【朝生】小林よしのり・高森明勅 VS 竹田恒泰・八木秀次

 

投稿者:まいこさん

  

喫茶ヲワカのゴー宣ファンの集いで様々なトピックが交わされるなか「男野系子さんの気持ちが何となくわかるような気がするのは2009年発行『天皇論』、2010年発行『新・性天皇論』を読んでいたにも関わらず、ある時点まで、先生の御考えに理解が及んでいなかったという経験があるから」、というお話をさせていただいていました。

 

ある時点というのは、先生が御出演された2016年8月26日深夜放送の「朝まで生テレビ 激論!象徴天皇と”生前退位”」、天皇陛下がお気持ち表明を2016年8月8日になさったことへの討論を観たこと。

 

https://www.tv-asahi.co.jp/asanama/contents/theme/0091/

 

当時は仕事関係の勉強が忙しくなり、先生の単行本を精読できなくなっていた頃でテレビ欄で御名前を目にして、久しぶりにお話になる姿を見たいと番組を視聴、「陛下にここまで言わせてしまった」「女性・女系天皇を」との御発言を聴いて「天皇論」「新・天皇論」を読み直し、先生の御考えや、天皇陛下のお気持ち表明に、「安定的な皇位継承」への課題についての希求があることに理解が及んでいなかったことに気づいたのでした。

 

その約一か月後、2016年9月30日深夜放送の「朝まで生テレビ 象徴天皇と日本の未来」にも先生は御出演になっておられたので、この課題について、さらに理解を深めたいと文字起こしをしていました。

 

https://www.tv-asahi.co.jp/asanama/contents/theme/0093/

 

 

2016年に先生ご出演の「朝生」を観るまでは、「なんとなく男野系子」だった自分を振り返りつつ、いま読み直してみると、当時から男系固執の方や、現在は男系固執になってしまった方の発言も興味深く、誰がどの地点に立って発言しているのかが分かるように思いました。

 

宜しければ、ご覧ください。                   

 

◆◆◆

朝まで生テレビ 激論!象徴天皇と日本の未来 2016年9月30日(金) 深夜1:25~4:25

 

(出演者)

田原総一朗さん

平沢勝栄さん

大塚耕平さん

青木理さん

小林よしのりさん

杉田水脈さん

高森明勅さん

竹田恒泰さん

萩谷麻衣子さん

三浦瑠麗さん

八木秀次さん

 

 

田原「田原総一朗です。宜しくお願いします。

さて、8月の8日に天皇がお気持ちを表明をされたと。この生前退位の問題というのは、

私は大問題と思うんだけど、何故かTV局、他の局ではこれは扱わないんですね。

・・・この番組では先月に引き続き、またこの天皇の生前退位の問題をやりたい。

ところで、実はちょうどその天皇のお気持ち表明から1ヵ月後、9月の8日の朝日新聞が

一面トップで「生前退位 特措法で」と。生前退位を天皇がなさるのはいいと。

だけどそれは特措法でいきたい。ちょっと読んでみます。(朝日新聞を示して)

『政府は将来の退位を強くにじませた天皇のお気持ち表明を受けて、いまの天皇陛下に限って』

つまり今の天皇陛下に限って『生前退位を可能とする特別措置法を整備する方向で検討に入った。

皇室制度のあり方を定める皇室典範は改正しない』、つまり皇室典範は改正しない、

『方針で、早ければ来年の通常国会法案を提出したい考えだ。(朝日新聞 H28.9.28)』と。

つまり、皇室典範を改正しないで、特措法で、今の天皇に限って生前退位を認めると。

こういうことでやろうと、こう朝日が書いたんですが、

平沢さん、政府にこういう動きがあるんですか?」

 

 

平沢「まずあの・・・自民党でこの問題については議論したことは1回も無いんです。

ですから、政府の方でも、まだ内々には検討しておられるだろうと思いますけれども

まだあの・・・検討中というなかで、この前、有識者会議が設置されたわけですよね、6人の。

この方々がおそらく11月の中旬には第1回の会合を持たれると思うんですけれども、

これから年内に何回か会合を持たれて、それで報告書を出されると思いますけれど、

その報告書に基づいて、おそらくあの・・・どういう形で

天皇陛下のご公務の負担を軽減するかということを検討されるかと思いますので。

その方法は皇室典範を改正するというやり方もありますし、

それから特措法というやり方もありますし、あるいは、そういった法律改正しないで

ご公務だけを軽減することだって考えられますし、色んなことが考えられるんで。

いま、その朝日にはそういう風に書いてありますけれど、まだ決まったわけでも何でもないんで。

これは有識者の方々の報告書を待つということでいいと」

 

