投稿者:リカオンさん
テント村2日目の報告です。
(朝のテント村)
七尾テント村の朝を迎えました。
早起きしてしまったので今日ボランティアの予定のない隣の中国のDさんに声をかけず。
私は携帯を充電しに白いテントに向かいました。中は既にストーブと電気ポットが点けてあり、テント内は温かでした。
(洗濯 流し)
一塁側ベンチの奥に行くと流しや無料で使える洗濯機などがあり、ホワイトボードにはテント村の情報や野口健の災害支援に関するSNSを印刷したものが置かれていました。
(朝ごはん)
白いテントでコーヒーを飲みながら朝ごはんを食べていると、人が三々五々集まって来たので情報交換。
女性も多く初対面で意気投合し、ボランティア活動後一緒に能登を巡る予定という人達もいました。
温泉は和倉温泉総湯や能登島のひょっこりの湯も評判良く、今日の活動が早く終われば私もどちらか入浴しようと決めました。
グランドはよく見ると地割れがあり、通行止めに。
(グランドの地割れ)
朝食後ボランティアセンターの集合時間まで余裕あるため、テントで横になっているといつの間にか3度目の寝落ち。
Dさんの「おはようございます」の声で目覚める。Dさんは今日は穴水町へと北上し、その後東京に帰るとの事。二人で記念写真を撮りお別れました。
私はテント村をチェックアウト、ボランティアセンターに軽トラで向かいます。
今日の班は10人で女性は私だけでした。リーダーは強面の感じの男性が立候補。ビシッとした話をする方で、こちらも緊張します。
他のメンバーは神奈川、宮城、兵庫など遠方から駆けつけ、韓国の方もおられました。昨日の中国のDさんといい国際的です。また今まで被災地の事がずっと気になっていたけれど、GWになったのでやっと来れたと言う初めて参加の方もいました。
(仮設住宅で)
ミッションの1軒目は海辺に住む高齢男性のお宅の冷蔵庫と洗濯機を仮設住宅へ運ぶ引越しのお手伝い。
被災した家の床が陥没し畳が歪んだ上に梁が低いため、背の高い冷蔵庫を何度も傾けて慎重に家から運び出します。
トラックに載せたあとは、仮設住宅まで遠い分移動時間がかかりました。
お爺さんは仮設住宅で他のお爺さんと冗談を言いながら、私たちにお礼を言ってくださいました。
ふるさとを離れてもお爺さんほ孤独にならないのか心配でしたがすでに仲の良さそうな友人がいるのが救いでした。
1軒目終わったところでリーダーが能登食祭市場で昼休憩をするのはどうですかと提案されました。
GW限定の復興イベントで、屋台が沢山出るらしく、私も実はボランティア後に行こうと思っていたので賛成しました。
(食祭市場イベント)
食祭市場は人と車でごった返し大変な賑わいです。
ボランティアに通うようになってこんなに人の集まる七尾を初めて見ました。
なかでもイカ飯や牡蠣の屋台は長蛇の列。休憩時間も1時間しかないので私はイカ飯を諦めて蟹汁や焼きちくわ、おにぎりを買って食べました。
デザートにジェラートをいただき、能登のお土産を買ったらもう集合時間の1時です。
(カニ汁、ちくわ、おにぎり)
(甲羅もり)
慌てて集合場所に行ったのに誰もいません。
食祭市場の入り口で同じ班の男性が手を振っているので戻ると、「リーダーが牡蠣を食べ終わるまで待ってくれって。リーダーの所に行けば牡蠣をご馳走するって」
はっは〜ん、さてはリーダー最初から焼き牡蠣狙いで食祭市場にみんなを誘ったな〜。
行ってみるとリーダーと男性数人で七輪を囲み、プリップリの大きな牡蠣を焼いては口に放り込み、殻はバケツに入れ、めちゃくちゃ美味そうにほおばっている最中。
ボランティアは胃袋でも被災地応援です。
(焼き牡蛎)
七尾湾遊覧船もGW中は運行しているようで頻繁に乗船を促すアナウンスあり。
七尾は観光客にがんがん訪れて欲しいのが伝わって来ます。
ボランティアなのか観光なのか両方なのかツーリングのバイクも良く見かけます。
天気も良く風を切って気持ちが良さそうです。
昼休み後、ボランティア活動2軒目へ。
災害廃棄物を軽トラック2台に積み込み、集積所に置いて終了でした。
センターに戻り片付けと報告を終えて解散となりました。
(能登島地図)
午後2時半に終わり時間的余裕があったので、今日は能登島へ行き、ひょっこりの湯に入って経済を回して帰る事にしました。
能登島につながる橋は二つありますが、現在南側の能登島大橋だけ通行可能です。
気になっていた能登島水族館は被災のため閉館中でゲートのところで立ち入り禁止。
(のとじま水族館)
建物は見る事ができませんでしたが、ジンベイザメが2匹死亡し、無事だった動物達は国内数カ所の動物園水族館に避難しているということをネット情報で知りました。
北側の集落付近を通ると屋根や壁がブルーシートで覆われている家が多数あり、その率は半島側の七尾市より多く感じます。
ひょっこりの湯へ行く途中、新しくできたばかりの仮設住宅を見かけました。
