投稿者:ポコ太郎さん
昨日のお題で触れなかった陰謀論ですが、お友だちが以下の本の書評をしていたので、ご紹介いたします。
そもそも陰謀論とは何ぞや?から学んだ方がさらに理解が深まるのではないでしょうか。
また、国民の意思を分断するような事案が出てきたときや、メディアが同じ方向からの意見を叫び出したときなどは、一旦そこから距離を置き、今までなら自分自身はどのように考えていたのかというスタンスに立ち返り、「本質」を沈思黙考することこそが、陰謀論に右往左往しない真正保守のスタンスだと思います。
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長迫智子・小谷賢・大澤淳『SNS時代の戦略兵器陰謀論』(ウェッジブックス)を読みました。
著者は、順に、情報処理推進機構(IPA)サイバー情勢研究室研究員、日本大学危機管理学部教授、中曽根康弘世界平和研究所主任研究員であり、基本的に、研究者と考えてよさそうです。
本書の冒頭p.5では「アメリカ大統領選挙をはじめとする各国事例において陰謀論がどのように国家の意思決定を脅かす存在となっているか、そして、中国やロシアといった安全保障上の懸念国が、陰謀論というナラティブを戦略的に利用して我々の認知を攻撃することで、どのように我々の自由民主主義的価値観を脅かしているかを示し、さらにはその脅威が日本までをも侵食していることを明らかにする。」と明記していて、外交や安全保障の観点から、SNSに流されているさまざまな陰謀論を認知戦として捉えて分析しています。
本書は4章構成であり、第1章では、2020年と24年の米国大統領選挙を中心に、SNSを通じた陰謀論の拡散と民主主義への影響を分析し、Qアノンや選挙不正説などが、どのようにして信念体系となり、政治的分断を深めたかを考察しています。
さらに、第2章が本書の核心であり、陰謀論を「認知戦」の観点から捉え直しています。
すなわち、フェイクニュースやボットを用いた拡散により、国家や非国家アクターが意図的に世論を操作し、民主社会の信頼を揺るがす過程を分析しようと試みています。
第3章では、中国とロシアの情報戦略を歴史的背景とともに分析していて、プロパガンダや情報攪乱、サイバー攻撃が国家戦略として組み込まれている中露の情報戦では、国内世論に対してあたかも内部から影響を浸透させるようにして、武力ではなく情報線で優位に立つ重要性を強調しています。
第4章では、日本社会の情報空間の脆弱性に焦点を当てており、海外発の陰謀論や偽情報が日本国内で無批判に拡散される状況を指摘し、情報リテラシーの欠如がもたらすリスクと対応の必要性を強調しています。
この第4章の最後のポイントは、つい最近の参議院選挙における極右勢力の伸長に結びついている可能性があり、今後も注視するべきと私は考えています。
(カレー千兵衛のコメント)
本題に入る前のポコ太郎さんの言葉
「国民の意思を分断するような事案が出てきたときや、メディアが同じ方向からの意見を叫び出したときなどは、一旦そこから距離を置き、今までなら自分自身はどのように考えていたのかというスタンスに立ち返り、「本質」を沈思黙考することこそが、陰謀論に右往左往しない真正保守のスタンス」
に感銘を受けました!
「分断する言葉」を多用して蛸壺化していることに無自覚な人
を目にすると相対主義の方がマシじゃないかと思います。
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ポコ太郎さんの言うところの「本質」を沈思黙考する際には、ビジネスにおける意思決定と同様に、メリットとデメリットを考えて相対化するはずなんです。
「誰誰が言っているから」「なんとなくそういう雰囲気だから」で判断するのか、
「自分の経験と感性」で判断するのか。
それが陰謀論に流されるかどうかの境目であり、
いわゆる情報リテラシーというやつですね。
PS.当ホームページを使って、やってみたい新企画を思いつきました。
『政策』や『イデオロギー』など世の中の意見が分かれるテーマに対して、
「メリット」と「デメリット」を冷静に出せるかどうか。
それを踏まえた上で『価値の判断』を下すことができるのかどうか。
価値判断をする前に「メリットとデメリットを羅列しよう」のコーナーをやってみたいですo(^o^)o
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和ナビィ (日曜日, 03 8月 2025 11:42)
またまた面白そうな本のご紹介感謝です。
>国民の意思を分断するような事案が出てきたときや、メディアが同じ方向からの意見を叫び出したときなどは、一旦そこから距離を置き、今までなら自分自身はどのように考えていたのかというスタンスに立ち返り、・・ (ポコ太郎さん)
>「誰誰が言っているから」「なんとなくそういう雰囲気だから」で判断するのか、「自分の経験と感性」で判断するのか。(カレーさん)
その通りだと深く頷きました。力あるもの(と思われるもの)にあやかる、お墨付きを得た気持ちになって勢いづく人の雰囲気にも警戒します。その時一旦距離を置いて観る・どう感じているか自問する、ただし自分の経験と感性も疑いながらですけど。
わたいもフツーのバァバで日々良かれと暮らしていきたいものです。 失敗や心配も多々あるのが普通、それぞれ変で可愛いですもの。だから『ふてほどミュージカル』の一番のお気に入りは『寛容になりましょう♪』の歌と踊りです。
本質を見抜いていて、居付くことなく戦いに身を置く----ポコ太郎さんのまとめのご感想に同意です。
ポコ太郎 (日曜日, 03 8月 2025 09:55)
おはようございます。
カレーさん、一昨日はありがとうございました。先日の喫茶居酒屋(?)ヲコワで取りこぼした大切なお題だったので、補助線になれば幸甚です。
メリット、デメリット、損得で価値判断するくだりですが、面白そうですね。あと、違う基軸として、善悪、正邪という、正しいこと↔︎正しくないことという価値判断も追加したいところです。上下が善悪、左右が損得みたいな2×2のマトリックスのイメージかな。
卑近な一例ですが、防衛省幹部に川崎重工が贈賄した事件。関わった双方にはメリットしかないが、正邪で言えば悪でしかない(贈賄罪)とか。
本来は真善美であって尚且つメリットがあれば最高。そうはいっても人間は弱いし猥雑な生き物なので、真っ黒や真っ白はあまりないようにも思います。またそんな完璧な生き方は難しいのですが、市井の小市民としてアホなことを言ってガハハと笑いながら日々良かれと暮らしていきたいものです。また道に外れることも多々あるのですが、寛容に見ていただけたらなぁ…なんてね。自分には相対的…自分に甘いなぁ〜
そんなことを考えていくと、今の日本で真善美&メリット、また歴史的な大局の基軸を加えても正しい道は、天皇陛下と愛子さまを皇太子に掲げることでしょうか。それにいちはやく気づき、全力を注ぐよしりんはやっぱり只者ではない、本質を見抜く力がハンパないなぁと改めて思いました。