 

田原「これは朝日が勝手に書いた?」

 

 

平沢「いや、そういう考えの方もおられるんだろうと思うんです。

勝手に書いたかどうかはわかりませんけれど、そういう考えの方もおられると思いますけれども、

まだ決まったわけでも何でもないわけで。

これから有識者会議の報告を見てからということになると思います」

 

 

田原「じゃあまあ、朝日が勝手に書いたかどうかはともかくとして、

大塚さん、この特措法でやるっていうのは、どう?」

 

 

大塚「まああの・・・皇室典範を本格的に改正しようとするとですね、

かなり時間がかかるでしょうから」

 

 

田原「ここにもそう書いてある。今の天皇に間に合わないかも知れない」

 

 

大塚「ええ、だからそういう意味で、特措法でという判断は、1つの判断だと思いますけれど

ただあの・・・先々も同様の問題があるかもしれないということも、陛下はお言葉の中で

若干、匂わしておられた・・・まあそのお気持ちを考えるとですね、違う選択肢もちゃんと

議論した方がいいと思いますけれどね」

 

 

田原「高森さん、天皇のお気持ち表明のなかを読みますと、どうも特措法は、

天皇は求めてないみたいですね」

 

 

高森「そうですね。これはあの・・・社会の高齢化に対応しなければならないと。

こういう着眼でおっしゃってますから、今後、社会の高齢化が押し留められるというような

確証でもない限り、これはその場限りのごまかしで対応するということでは

お言葉の趣旨とは、甚だ違ってくるということになりますし、それ以前に様々な問題。

例えば、憲法学者の八木先生が、今日いらっしゃいますけれども、これ『違憲の恐れがある』と。

皇室典範を全く変えないで、典範を全く改正しないで特措法だけでやるという答弁を

今日の内閣法制局長官がやってますけれども、憲法学者のなかにですね『違憲の疑いが濃い』

という発言をしておられますので」

 

 

田原「内閣法制局長官がそう言ってるんですか、特措法は有りだと」

 

 

高森「そうですね」

 

 

八木今日ですね・・・というか9月30日に横畠内閣法制局長官が答弁しまして、1つはですね

『憲法改正の必要はない』と。それから憲法にはですね、皇室典範、

『皇位は世襲のものであって国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する』

と、こうありますが、ここでいう皇室典範とは、皇室典範という名前の法律だけではなくて

特別立法、特措法、それでも良いという答弁をしています。

ただ私は、果たしてそれでいいのかなあと・・・いう思いがあるんですね。

色んな見解があると思うんですけれど、皇室典範と明記しているからには、やはり

皇室典範という名前の法律を触らなくてよいのかという問題が1つ。

もう一つはですね、憲法には4条2項、それから5条とですね、委任、

それから摂政の制度があるわけですね。その制度をあえて取らずに、

新しい制度を作って欲しいという旨を、陛下はおっしゃっているわけですが、

果たしてそれが可能なのかどうか、憲法上、可能なのかどうか、という問題があると思うんです。

ですからここは、法制局長官の答弁は、いま私が触れた点については言及しておりませんので

このあたりもクリアすべき論点の1つかなあという風に思いますね」

 

 

田原「竹田さん」

 

 

竹田「この点なんですけれども、確かに憲法2条には、皇室典範に従ってという文言がありますので

皇室典範以外で、これを継承したら、憲法違反じゃないか。確かにそれはあるんですね。

ところがですね、この日本国憲法の中身が審議された時にですね、えーまあ戦後ですね、

占領下において審議されましたけれど、このときの担当大臣が金森さんという方なんですけれど

この方はですね、このように答弁しているんですね。『これはあまり意味がない』と」

 

 

田原「どういうこと?意味がないって」

 

 

竹田「つまり皇室典範って書いているけれども、この名前にはあまり意味がなくて

ちょっと立派な名前を付けたんだという程度の答弁をしているんですね、つまり」

 

 

田原「この皇室典範が、大して意味のあるものじゃない?」

 

 

竹田「そうです。それで英語版では、日本国憲法の成文の英語版は、"Imperial Household Law"

