≪議論≫たけし社長からカレーせんべいへ「⑨の反論」

 

投稿者:たけし社長

  

「インボイス制度」は、とにかく分かりづらいです。

 

カレーさんの「『免税事業者が仮受消費税分を得している』というのは誤解」

これも経理マンが書いているから、失礼ながら分かりづらいです(笑)

 

そこで税理さんが分かりやすく解説した記事をご紹介します。

おそらく、私とカレーさんの考えの違いも、ここに行き着くのかなーと思います。

 

 

東洋経済・オンライン

「インボイス」賛成派・反対派の主張で見えた問題

そもそもこの制度とはどんなものかも、解説

https://toyokeizai.net/articles/-/633798?page=2

 

 

カレーさん:

『インボイス制度』や『電帳法』によって、国税庁や税務署は、会社に立ち入りすることなく、査察調査や税務調査をおこなうことができます。国税の監査を恐れない社長など一体どこにいます??なぜなら、たとえ悪意の無い経理をやっていても、所得隠しで摘発することなど、いくらでも可能だからです。社長なら分かるはず。税理士なら分かるはず。経理マンなら分かるはず。

 

たけし:

行政が効率的な仕事をしてくれることは喜ばしいことです。税務署も効率的に仕事をしてくれて、会社側も時間を取られなくなることは大歓迎です。私は、これまでに何度も税務調査を経験していますが、「所得隠し」を指摘されたことなど、一度もありません。納税倫理に従い、適切な会計処理を行っていますし、税務調査も、利益を出して、たくさん納税している会社を中心に行われるので、むしろ「光栄」と思って、税務署職員さんにも誠実に対応しています。

 

 

たけし:

納めてもらうべき税金を、きちんと納めてもらうことが、税務署の仕事。事業主は本業でお客様に喜ばれて利益を生み、その一部を税金として納めることで社会全体の繁栄に寄与することが仕事。

カレーさん:

それは確かに正論です。しかし、世の中、正論が正しいわけじゃない。

 

たけし:

しかし、こればかりは、さすがに正しいと思います。

 

 

カレーさん:

「実力と結果」はルールによって左右される。ある日を境に、大幅なルール変更が行われたら、そりゃ、結果だって変わってきますよ。

 

たけし:

最も重要な「ルール」は憲法に定められた「納税の義務」であり、「消費税の公平な負担」ですし、今回は6年間の経過措置が設けられています。

 

 

カレーさん:

企業が免税事業者と取引しないように制度によって誘導しているのです。これでは、まるでクラスメートで『あいつ、明日から、シカトな。』になるじゃないですか?私が「イジメ」という言葉を使ったのも、このためです。

 

たけし:「企業が免税事業者と取引しないように、国が誘導している」のは、その通りです。だからこそ、私は「お客様から預かった消費税を、自分の懐に入れないで、国へ納付する」という納税倫理を持った信頼できる業者さんと、末永くお取引したいと考えます。また、会社の取引は、1社との取引が無くなったからと言って、その他の会社との取引が全て無くなるわけではありません。だから、カレーさんが、『あいつ、明日からシカトな』と、複数社による「イジメ」に結びつける意味が、よく分かりません。

 

 

カレーさん:

インボイス制度は、「商売上の即死」も十分にありえるルール変更

 

たけし:

「消費税特典」がなくなった程度で、生計が立てられなくなるのは、多くのお客様から喜んでもらう「実力」が足りていないからであり、まだ「プロの仕事」として成り立っていないからだと考えます。

 

 

カレーさん:

会社が置かれている状態(経営環境)次第では、取引がゼロになる可能性すらある。

 

たけし:

それは、社会に価値を提供できていない事業主の話で、その「実力」のある事業主は、取引先はゼロにならないと考えます。

 

 

カレーさん:

そもそも売上1000万円未満の個人事業主を、どうして声優さん、デザイナーさん、ライターさん、タクシー運転手さんとかをイメージするのでしょう?

 

たけし:

『ゴー宣ファンサイト』の「インボイス」過去記事が、上記の職業を挙げていたからです。

 

 

カレーさん:

私のイメージは町工場。または配達業。父ちゃん母ちゃん企業をイメージしています。父ちゃん母ちゃんは、インボイス制度なんて、知らないし、分からないですよ。そして「何も知らない人が、何も知らないうちに、企業からの取引が無くなる」ことを私は一番問題視しているわけです。それはあまりに残酷。業種や条件によっては「数パーセントの利益」どころの話じゃない。会社が置かれている状態(経営環境)次第では「取引がゼロになる可能性すらある」と私は言ってます。

 

たけし:

突如として、「父ちゃん母ちゃん企業」という弱者のイメージを匂わす言葉が出てきましたが、彼らも立派な事業主。取引先があるので、さすがにインボイスのことは知っていると思います。特に、技術力の高い町工場や、サービス力の高いある配達業は、企業からも引く手あまたで高収益です。カレーさんは、町工場や配達業、父ちゃん母ちゃん企業を、過小評価し過ぎていると思います。

 

 

カレーさん:

