宝塚歌劇団理事長の記者会見で、パワハラは認めず

 

投稿者:グッビオのオオカミさん

 

「いじめやハラスメントの事実は確認できず」 宝塚歌劇団、“団員急死”の調査報告書を公表 遺族側との見解相違には「丁寧にお話しをさせていただきたい」

https://times.abema.tv/articles/-/10103163?page=1

 

 

ジャニーズ問題の次は宝塚歌劇団が徐々に槍玉に上がっています。

 

宝塚歌劇団の宙組に所属していた女性が死亡した問題で、宝塚歌劇団のいじめやパワハラの体質のせいだ…そんな論調でした。

 

劇団側が14日に会見を開き、外部弁護士の調査チームからの調査報告書を公表しました。

 

私は宝塚歌劇団側が、ジャニーズ事務所の様に全面的に無条件降伏をせずに必要なものを客観的に弁明する姿勢に好感を持ちます。

 

そもそも、ジャニーズ問題も当の事務所側が全面的に無条件降伏していれば、周囲の応援には限界があります。

 

ヘアアイロンを当てた、LINEなどでいじめられていた、等の女性の自殺の動機を宝塚歌劇団の体質のせいにする報道について、

 

 

ヘアアイロンを当てた事について。

A氏が女性の髪型を指導し、前髪を巻こうとした際に額に当たったもので、「ヘアアイロンで火傷をすることは劇団内では日常的にあること」だと指摘。(略)その件に関する劇団側への申し出はなかったこと、宙組プロデューサーによるヒアリングメモには「故意ではない」と両者が答えた旨の記載があること、客観的な証拠がないことなどから、事実と判断するのは困難だという。

 

 

LINEやチャットについて。

「ハラスメントに該当するようなやり取りは見当たらず、遺族からもそのような情報提供はなく、故人へのLINEでのいじめやハラスメントという事実は確認できなかった。その後、故人に対するいじめやハラスメントも確認できなかった」

 

 

過密スケジュールなどについては。

「新公(新人公演)の長の期の長」として、上級生から指導・叱責される一方で、公演における確認・調整作業や、下級生に対して組ルールの遵守を指導するなどの立場にあり、「客観的に精神障害を発病させるおそれのある強い心理的負荷であるとされる場合に相当する程度の強い心理的負荷が故人にかかっていた可能性は否定できないと考える」

 

木場健之理事長はこう締めくくります。

「報告書には、故人に対するいじめやハラスメントは認められないと記載されている。上級生からの指導は必要性が認められ、社会通念上、相当の範囲内という記載もある。しかし、本人が精神的負荷のかかった状態で指導を受けたこと、それによって心理的な負担がかかったと認識している。ご遺族の方とは丁寧にお話しをさせていただいて、対応していきたい」

 

現段階で、これは常識的な対応と言うべきでしょう。

もしかしたら、ジャニーズ事務所の対応と、報道の過熱ぶりを見て、独自に対策を検討したのかも知れません。

 

ジャニーズ事務所に続き、宝塚歌劇団までキャンセルカルチャーの対象になるべきではありません。

宝塚歌劇団の今後の対応に注目したいと思います。

 

《参考資料》

【宝塚歌劇団、団員転落死をめぐるこれまでの経緯 - 芸能 : 日刊スポーツ】

https://www.nikkansports.com/m/entertainment/news/202311140000329_m.html?mode=all&utm_source=AMPbutton&utm_medium=referral 

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

自殺した人いることは悲しいことです。

 

でも、その自殺が「宝塚」の責任となるのかどうかは、別の話です。

 

確かに「組織的に事実を隠蔽すること」は良くないことです。

 

しかし「世間の空気によって、事実じゃないことを、事実としても認めさせられること」はさらに良くないことです。

 

それは冤罪だから。

 

冤罪がまかり通る社会は、暗い社会です。

 

 

立証責任があるのは訴えている方です。

 

遺族に対しては、酷なようであっても、「証拠」を出すよう求めなければならない。

 

それが法治国家だから。

 