(田植え)
田んぼに水が張られ、田植えが始まっていました。
(ひょっこり温泉)
ひょっこり温泉に到着。
辺りは風光明媚で、海や大地が猛り狂った事がまるでなかったかのように穏やかです。
(七尾湾)
露天風呂につかり、疲れを癒やします。
(能登島バーガー)
能登島バーガーのフグフライを注文し、かぶりつきながら富山市の我が家へ帰りました。車で2時間ほどで帰宅。
(能登ふぐ唐揚げバーガー)
(能登島大橋)
自分の体感ではこの一ヶ月で七尾市の賑わいがかなり戻って来ているようにも見えました。
それは季節が暖かくなり、GWで人が訪れやすいというのもあるのでしょうが、まだまだ要望はあるので、継続的にボランティアと観光客に来てもらい、復興を支える必要を感じました。
テント村については重装備は必要なく、無料でしたので、次回また利用するときは暖かいシュラフだけで十分だったかなと思いました。
これで七尾市テント村報告を終えます。
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昭和43号 (火曜日, 07 5月 2024 13:35)
リカオンさん、詳しい説明ありがとうございます。
大きな田んぼはため池から水をひくのですね。近所の小さな田んぼしか念頭にありませんでした。
七尾市はこのまま水道の復旧が進むことを願っています。
浄化槽も見直す必要があるかもしれませんね。
建物だけでなく田んぼも補修が必要というのは初めて認識しました。
リカオン (火曜日, 07 5月 2024 10:23)
補足ですが、田んぼについては地震で地割れなどができて補修をしないと使用できない場所があり、ボランティアの作業でもそういった農業支援の募集がありました。
千枚田もあちこちひび割れてしまい、復旧は何年かかかるという記事を読みました。
それで気になってドライブ中も田んぼや畑の様子や農作業を眺めています。
リカオン (火曜日, 07 5月 2024 06:57)
田んぼはため池などから水を引いていますので水道は関係ないと思います。
七尾市は水道はかなり復旧していて、コンビニやスーパーのトイレは利用できましたし、使えるトイレが増えました。
水道だけではなく下水道も同時に復旧しないと流せないという事があるようです。
その点浄化槽を持っている家は強いです。
水道もすぐに飲めるわけでなくて濁った水が出るので水質検査してから飲むようです。
七尾市ボランティアセンターは後回しなのか、工事が大変なのか、4月末の時点で仮設トイレのままでした。
昭和43号 (火曜日, 07 5月 2024 01:29)
いつもご苦労様です。
詳しい報告ありがとうございます。
ボランティアをされている方々には本当に頭が下がります。
田んぼに水が張られているということは、七尾市は水道が復旧されているのでしょうか。
まだまだ大変だとは思いますが、リカオンさんの絵に描かれているボランティアの皆さんの笑顔に救われる気がします。
サン (日曜日, 05 5月 2024 16:11)
写真もイラストも文章もお上手なので、いつも引き込まれます
引っ越しや撤去のお手伝い、やはり大変ですよね。電化製品にしても家具にしても分離して小さくできる仕様ならいいのに。災害の多い日本の家具家電には「引越しや撤去のしやすさ」も大事で、それも含めて日本のリサイクルとして定着したらと思ってしまいます。。
今回もご報告ありがとうございました!
おおみや (日曜日, 05 5月 2024 14:32)
心配りと鮮やかな御報告、ありがとうございました。能登島バーガー、美味しそうです。
昔と比べると、能越道が出来てから富山から能登へのアクセスが良くなりましたね。北陸道・(金沢月夜野インターからの)里山海道・能越道の三角形のインフラがあって本当にありがたいことです。
サッカーが盛んな埼玉から…同僚の子供さんは(去年、少年団で参加した)七尾のサッカーキャンプを楽しみにしていたのですが、さすがに難しく「金沢会場はどうなんだろうか」と申しておりました。で、『実質は来年以降かと思います、上の年代向けのサッカーイベントもありますからその時にもチャンスはありますよ』と。美味しいものと共に思い出に残る夏の体験、復活してほしいものです。
現場で頑張る皆様、ありがとうございます
あしたのジョージ (日曜日, 05 5月 2024 01:11)
またまた詳細なボランティアリポートありがとうございました。
私は一回もボランティア活動をした事がありませんが、リカオンさんのリポートのおかげで自分も体験したような感じがしました。
あくまでも感じなので実際にはかなり違うと思いますが、何らかの機会があれば私もリカオンのボランティアリポートを思い出して、やってみたいと思います。
口だけ番長にならないように。•́ ‿ ,•̀