つまり『皇室法』っていう風に翻訳されているんですね。つまり、かつては

皇室典範は憲法に並ぶ、なかなか変えられないものでしたけれど、今は一般法と同じですから。

ですからこれは、法解釈としては『皇室関連法』という風に解釈するというのが

いまの憲法学会での多数説になっています。ですから内閣法制局長官がこのように答弁したのは

まあ憲法学会の大方の流れを汲んだ見解です」

 

 

田原「ちょっとね、話が難し過ぎて、僕は理解できないんだけれど。

要するに特措法でもいいってことですか?」

 

 

竹田「私はそう思いますね。と言いますのは、天皇陛下がね、特措法がいいなんてことは

ひと言もおっしゃってなくて、確かにですね、皇位の安定的継承っていうのはあるんです。

でも、歴代天皇は全方、皇位の安定的継承を望んでいらしたわけで。それをもってして

特措法じゃだめなんていうのは、これは勝手な解釈ですから」

 

 

大塚「前回ね、竹田さんが『もし特措法でやるとしても』ということで良い提案をして頂いたのは、

まさしく2条で、憲法の方ですね、『皇室典範で』と書いてあるわけなので、

特措法でやるにしても皇室典範の中に一条、設ける必要があるとご提案されたのは

あれはなかなかもっともな」

 

 

竹田「(A4サイズのファイルに入った紙一枚を指して)実際にはこれですね。

皇室典範は37条までしかないんですが、38条、1個追加してですね、

このように書いてですね、『天皇が譲位する場合は特措法によりこれを行う』という風に

条文を追加すれば、まあそのような批判もかわせるかなと。

まあ、これは無くてもいいと思うんですけれども。まあ、

小林よしのりさんとか、高森明勅先生なんかはもう、多分これないと

憲法違反だとおっしゃるので、こうすればですね、そういった批判も無くなるかなと。

(ファイルをひっくり返して)しかもですね、特措法の名前ですけれども、特措法の名前自体に

『皇室典範に関する』ってこう名前入れちゃえばですね、憲法第2条に引っかかってきますので

まあ二重三重の意味で憲法違反は免れるという風に私は思いますけれども」

 

 

田原「小林さん、どうですか?」

 

 

小林「(竹田さんを見て)表玄関にね、裏玄関も表玄関だよって書いているような感じでね。

結局、裏から退位させて、裏から即位させるんですよ。退位と即位って同時だから。だから

特措法によって退位させて、特措法によって即位させるってことになってしまう。

こんな侮辱的なことはない」

 

 

竹田「侮辱じゃないですよ、立派な法律ですよ。国会を通過した立派な法律です。

皇室典範も法律です。特措法も法律です。同等なんですよ、法源としては」

 

 

高森「ただし、何故ですね、皇室典範という言葉にこだわったのか。あの当時のですね、

日本人の気持ち、そしてそれを受け入れてきた戦後の日本人の気持ちというのはですね、

やはり皇室に関する法律というのは1つの聖域であると。そういう感覚を持っていた訳ですね」

 

 

竹田「でも聖域じゃなくなったじゃないですか」

 

 

高森「だから簡単に手を付けてはいけない聖域としてですね」

 

 

竹田「かつてはそうでしたよ」

 

 

高森「手続きとしては同じ法律であるけれども、そういう感覚を竹田さんの意見というのは

すっかり失って、あるいは投げ捨ててしまってると」

 

 

竹田「違いますよ。私は事実を言っているんで。だって確かに」

 

 

高森「皇位の継承について特措法でやると言う発想自体が」

 

 

八木まあ、裏口入学と言われますね」

 

 

高森「そう、言われる。ほら」

 

 

八木私のコメントが、明日の朝日新聞に多分、出ると思うんですけれども」

 

 

高森「裏口入学と」

 

 

八木まあ裏口入学とは言ってないんですけれども。

やっぱり憲法上、疑義があるような退位が行われれば、すなわちそれは

小林さんがおっしゃったように、新しい天皇の即位に憲法上、疑義が生ずるわけですから

そういう即位はやはり、望ましくない。できるだけ避けるべきだと」

 

 

小林「(八木さんを指して)良いこと言う」

 

 

高森「違憲の疑義のある天皇が」

 

 

八木だから全部反対だって言ってるんです、逆に」

 

 

高森「そういう疑義のある天皇が内閣総理大臣を任命することになるんですよ」

 

 

田原「三浦さん、どう思う?」

 

 