法治国家としての原則は絶対に崩さず、公平で正しいジャッジメントに基づき、真実に向かって欲しいと願います。

 


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コメント: 19
  • #19

    千本通り (金曜日, 17 11月 2023 15:07)

    『宝塚の調査事務所に関連企業役員 歌劇団の説明「接点ない」に疑念』とかネットで話題を蒸し返しているが、バックの東宝や阪急電鉄グループを敵に回して立ち向かうマスコミなんかいない。関西マスコミは新聞もテレビもグループに属さなくても資本関係、人的交流関係のあるところばかり。だから悪を背負っても生きていける。

  • #18

    新米派 (金曜日, 17 11月 2023 07:44)

    様々な側面で差異のある事柄を一括りに論じることは適切ではありませんが、宝塚に関して言うと昨年末ごろにこのサイトでも紹介された演出家のセクハラ疑惑が思い起こされます。
    もちろんあの時点ではジャニーズ問題が俎上に乗っていなかった訳ですが、優越的な立場にある者によるハラスメント行為、そういう界隈に入ってきたことの自己責任論、もし自分や近しい者が同じ目にあったらと個の尊厳から発する考え、宝塚なりの伝統があるからと擁護する真矢ミキさんへの意見・・・など、皆さんのコメントも含め大いに考えさせられる事件でした。

    繰り返しになりますが、昨年の事件は異性の監督者によるセクハラ疑惑であり、今回の事件は同性のタカラジェンヌ間におけるいじめ・パワハラ疑惑ですので、こうした差異を捨象してざっくりと「個人は組織の前にひれ伏せ」とか「組織は現代的な人権意識とコンプライアンスを遵守せよ」などと結論づけられるものではないと思われます。もしかするとジャニーズ問題の前か後かという差異も加味されるのかも知れません。

    その上で、そもそも事実関係及びその検証はどうなっているのかという視点は極めて重要になります(もちろんこれはジャニーズ問題にも共通します)。ただし個人どころか組織の側においても証拠が乏しく真偽は藪の中という事態も往々にして想定されます。そうした際に、個人は立場が弱いものだからと心証にゲタを履かせて判断するのか、あるいは、成功しなかった者のルサンチマンに違いないと心証を割り引いて審議するのかという難問が生じます。
    今もネット上の中傷に苦しむという元自衛官の五ノ井さんの事件において、不起訴となったのは五ノ井さんが明確な証拠を持ち得ず同僚が証言を拒んだからであり、その後防衛省が謝罪に踏み切ったのは司法判断ではなく実名顔出し記者会見で社会的な認知が高まったからです。この流れもどこかジャニーズ問題を想起させますが、やはりそれぞれの様態が異なる以上はそれぞれ分けて考えるべきなのでしょう。

    証拠の精査による事実認定の難易よりも、そもそも我々は情報が限られている場合においてどのようにそれらを評価・解釈するべきなのかということのほうが難しい問題なのだと気付かされました。

  • #17

    殉教@中立派 (金曜日, 17 11月 2023 00:56)

    宝塚の組織体質に、(日大ばりに)改善すべき点は多いだろう。とはいえ、芸事の道では「政治的に上手く立ち回ること」「実力(自分の商品価値)を磨き続けること」が必須である以上、ブラック企業ばりになることは、ある意味やむなしだし、それによって文化が支えられている。ハウスルールから「文化の種」が生まれ、ファンたちでお金を出し合って、文化の花を咲かせるという事。
     さて、事件で大事なのは「事実関係の検証」。伊藤詩織さんは、自前の検証を行うことで、支持者からの信頼を得た。立証責任は、やはり被害者側にあるだろう。「自分の身は自分で守る」「守りきれずに死ぬにしても、あとに続く人に『鍵』を残していく」のが大事。
     事件の内容の都合上、どう答えても、宝塚は叩かれただろう。劇場側の対応は「組織の保身」が多少あるにせよ「文化の防衛」という、公の側面から支持できる。