他人が負担した税金を、自分の懐に入れられる制度が変」と言うのなら、そもそも『免事業者』を廃止するべき。「免税事業者」自体はそのままにした、国のやり方がオカシイ!国は、今までの「免税事業者」の在り方は変えず、「免税事業者と取引をした企業側が損(消費税分を負担)する」という最悪の形を作りました。

 

たけし:

税務署の立場になって考えましょう。「免税事業者」を廃止すると、全ての事業主が「課税事業者」になります。すると、税金を正しく計算できない個人事業主が多いので、税務署はどんなに人員と手間を掛けたところで、人的コストばかりが掛かって「徴収のし損ない」を、さほど減らせません。そのような非効率で現実的でない仕事を、行政にしてほしくないので、私は「インボイス制度」に賛成しています。

 

 


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コメント: 6
  • #6

    たけし (日曜日, 01 10月 2023 18:43)

    トマトさん、意見広告の時には、大変お世話になりました!
    「事業主のリアル」を肌で知っていないと、どうしても弱者イメージが先行して、机上の同情論になりがちなんですよね。1票、ありがとうございます(笑)

  • #5

    輝くような黄色 (日曜日, 01 10月 2023 10:09)

    たけし社長、わかりやすくまとめて頂き、ありがとうございます。恥ずかしながら、ようやく論点が頭に入ってきました。
    お二人の議論、本当に興味深いです。
    お二人のご意見の違いは、
    経理の現場で制度の変更に対応し、かつ困っている声を聞くことも多いであろう立場と、もう少し俯瞰して制度の変更を評価しなければならない立場、の違いなのかな、と感じました。
    両氏のご意見とも大いに納得できるのですが、どちらかを選択せよと言われたら、私はカレーさんに近いような気がしました。

  • #4

    モコチ (土曜日, 30 9月 2023 23:58)

    インボイス制度そのものの是非は正直私には分かりませんが…

    年収250万円だろうが1,000万円だろうが同じ消費には同じ税を課すのが果たして正しいのでしょうか。

    今の消費税は可処分所得を貯蓄に回す余裕が無い人程税負担の比率が高い制度では無いでしょうか。

    生活必需品には軽減税率を適用するくらいなら収入に応じて確定申告年末調整時に年間消費額に対し収入に応じた税率で徴収すれば良いだけの事です、本来なら。

    そもそも人頭税や固定資産税と違って所有しているものに対しての課税ではなく消費した事に対する税です。
    そして課税された後の可処分所得に対する課税ですので二重課税であるとも考えます。

    税の徴収は富の再分配としての役割もあると考えますがその観点からすると逆の効能を持つと思います。

    消費税は税として果たして正しいのか、望ましい消費税とはどんなものなのか。

    以前から疑問でした。

  • #3

    トマト (土曜日, 30 9月 2023 23:11)

    あと、案外、インボイス登録しなくても、全然影響のない商売も多かったりするのでは?と思っています。

    お客さんが個人消費者だけの商売。飲食店とか、理髪店とか、塾とか、ジムとか。
    個人消費者として利用するのであれば、そのお店がインボイスに登録しているかどうかなんて誰も気にせずに対価を払うと思うので。

  • #2

    トマト (土曜日, 30 9月 2023 23:02)

    私の両親も夫婦二人で工場を営んでいました。
    親戚も個人事業主が多かったのですが、両親も親戚も、複式簿記で帳面を付けていました。
    近くの親戚と連れ立って、「青色申告会」に帳面づけの勉強会に参加していました。

    私も結婚後、夫の自営業を手伝う為、「青色申告会」の勉強会に通って複式簿記を覚えました。
    青色申告会に参加していた人は、飲食店、理髪店、クリーニング店、自転車店、整体、工場などなど様々でした。
    皆、複式簿記をしていたように思います。青色申告控除を受ける為に必須だったので。

    複式簿記で確定申告が出来ていれば、それをもとにした消費税の計算(簡易課税に限っていえば)はそれほど難しくはないので、今まで何らかの形で帳面を付けていた人なら、大丈夫のような気がします。

    そして、青色申告会に所属していたら、インボイスの勉強会があると思うし、税理士さんに頼んでいるのだったら、税理士さんからインボイスをどうするか打診されていると思うし、自営業をしていたら、インボイス制度、知っていると思います。

    仮に青色申告会や税理士さんとの接点がなくても、この半年ぐらいで取引先からインボイス登録の有無の照会をされていると思うので、カレーさんが一番問題視している「何も知らない人が、何も知らないうちに、企業からの取引が無くなる」という事はないと思います。

  • #1

    トマト (土曜日, 30 9月 2023 21:50)

    たけし社長の説明、分かりやすです。
    たけし社長に一票です。

    うちは小さな個人事業を営んでいて、消費税も納めています。
    新聞でインボイスによる畜産農家への影響が記事になっていて、心が痛みましたが、インボイスには賛成です。
    食料自給率を維持(できれば上昇)するのは、国の根幹にかかわると思うので、必要な職域には、別の形で保護してほしいと思います、