三浦「今までの、いきなり喧嘩っぽくなりましたけれど、多分、誰もいま、

テレビの前で分かっていないと思うんですよ。何で皇室典範を完全に、

譲位の制度を設けてはいけないのかとか、もしくはそこに1条、差し込むことが

どういったトラブルを生むのかというのは。

まあ前回から高森先生、結構、説明されたんですけど、やっぱり一番大事なのは

自ら寄って立つ立場によって、実は右にも左にも色合いの違いがあるんですよね。

その・・・八木先生と竹田さんの立場の違いっていうのが、もうちょっと分かると

すごく面白いなと思っていて

私から見るとですね、八木先生は国家主義者に見えるんですね、ごめんなさい、

もし違うとしたら。国家主義者なので制度の安定制を望んでいて」

 

 

八木そう。僕は機関説なんですよ。」

 

 

三浦「私がちょっとブログで書いて・・・八木先生のこと、ちょっと悪口書きましたけれど☆

あの・・・天皇陛下の御意思っていうのは、正直、最終的にはもう、重要じゃないと。

天皇制を守るためには、現、今上、天皇陛下の御意思っていうのは、無視しなければいけない

場合が絶対あるよねと・・・いうのが八木先生の立場なんですよ。

竹田さんの立場は、まあこの・・・血筋的な問題もあると思うんですけれども、もうちょっと

ウェットな保守なんですよね」

 

 

田原「ウェット?」

 

 

三浦「ウェット。温厚な。まあ温厚じゃない、もっと熱いっていうかな。

だから感情に流されるんですよ。だから今上陛下に言われて、これ大事だよね、

譲位できるような場合を設けないといけないよね、と言うと

『ああ、そうだな』というのが、竹田さんで。この違いが全然、分かんないと思うんですよ」

 

 

田原「平沢さん、いこう」

 

 

平沢「この問題はですね、天皇陛下のご発言ありましたけど、あのご発言で動いているわけでは

全然ありません。やっぱりこの問題というのは、元々やらなきゃならない問題を、結局

してこなかったと。陛下のご発言とは別にこれは」

 

 

田原「生前退位の問題はやんなきゃいけないんだと」

 

 

平沢「天皇陛下のご公務の負担がどんどん、ご高齢になられてもご公務が非常に多いと、

負担が多いってことについては、これは当然、考えてやんなきゃならないことについて

今までやってこなかったんで。

天皇陛下のご発言があったから動いているわけでも何でもないわけですよ」

 

 

高森「それは分かってますよ」

 

 

平沢「それでですね、この問題はですね、ある意味では非常に早く今上陛下については

結論を出さなきゃならないんで。まあ早くやって、同時に皇室典範もいずれにしましても

色々と変えなきゃならないと思いますけれど、これはある意味では憲法的な重みがありますから

時間がある程度かかるだろうと。

ですから、まずはやって、それから次の段階で、要するに、

これからの皇位の安定的な継承の問題について、皇室典範をどう変えるかっていうことは

その後、議論してって、2段階になるんですよ・・・ということだろうと思うんですよ」

 

 

三浦「でも何で安全保障法制に関しては、平和安全法制ですよね、1、2年でできたのに。

この問題に関しては、憲法ともかなり関わる問題なんですよね。

集団的自衛権に関しては、憲法学者にかなり異論も出たけれども、内閣法制局の意見、

もしくは最高裁の今までの判例を見ると、自民党や公明党は正当化できると思って

踏み出したのが平和安全法制だったじゃないですか。

それには今までの話を繋ぎ合わせると2年間くらいしかかけていないんですよね。

国会で1年かけて、1国会でやって、その前のものを入れても2年。

だけれども、陛下がですね、お気持ちをもらされたのはずっと前じゃないですか。

実はかなり前からこの議論というのは行われていて、だからそれが有識者の積み重ねっていうのも

三谷太一郎先生はじめとして、かなりあるんですよ」

 

 

田原「でもあれじゃない?天皇は思ってたかもしれないけど、政府が考えてなかったんじゃない?」

 

 

三浦「だから、有識者会合に何らかの議論の蓄積が必要だっていうのはそうだと思うんですけれど、

そこにすごく時間がかかるっていう前提は何なのか。

有識者会合については、今までかなり検討を、個人のレベルでは重ねてきた人たちがいて、

それを多少、議論させることは必要かもしれないけれど。

平和安全安全法制に要した期間と、そんなに何倍もかかるんですかっていうのは」

 

 

田原「杉田さん」

 

 

