「光る君へ」文字の階層

 

投稿者:まいこさん

  

「光る君へ」第13回、まひろ・紫式部が「自分の使命」、生れてきた意味を見いだしてゆく様子が描かれました。

 

 

『光る君へ』高畑充希がチャーミングな定子として登場 兼家の信念を受け継ぐ予感も

https://news.yahoo.co.jp/articles/8ec60a7da47e3dbadaea7dc6228550b6e6e51cb6

 

元記事

https://realsound.jp/movie/2024/03/post-1618219.html

 

4年前の政変で、摂政となった兼家(段田安則)は瞬く間に息子たちを昇進させ、政権の中枢に置く。

 

月日は流れ、一条天皇(柊木陽太)が元服してわずか20日後、道隆(井浦新)の娘・定子(高畑充希)が入内した。

 

道隆たち中関白家の絶頂期が始まろうとする一方で、権勢を誇る兼家に老いが迫る。

 

兼家の後継者争いもまた始まろうとしていた。

 

その頃、まひろ(吉高由里子)は市に出かけた際、文字が読めないことで人買いに騙されてしまった親子の姿を目の当たりにする。道長(柄本佑)と別れた日のことを思い返したまひろは、自分の使命は文字を教えることによって民を救うことだと考え、行動に起こす。

 

***

 

人々が行き交う町なかで、まひろが大声で従者と名前の書き方について話し、地面に文字を描いてみせるさまは、散楽たちのようでもあり、かつて三郎と呼ばれた道長と出会った頃の再現でもあり。

 

文字を習いたいと申し出た少女が、まずは仮名文字というアイテムを手に入れて、自分の世界を広げる一方、

後に「源氏物語」を大いに評価することになる幼き日の一条天皇は、宮中で手習いに取り組み、道長の妻となった倫子は、道長の文箱から見つけた漢文の意味を、作者であるまひろ本人に問う。

 

父から漢籍を直に習う弟よりも、傍らで聴いて忽ち会得してしまう紫式部が自分の使命を見い出す様を通して登場人物それぞれの文字の階層、どの段階まで言葉を獲得したかによって、事象をどのように理解するかというところまで映し出しているように感じました。

 

 

≪大河ドラマシリーズ≫

 

「光る君へ」源明子の告白に戦慄(2024.03.25)

 

「光る君へ」平安女子たちが交わした恋バナが話題(2024.03.20)

 

「光る君へ」まひろと道長のラブシーンに大反響(2024.03.12)

 

「光る君へ」直秀の運命に注目集まる(2024.03.06)

 

「光る君へ」言葉ひとつで友情にも恋愛にも転びそうな場面(2024.02.26)

 

「光る君へ」でゴー宣やおぼっちゃまくんを思わせたシーン(2024.02.19)

 

「光る君へ」伊勢物語を引用した恋文(2024.02.12)

 

「光る君へ」のインチキ僧侶(2024.02.05)

 

『光る君へ』本郷奏多の花山天皇が“官能的”過ぎる(2024.01.29)

 

「光る君へ」第3話の男子トークは源氏物語のオマージュ(2024.01.22) 

 

 

『御堂関白日記』を見学 吉高由里子主演大河ドラマ「光る君へ」(2024.01.08)

 


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コメント: 5
  • #5

    ひとかけら (木曜日, 04 4月 2024 20:44)

    こうして見ると、天皇の権威を利用して自らの権力を維持し続ける事に腐心する輩は昔から居たのですね。
    将来的に道長がどうなるか気になります。彼は一条天皇に大胆な提案をする事になります。今後が楽しみです。

  • #4

    おおみや (木曜日, 04 4月 2024 20:44)

    視聴時のおおよその所感がこれ程スパッとこちらで文字化されていて再び目にする事が出来る、今回も得した気分です。その力に使命を見出す、確かに。

    今回のまひろと乙丸のぎこちなさいアピールとか乙丸の「ひめさまになにをする~」&その後にまひろの元に再び駆けつける場面も実にキャラが出ていて毎回面白いです。道長の従者役との従者どうしの押したり引いたりも。

    識字率が高い現代のとある小さな光景です。
    平成時代に上司が部下が書いてきた文字を嘆いて私に見せつつ「こんなんだよ、どう思うよ?」という事がありました。見てみると、
    消化(消火)、しみません(すみません)、ラチン(ライン)、げん(原因)、ねつへん(熱変化?)、チエン(チェーン)etc
    私は(なるほど、あまりにも文字を書くのが苦手でそれを避けていると、こういう形で出てくる事があるものなのか)と一つ勉強になった気がしました。少し時を経て…令和の総スマホ時代はそれにどう作用してくるかな?と考えたり(嘆いていたという事はきっと親心的な目線、上司はむしろ優しいな)と変に感心したり。

  • #3

    リカオン (木曜日, 04 4月 2024 08:56)

    #2 まいこさん、一条天皇の関心を彰子に向けるのに源氏物語が利用された面があるのですか。教えていただきありがとうございます。今後のドラマの進行への興味が深まります。

    この天皇の後継をどうするか、策謀うごめく様は、己のステータス維持や自分の望む男尊女卑の価値観を変えたくない連中の、現在の旧宮家系男子を皇室に入れようとする動きとも重なります。
    気づいて欲しい>国民

  • #2

    まいこ (木曜日, 04 4月 2024)

    一条天皇(980年-1011年)が即位(986年)から4年後に元服(990年)して結婚は、やはり通常(12~16歳くらい)よりも早いことだったようで、定子(977年-1001年)が少し年上なことなどは、「源氏物語」の光源氏と葵上に、道長の妻となった倫子が生んだ彰子(988年-1074年)は紫上に反映されていきます。いまちょうど、「葵~賢木」のあたりを読んでいて、史実に物語を織り込んだ大河ドラマは、道長が一条天皇の関心を彰子に向けようとして、紫式部に「源氏物語」を虚実ないまぜ書かせたこととも重なり、わくわくします。

  • #1

    リカオン (水曜日, 03 4月 2024 23:15)

    一条天皇は7歳で即位し、定子は15歳で入内とは、なんと幼い天皇と妃なのでしょう。二人を操ろうとする周囲の人間模様がドロドロしていますが、定子を演じる高畑充希の若いこと!扇で変顔を隠したり見せたり、本当にあんな遊びをしていたのかも知れませんね。

    一方の源明子は兼家から扇を無理矢理譲り受け呪詛に使うとは。陰陽道ってこんな風にも使われていたのですね。呪う人の持ち物を使うと呪いも標的にロックオンできるのか〜?六条御息所も生霊を飛ばした時は陰陽道を使ったのかな?
    色々な使われ方をした扇でした。