですね。

 

つまり、私たちというのは、コロナ死を減らす為に、アメリカ以上の経済的損失を許容した、という見方がひとつできるかと思います。

 

そして、コロナ禍においては、驚くほど大きな、巨額な財政出動がなされたわけですから、果たして通常の病気でこれだけの巨額の損失を私たちは認めるだろうか、と言う事を考えた時にコロナというものが、この社会の中でどういう病気として捉えられていたのか。

 

そして、その見えないところで、例えば、子どもの自殺者が大幅に、例えば2020年の7月から10月は49%上昇した、というデータもあります。

(中略) 

 

16:32~

 

●ナレーター

 

早くから感染対策に取り組んできた在宅医の佐々木淳さん、当初から積極的に感染者を受け入れてきました。

 

そんな佐々木さんが憂慮する事態がおきました。

 

緊急事態宣言の1カ月前、近隣の医師の多くが患者の受け入れを拒否したのです。

 

 

 

●佐々木淳さん

 

ちょっと未知の感染症なので、コロナに関してはうちは診ない、と。

 

例えば千葉だと、発熱外来に協力した医療機関は全体の20%ぐらいで、80%は発熱外来を開いていないというか、発熱者を診てくれなかった。

 

●ナレーター

 

そこで佐々木医師は、在宅診療を続けながら、自らのクリニックで臨時の発熱外来を立ち上げました。

 

そこには行き場を失ったコロナ患者が多く訪ねてきたといいます。

 

 

●佐々木淳さん

 

地域で発熱者を診る外来がないという事だったので、遠くから20キロとか30キロ向こうから、車に乗って受診する患者さんたちがピークの時にはたくさんおられて、そこの駐車場にずらっと車が並ぶような事が一時期は毎日のように起こっていました。

 

プライマリケア、地域医療の担い手としては、責任の放棄だったんじゃないかなと、私は、個人的には思います。

 

 

(中略)

 

 

22:10~

 

●磯野真穂さん

 

尾身さんがおっしゃってくださったように、クラスター対策、非常に重量な対策だったと思うんですけれども、実はある地方都市で私がフィールドワークをした時に、クラスター対策のある種の副作用みたいなものを私は見ました。

 

ある地方の新聞紙に毎日毎日、感染者の相関図のマップが掲載されて、それが毎日更新されると。

 

地方都市だから、調べれば誰か分かっちゃう訳なんです。

 

そうすると、裏で、そこに名前を書き込んで拡散する、という事がおこってしまって、その結果何がおこったかというと、この人は危ないんだとか、県外から来た人は危険なんだ、というような事がおこってしまった。

 

これは、尾身さんたちのせいでは全くないんですよ。

 

全くないんですけど、ある種、それが副作用的におこってしまった、という問題点もあったかなと思います。

 

 

(中略)

 

 

23:10~

 

●磯野真穂さん

 

そうですね、属性によって排除するっていう事が感染対策の元に正当化されてしまったというところがあったかと思います。

 

 

(中略)

 

 

26:08~

 

●磯野真穂さん

 

日本社会の特徴として、制度的な問題にあまり目を向けないという特徴があります。

 

これは慶応義塾大学のイトウユキコさんという経済学者が出している試算なんですけども、残念ながら、発熱外来をやりますよと届け出を出しても、公に向けては公表しなかったクリニックがあったと。

 

実はその結果、試算をすると、補助金をもらいながら発熱外来をやっている事を公表しない事が、医療上、一番最も収益が上がるモデルとなってしまった、という試算を出しています。

 

そしてこれは残念ながら、病床確保料も同じで、9兆5千億出されたにもかかわらず、3波から9波の間に使われた病床の割合は、なんと、3割ちょっと、なんですね。

 

これはやはり、制度上の欠陥があったという事で、それが、やはりコロナ禍の間に修正されなかった、という事を私たちは重くみるべきではないか、と考えます。

 

 

(中略)

 

27:16~

 

●松本哲哉さん

 

今の試算は確かにその通りだと思います。

 

すなわち補助金がですね、診た患者さんに対してこれだけのものを払います、というのであれば、多くの医療機関が診ていただいて。

 

ただ、あの時はですね、ベッドを確保したものに対しての補助金だったんですね。

 

という事は、ベッドを確保すれば患者を診なくてもお金くるじゃないかという風になると、そういう風な流れになってしまう面もありますので、そこはやっぱり、制度上の問題じゃないかなとは思います。

 

 

 

●磯野真穂さん

 

結局、誠実な病院がすごく苦しむ、という事になってしまう訳ですよね。

 

 

●柴田理恵さん

 

そういうのって、でも、誰か、全然ベッド空いてるじゃないですか、おかしくないですか、っていうチェック機関みたいなものじゃないんですか?