杉田「よろしいですか?あの・・・平和安全法制と皇室典範を一緒に並べてしまうのは

全く性質が違うものなので、ちょっとそれは、おかしな議論になるかと思って。

皇室典範がどうしてここまで非常にデリケートなものだったかというと、

やはり先ほど竹田先生が言いかけましたけれども、皇室典範は戦前までは

憲法と対等で車輪の両輪だったわけですよね。

そういう風な中である皇室典範ていう感覚があって。今、名前の話も出てましたけれど、

そういう感覚があって。それで変えるかどうかというところと、今の憲法の中では、

憲法があって皇室典範があるという、こういう形に」

 

 

田原「皇室典範は単なる法律なんだ、今はね」

 

 

杉田「単なる法律になってしまっている。だけれども、やっぱりあるべき姿というものが

あると思うんですよね。そんな風なことを兼ね合わせて議論していくなかに、やっぱり

ある程度の時間はしっかりかけていかないといけないんじゃないかと思います」

 

 

三浦「ちょっと疑問をクリアしたいんですけど。

国防に関わる問題と天皇制に関わる問題というのが、それなりに重要性が

両方とも高いと思うんですけれども、ちょっとあまり疑問がクリアにならなかったんで」

 

 

大塚「三浦さんの疑問もよくわかるし、いま杉田さんと竹田さんがその前におっしゃったこと、

これは他の法律を一緒だっていうのは、法学的にはそういう理解も可能だけれども、前回、

話が出てきたと思うんですけれどね、皇室典範は、皇室の家の法、家法という面もありますし、

本当に他の法律と同列でいいのかっていうところは、これも議論が必要だと」

 

 

竹田「実情は同列なわけですよ。でも中身は重たいわけで。だから先ほどの三浦さんの話に

もし答えるならば、例えば安保法制だったら自民党が強行採決でもOKなんですよ。ただ、

皇室制度に関わることを、例えば野党がみんな反対しているところを」

 

 

三浦「いや、強行採決でOKとは言わないですよ」

 

 

竹田「仮にね、野党が反対してても1票でも多ければ通せちゃうわけですよね。

ところが皇室の場合は、やっぱり天皇というのは象徴だというのがあるので

あんまり与野党で分裂してるなかでね、通す性質のものじゃない」

 

 

三浦「与野党の問題だけじゃなくて、国民の問題があるわけですよ。憲法の」

 

 

田原「三浦さんの言ってることは分かるんだけど、そっちへいくと話が長くなるんで・・・

安保関連法案と・・・」

 

 

三浦「関連性は無くてもいいんですけど、ただ国民の総意に基くというところを、

ちょっと軽視されているのかなと思ったので。国民の総意に基くというのは憲法上の規定

ですよね。で、9割が譲位に賛成であるということにしている中で、そこと国会をあまり」

 

 

田原「なるほど。この問題についてCMをはさんで萩谷さん」

 

 

萩谷「はい、わかりました」

 

CM

 

田原「はい、萩谷さん」

 

 