  • #16

    さらうどん (金曜日, 17 11月 2023 00:08)

    ジャニーズにも、宝塚のような「悪を背負える」人がちゃんといれば・・・。

  • #15

    パワーホール (木曜日, 16 11月 2023 21:33)

    ジャニーズの二の舞にだけはならないでほしい。これ以上、日本の芸能文化を潰されたくないです。

  • #14

    田舎のおっちゃん (木曜日, 16 11月 2023 19:14)

    連投ですが、
    宝塚が毅然たる態度をとれるのは、テレビで宣伝したり現役団員がテレビ出演したりを殆どしてないからでしょうね。
    小林よしのり氏がテレビや新聞に忖度して阿る必要がないのに似ている。
    歌舞伎界も滅びゆく地上波テレビなんかとはハッキリ縁を切ってEテレの中継録画なんか止めてしまえば良い。他の放送、配信媒体はいくらでもあるしやっている。
    キチンと自前で顧客を獲得している真っ当な芸事は、そろそろ旧来型のマスメディアを見棄てる時期です。
    話はとびますが、アニメ鬼滅の刃が残酷場面や遊郭場面を地上波仕様にそんなに規制せずに済むのも、本来配信がメインでフジテレビ側が是非にと「お願い」して放送させてもらってるからでしょう。局がぐじゃぐじゃ言って来たら「ゴメン、お呼でないみたいだね、サヨーナラー」でチョンですから。
    これからはテレビ出演による宣伝が必要ない、本物のコンテンツはテレビ新聞からの逃走が始まるでしょう。リスクばかりだもんね。

  • #13

    HN_3rd (木曜日, 16 11月 2023 19:00)

    宝塚の対応、疑惑を100%否定せず考慮すべきところは考慮するという感じで好印象ですね。宝塚もマスコミに「全面降伏」したジャニーズ事務所の件は把握しているでしょうから、腰砕けな対応を取らなくて良かったです。
    兎に角一番危険なのは「マスコミによる批判のエンタメ化」。ジャニーズ事務所にもその辺には気をつけてほしかったところですが…覆水盆に返らずですね(涙)

  • #12

    大阪の一会社員 (木曜日, 16 11月 2023 18:13)

    私はパワハラや嫌がらせをされた事がありますので、なんでもかんでも、宝塚歌劇団を支持する気はありません。
    個人対組織の戦いは、圧倒的に個人が不利な側面がありますからね。
    だからといって、宝塚歌劇団をバッシングしたり、ましてやキャンセルカルチャーの如く宝塚歌劇団を全否定するのも全くの間違いだと思います。
    小林よしのり先生も弱肉強食だとおっしゃっておられる一方で、パワハラ的な事を許しているかと言えばそうではない!…
    という事はブログからも読み取れました。
    それとも、私の読解力がバカかもしれませんが(笑)

  • #11

    牛乳寒天 (木曜日, 16 11月 2023 17:50)

    宝塚、流石ですね。ジャニーズより歴史あるし、そう簡単に落ちないとこがいいです。
    自分には無関係でありたいけれど、自分や身内に何か被害被った時は証拠を取っておこうと思いました。

  • #10

    亜門 (木曜日, 16 11月 2023 17:19)

    酷なようですが、被害者には被害を立証する義務があります。

    証拠が無ければ、それこそ「外圧」や「空気」を使うぐらいしか有効な戦法はありません。基本的には被害者が泣き寝入りです。

    宝塚に大して関心の無い私でも、その内部が一般社会と比べて良くも悪くも「異なる」ということは存じています。

    その上で自分が被害者の家族なら、どう考えるだろうか?