 

 

●松本哲哉さん

 

チェック機関というよりは、あの当時は、どれだけベッド確保します、実際入院患者はこれだけいますというのが、私たちもデータとして見れていましたので、それを見るとですね、これだけ確保すると言いながら、患者こんなに少ないのはなんで?というところは結構あったんですよ。

 

 

●柴田理恵さん

 

そういうのって、注意できないんですか?それ、おかしくないですか?って。

 

 

●松本哲哉さん

 

そこに本当は、そこには払いませんよっていうふうなしくみが、ちゃんとあれば良かったんですけど、あの時はおそらく、すごい混乱の時期だったので、制度そのものを変える事自体にも時間がかかって。

 

 

(中略)

 

37:25~

 

●磯野真穂さん

 

そうですね、やはり、その、コロナは気を付けなければいけない病気ではありますけれども、ただ、やはり、データを見れば、コロナの死者数の9割以上は70歳以上の方で、最多は80代です。

 

日本人の平均余命って、男性は81歳、女性が87歳なので、平均寿命に近くなった方が、非常に脆弱な、なると亡くなってしまうかもしれない病気がコロナである。

 

じゃあ、これを抑える為に、若者の生活っていうのをどこまで抑制していいのかっていうのを、私たちは非常に考えないといけないと思います。

 

そして、もう一点なんですけども、未だに続いている感染対策で一番問題だと思うのは、医療福祉施設の面会制限です。

 

未だに中学生以下は入ってはいけない、あるいは、病院によっては、受付からカウントダウンが始まって20分以内に病院を出なさい。

 

あるいは、週2回までで、2回以上面会をしていたら、もう会えません。その間に親御さんが亡くなってしまった方がいる、であるとか。

 

感染対策のもとに面会制限を続けている医療福祉施設が未だにある。

 

 

(中略)

 

 

49:40~

 

●磯野真穂さん

 

先程、尾身さんが色んな方との対話を通じて、不安が不満に変わったとおっしゃっていましたけれども、私は、信頼が不信に変わったという言い方をすべきではないかと思います。

 

私たち素人というのは、細かい事は分かりませんから、専門家の言っている事をとにかく信じるしかありません。

 

だから最初は、そういう事なんだから信じて頑張ろうとするわけなんだけど、じゃあ、医療体制が整うまでって、医療体制はいつまでも整わず、最後の最後まで医療逼迫、医療崩壊という問題が言われ続けてしまう。

 

あともう一つ、やはり、本当に専門家の人が正しい情報を出していたのか、検証も絶対に必要で。

 

これは東大の経済学者のイワモトヤスシ(岩本康志)さんという方が、人流の8割削減であるとか、人流を8割削減する、あるいは、何もしなければ42万人死亡するという試算が、実は科学的に明らかに間違っている、というような事を専門家の方がおっしゃってもいます。

 

(中略)

 

50:00~

 

●磯野真穂さん

 

ポイントとしては、いわゆる正しい情報を持たない市民というところに問題の一番を持っていくのではなく、専門家の側にも、やはり問題点があったのではないか、という事を振り返らないと、やはり、権威に対する信頼というものは取り戻せないと思うんですね。

 

(中略)

 

54:10

 

●磯野真穂さん

 

まず1点目は、日本社会は危機に際した時に似たようなパターンをとる傾向があるので、それをきちんと踏まえた上で、悪い方向に行かないようにすること。

 

例えば、感情論精神論に走らないであるとか、あるいは極端な対策をダラダラ続けない。

 

そしてもう1点、これ、意外と盲点だと思うんですけど、政策に係わる人々に多様性を持たせること。

 

実は、新インフルエンザ等対策有識者会議の女性比率は、13%。分科会も20%です。

 

ほぼほぼ政策に係わっている人達は40代から70代の男性で、かつお医者さんであるとか、大学教授であるとか、かなり属性が偏っている人達によって決められている。

 

これはやはり、全国民に影響を与える事なので、もう少し、想像力に限界があると言う事を踏まえて、多様性を取り入れていくべきだと思います。

 

明らかに女性が少ないのは、これ明白だと思います。20%ですからね。

 

 

・・・・・文字起こし終わり・・・・・

 

 

(カレー千兵衛のコメント) 

 

トマトさん、貴重な書き起こし、ありがとうございます!!!

 

 

そして、磯野真穂さんの指摘はイチイチ正しいと思いました!

 

ただある意味では、「理性」と「良識」があれば、辿り着く答えであるとは思うわけです。

 

 

トマトさんが以前に投稿してくださった内容も以下の通りご紹介しておきます。

 

・・・

 

トマト (日曜日, 30 11月 2025 23:49)

 

磯野真穂さんのお名前を初めて目にする方の為に、こちらのサイトで「磯野真穂」さんの新聞記事が紹介された際のURLを添付させてください。

 

 

2022年3月19日

●人類学者・磯野真穂『コロナ「異」から「違」へ』

 

●磯野真穂『リスク許容する「良識」を』

 

 

 

 


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コメント: 3
  • #3

    まさひー (月曜日, 08 12月 2025 07:55)

    私も昨日録画していたのを見てました。かなり周回遅れですが、コロナで亡くなる人の多くが高齢者だとか、何もしなければ42万人死亡するという試算が科学的にに間違っていると主張している専門家がいるとか、こうしたまともなことがNHKで流れていたところに着目しています。テレビが情報源だという人たちに、見てもらいたい内容です。

  • #2

    ピエール (日曜日, 07 12月 2025 22:34)

    トマトさん、文字起こしありがとうございます!!
    文章で大事なところを読み返せるので、本当に貴重な記事になります。

    コロナ禍のなかで、誰がどのような言動をしたのか?

    約5年たった今、誰がどうしっかり反省・総括しているかをはっきりさせなければいけませんね。

  • #1

    ポコ太郎 (日曜日, 07 12月 2025 21:40)

    磯野真穂さん、冷静に素晴らしいコメントされてます。
    ホンネは参加者の尾身やらに、この野郎というくらいの気持ちがあったんだけど、抑えて抑えすぎた発言だったのではと拝察します

    こないだ磯野真穂さんの著書を紹介しましたが、非常にバランスある本だと思います

    このような本質を理解されている方の意見を拳拳服膺したいですね