萩谷「はい、あの譲位の問題について、政府は特別法で対応するということを洩れ伝え聴いて

おりますが、国民も天皇陛下の負担を出来るだけ早く軽くして上げようという思いから特別法でもという理解をする方は多いだろうと思います。

ただ、政府の意図は天皇陛下の負担を軽くして上げようというよりも、

これを皇室典範の改正で行うと、譲位の問題以外、

例えば女性天皇の問題などにも波及するから、それを避けたいという意味で

特別法にしたいんじゃないかと思うんです。

その意味で、国民が特別立法に理解を示しているという意味と、政府の意図とは

かい離があるのではないか、そこは危惧します。

この点、先ほど竹田さんがおっしゃった皇室典範の附則ですか、

それか加える1条でいいんじゃないかということですが、いきなり

各論に入りますけれども。

本当にそれで皇室典範の改正をしなくてもいいのかという点をみますと、例えば8条に

『皇嗣たる皇子を皇太子という。皇太子のないときは、皇嗣たる皇孫を皇太孫という』

ここにもし、いま皇太子が即位をしますと、皇太弟という言葉は出てきません。

じゃあ秋篠宮は秋篠宮家の当主ということにしかならず、秋篠宮殿下は

皇太子でもない、皇太孫でもない、ここには出てこないと。例えば11条には

『親王(皇太子及び皇太孫を除く。)は、皇室会議の議により、皇族の身分を離れる』

ことができるとありますが、ここに秋篠宮殿下も悠仁さまも出てこない。

ということは秋篠宮殿下や悠仁さまは皇族を離れることが出来てしまう可能性がある。

さらに摂政についても、皇太子、皇太孫ということしか出てこなくて、

ここには秋篠宮殿下の立場が出てこない。

さらには悠仁さまについて言えば青年が18年とすると。ここにも関わってくる。

さらに皇室典範はこれも変えなきゃいけない、皇室経済法で内廷費の問題があります。

このまま皇室典範を変えなければ、秋篠宮家には内廷費は出ません。

そういうことを例えば皇室典範で委譲した法律で皇太子を皇太弟と読み替えることでいいのか、

それは皇族という地位の重要なことについて読み替えるでは済まないだろうと。

皇室関連法の整合性を問うためには、皇太子の解釈、定義自体を

皇室典範で変えなければ駄目だろうと私は思います」

 

 

竹田「まさに私は全く同じ問題を共有してまして、皇太弟の規定は絶対に

どっかに入れなきゃいけないと思います。

それか皇室経済法4条で規定を受けなきゃいけないと思いますね。これは皇室典範を変えるか、

もしくは皇太弟に関する特措法というのも手段としては有り得ますね。

天皇陛下が譲位ということをおっしゃった今、この問題ですけれども、皇太弟の問題は

前からずーっとあった問題で、絶対やらなきゃいけない喫緊の課題であることは

間違いないんですね」

 

 

萩谷「でも譲位をしたら、すぐに発生する問題なので、すぐに皇室典範を変えなければ

皇室関連法の整合性が無くなる、一緒にやらなければいけない問題」

 

 

高森「寄木細工になってしまうんです」

 

 

田原「八木さんは特措法反対なのね?」

 

 

八木特措法反対、全部反対」

 

 

田原「で、竹田さんは賛成なのね?」

 

 

竹田「そうです、私は特措法でやるべきだと」

「日本国憲法(抜粋)

1条 

天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、

この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

2条 

皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した

皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

4条 

第1項 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する機能を有しない。

第2項 天皇は、法律の定めるところにより、この国事に関する行為を委任することができる。

(番組内で提示)」

 

 

 

田原「同じ右側(の席)にいる人で、八木さんと竹田さん、意見が違うんだけど、

青木さん、どう?どうでもいいかもしれないけれど、青木さんは」

 

 

青木「いま萩谷さんがおっしゃったのでね、僕が言おうと思ったなーと思ったことが一部

言われたんですけれども、本音で話した方がいいと思うんですよね。

恐らく政権の本音っていうのはね、あるいはここにいらっしゃる一部の方の本音、いま

ちょっと話されましたけれども、反対なんですよ」

 

 

田原「何か?」

 

 

青木「天皇がね、直接言った。ましてやこれ、天皇の発言自体がひょっとすると

憲法違反なんじゃないかと疑われるくらい直截に、自分の希望を述べたわけですよね。

世論もこれを圧倒的に支持しているから、これ対応せざるを得ないだろうというのが

政権の追い詰められている今の立場なわけですよね。

じゃあこれ以上、広げちゃうと、いま萩谷さんおっしゃいましたけれど、女系天皇の問題、

あるいは生前退位、あるいは即位の問題もどうなるんだろうか、ひょっとするとこれは

八木さんなんかもそうなんでしょうけど、天皇制そのものの存廃に関わりかねない議論に

なりかねない、ていうような懸念をしている人たちにとってみると、ここは折衷策として

特措法しかないよね、特措法でここはやり過ごそうよっていうあたりが今回の本音なんですね。

だとするならば、今日、議論するべきはね、僕が言うべき話じゃないけれども、生前退位を

そもそもどうするのか、あるいは即位、天皇制をそもそもどうするのか、あるいは女系天皇を

どうするのかっていう議論をした方が、よっぽど本音だと思います」

 

 

田原「(朝日新聞を示して)いや、生前退位は賛成なんだよ、これは」

 

 

青木「誰がですか?」

 

 

田原「この朝日のも。生前退位はするんだけれども、それを特措法でやろうと」

 

 

青木「それはだから折衷案で、本音じゃないっていうことですよ」

 

 

萩谷「8月8日の天皇のお言葉というのは、譲位を言っただけに見えますけれども、私はそれは

このお言葉の最後に『象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことを念じ』

ここに全て集約されているんだろうと思います。だから譲位も、そのための譲位と思うので

その安定的な象徴天皇の務めを継続できるような制度を作らないと」

 