    私なら「文化?歴史?知るかそんなもの!!必ず復讐する!!!」と考えると思います。

    「冤罪」かも知れない。でも「冤罪」じゃなくて、本当かも知れない。

    どっちにしても分からないなら、私は遺族の敵討ちを支持します。

  • #9

    月見草 (木曜日, 16 11月 2023)

    この世は弱肉強食 このような真実をいってくれる大人がいなくなってしまったんだろう。

  • #8

    輝くような黄色 (木曜日, 16 11月 2023 13:01)

    私が住んでいる宝塚市としては、歌劇の存続の有無は死活問題です。阪急(宝塚歌劇の親会社)はうまく事を収めるだろうと信じてましたが、この1ヶ月間、閑散とした大劇場の前や花のみち(阪急宝塚駅から大劇場に続く道)を通る度に、少し危機感を感じていました。
    会見は、さすが阪急、という印象です。
    宝塚歌劇は劇団員や音楽学校生とその家族はもちろん、地域経済や阪急阪神ホールディングスという大組織のイメージや創業者である小林一三翁の想い、そして世代を超えた根強いファンの存在など、背負う物が大きいですからね。
    その辺りの責任感を上層部がきちんと意識しているか否かが、対応の違いに表れるのかもしれませんね。

  • #7

    田舎のおっちゃん (木曜日, 16 11月 2023 12:43)

    私は宝塚にもこの問題にも疎いので、本来発言する資格は無い人間ですが、
    「厳しさ」「競争」がある種の「売り物」になっている世界に飛び込んで(入学するには数年がかりのレッスンが必要で、「何となく」入学した者など皆無だろう)、たまに負けてしまう人間が出るのは仕方がないんじゃないですか。(まぁハッキリ言葉で言う訳にもいかないだろうが)。
    元宝塚なら逃げて辞めても履歴として価値があるので、逃げ場がない訳でもない。
    今後は「弱い人間はお断わり」とでも入学、入団案内の表紙に明記したら良い。

  • #6

    まいこ (木曜日, 16 11月 2023 12:19)

    宝塚の会見をライブで少し視聴、不謹慎ながら退屈と感じて画面を閉じながら、東山さんが補償会社の社長になったことに、先生が仰った「もったいない」という言葉を想起していました。宝塚の会見を退屈と感じてしまったのは、先行のジャニーズの会見が、東山さんを始めとした所属タレントの「もったいない」ほどの才能のために、マスコミとのやり取りがエンターティメントになり過ぎたからかもしれません。ジャニーズの会見がエンタメ化して、組織の過誤が所属タレントにも及ぶようなイメージがかえって強まった轍を踏まぬよう、宝塚は組織の過誤が所属団員に累が及ばないようにする目的に注力したのでしょう。

  • #5

    勤務医一筋 (木曜日, 16 11月 2023 09:00)

    夫婦ともども宝塚ファンです。
    よしりん先生のブログで、全く溜飲が下がりました。どんな綺麗事を宣おうと、この世は弱肉強食です。まさに表現者の世界に於いてをや、ではありませんか?ビートたけしとか、欺瞞とマスコミへの阿りのかたまりですね。私は何が起ころうと、ヅカファンですし、一三翁を尊敬して止みませぬ。失礼しました。

  • #4

    平井 智也 (木曜日, 16 11月 2023 08:16)

    小林先生がブログで宝塚歌劇団とジャニーズの対応の違いを例に挙げ、弱ったジャニーズを叩くマスコミをハイエナと比喩され、まさにそうだなと思いました。弱肉強食、今までの人気を掻っ攫うべく他の芸能事務所は虎視眈々と狙っているんだろうなと想像しています。

  • #3

    (木曜日, 16 11月 2023 07:55)

    女性だけの組織と男性だけの組織で、こうも対応が違うのを見ると、女性は強いと思うのです。

  • #2

    あしたのジョージ (木曜日, 16 11月 2023 06:10)

    私は宝塚歌劇団を信じたいです。
    もうキャンセルカルチャーを見たくないです。

  • #1

    千本通り (木曜日, 16 11月 2023 02:27)

    宝塚歌劇団には東宝や阪急電鉄という強いバックボーンがあるので、そして分厚いファン層があるので、第三者委員会に調査を委ねる精神的余裕があった。ジャニーズ事務所は家族経営でバックボーンがないがために精神的に追い込まれて全面降伏という最悪の作戦をとってしまった。