 

田原「つまり、特措法は駄目なんだってことね」

 

 

萩谷「そうです。十分じゃないと思います」

 

 

竹田「ところがですね、逆にお聞きしますけれども、制度化したら天皇陛下の譲位の条件というのは

どういうものになりますか?」

 

 

萩谷「条件ですか?天皇が自らの意思で政治的な影響を受けずに譲位をするという

意思表明をした場合だと思います」

 

 

竹田「だけですか?例えば、年齢とか体のこととか一切なしに、天皇陛下が、例えば若くても

辞めると、将来おっしゃったら、それはOKなんですね?」

 

 

萩谷「譲位を反対する方は・・・」

 

 

竹田「私、反対してないです!私は反対してない」

 

 

萩谷「竹田さんじゃなくて。それは認めるべきじゃないんじゃないかという意見もあるようですが

私は別に、それを辞めたいというのであれば、それは尊重するべきだと思います」

 

 

竹田「じゃあ高森さんは、どういう条件を考えていらっしゃいます?」

 

 

高森「逆に私はですね、特措法の問題は、譲位に関わる要件と手続きを

恒久的に決められないってことなんですよ。特措法を通せば、それですぐ

天皇を辞めさせられるというですね、大変、不敬なことを言っているわけですね、実はね」

 

 

田原「(朝日新聞を示して)難しいことじゃなくて、特措法の1つの条件がね、

皇室典範をきちんと改正しようとすると時間がかかって、今の天皇に間に合わないかもしれないと

いうのがあるんだと・・・」

 

 

高森「それは逃げ口上」

 

 

平沢「それはそうなんですよ。これは迅速な対応が必要なんですよ」

 

 

田原「逃げ口上?間に合わなくたっていいじゃないかと?」

 

 

高森「いやいや」

 

 

小林「2、3年くらいで出来るでしょう」

 

 

八木何故、皇室典範の改正は駄目なのか、政府は何故、皇室典範の改正を

避けようとしているのかということなんですけどね」

 

 

平沢「避けようとしてないですよ」

 

 

八木これは多少、聞いてるので・・・」

 

 

田原「どうぞ」

 

 

八木何故そうなのかと言うとですね、他の問題に波及するということもあるんですけれども」

 

 

田原「女性天皇とか女系天皇とか」

 

 

八木そのことよりもですね、退位を制度化してしまうと、

生前退位を制度化してしまうことの懸念なんですよ」

 

 

竹田「そうですね」

 

 

八木時の天皇が生きておられるときに退位をするという条項を作るとすれば、

これがさっきからの議論ですけれども、要件とか手続きとか、大変だということは勿論のこと

より本質的な問題はですね、時の天皇がご自身の自由意思で退位が出来るということになれば

次の世代は天皇の位につかなくてよいという自由も合わせて認めなきゃいけなくなるという議論を

ずーっとこれまで行われてきているわけです」

 

 

大塚「この話を深堀りする前に確認させて頂きたいのは、僕もいまの今上天皇が

ご高齢であられるので間に合わなければ色々ご迷惑もかけるという、

その部分は情としては分かるんです。

ただね、それは諸々の深い議論が時間がかかるからということですが、実は

2004年の11月に小泉政権の下で、諸々の深い問題については

政府の有識者会議で報告書が出ていて、2005年の1月に小泉さんが」

 

 

八木私も呼ばれて行きましたから」

 

 

大塚「小泉さんが結局、皇室典範の改正法を出しますという風に一回、

衆参で答弁しているわけですよね。だけど、悠仁親王のご誕生があったので

今日まで延びているんですが。

もしですね今も、こう言っては何ですが自民党政権であられるので

小泉政権で有識者会議の報告書をまとめて、その方向に沿って

皇室典範の改正案を出すと言っていたあれを踏襲するということであれば、

実はすぐ出来るんです」

 

 

平沢「そうはいかないです。何故かというと、この問題はですね、先ほどどなたかが

言われたように天皇制の問題っていうのは国民のほとんどの方の、これは与党野党関係なく

ご同意がないとだめなんです。

そういう観点からしますと、この問題、例えば小泉さんが、2005年に報告書は出まして、

あれに基づいてもし皇室典範改正とかってことになれば、これは自民党の中でも

意見が割れちゃうんです。ですからある程度、合意ができなければどうにもならない。

そのためには、ある程度の時間はかかりますよ」

 

 

萩谷「あの時に世論調査をした結果は7、8割が女性天皇賛成という結果が

出ていただろうと思います」

 

 

平沢「ただですね、この世論調査も時間をおいてやると、かなり違ったと」

 

 

萩谷「いや、2009年にやった時も同じだったと思います」

 

 

平沢「これはね、やっぱり気を付けないと」

 

 

小林「悠仁さまが生れた直後だったからという話で。いま現在でも一代限りじゃなくて恒久的にっていう方が、パーセンテージが多くなっている」

 

 

高森「悠仁さまがご誕生になったことによってですね、危機が去ってしまったかのような錯覚が生れたわけです」

 

 

小林「錯覚、そうそう」

 

 

高森「しかし、錯覚であったということは、いまや明らかになっているので、これはですね、

世論の動向はかなり違いますね」

 

 

竹田「時間をかけるという問題じゃなくて、私は制度にすること自体が不可能だと思うんですよ。

条文が書けない。そこで聞きたいんですけれど、高森さんだったら、どういう条件付けますか?」

 

 

高森「これは条文はですね、非常に容易いんで。まずは皇嗣が成年に達しているということです。

皇嗣、要するに皇位継承者の第一位です。その意思に基づき強制退位を排除する。

そして先ほど八木先生がおっしゃった恣意的な退位を排除するために、

皇室会議の議により、退位することができる。

これらの条件をクリアにすればですね、要するに(退位の自由を認めるなら)

即位の自由を認めなければいけないという議論は出てこないんですね」

 

 

八木え?どうしてですか?そこがよくわからない」

 

 

竹田「そこでの最大の問題は天皇陛下の御意思によって譲位が出来るようになるということ。

これはですね、憲法4条が定めている『天皇は、国政に関する機能を有しない』ということに

明らかに反しますよね。この譲位の決定というのは、これは政治決定ですから」

 

 

高森「私の説明を聞いておられないようですけれども、『皇室会議の議により』っていうことは

最終決定権が皇室会議にあるということです」

 

 

竹田「違いますよ。仮に最終決定権が皇室会議にあったとしても、陛下の発議でもって

この話が始まると。例えばですよ、消費税を上げるべきか、上げるべきでないかって

もし天皇陛下がおっしゃったとしたらですよ・・・」

 

 

高森「おっしゃるわけないですね、そんなことは。全く議論をすり替えてる」

 

 

竹田「そうしたらですね、法律はそれによって変わるじゃない。

だから天皇陛下の政治的なご発言そのものが政治を動かしてしまう。

そうすると陛下に政治責任を負わせることになるわけです」

 

 

三浦「わかるんですけど、ただここで問われているのは色んな立場があるんですよ。

多分一番強硬に、陛下が望まれたとしても、それは退位を認めるべきではないという立場が

八木先生ですよね。竹田さんの立場って揺れ動いているって私は思うんですね」

 

 

竹田「いや、揺れ動いてないよ」

 

 

三浦「いや、私の考えとしては」

 

 

竹田「いや、ちょっと説明させて下さい。

だから僕は特措法で一発でバシッと決めるべきだと言っているんですよ。

制度化することが駄目って話ですよ」

 

 

三浦「人の話を最後まで聞いた方がいいんですよ。何を訊かれているのか分からないで

反応しても意味ないじゃないですか。竹田さんが揺れ動いていると私が思うのは」

 

 

田原「竹田さんは皇室典範を改正するのは反対なわけね?」

 

 

竹田「皇室典範は変えなきゃいけないところは沢山あります。

でもいま陛下が譲位の御意向を御示しになった以上はですね、すぐ特措法でやってしまわないと。

平成30年というお言葉もありましたよね。なかなか間に合わない」

 

 

青木「詳しいことは良くわからないんだけど、特措法一発で解決っておっしゃいますけど

これから仮にですよ、次の天皇が『俺辞めたいんだ』と言ったら特措法だと?

次も特措法だと?」

 

 

八木前例になるんです、前例に」

 

 

高森「前例になる」

 

 

青木「そしたらさっき(高森さんを指して)言った条件と同じ話になるでしょう」

 

 

高森「それこそ、国会が決めたら退位できると。まさに政治利用が可能になると」

 

 

田原「竹田さん、頑張って」

 

 

竹田「違うんです。どっちにせよ、国会が決めるわけですから

民主主義の最高レベルなわけですよね」

 

 

三浦「そうじゃなくて、思想の問題を訊いてるんです」

 

 

竹田「制度にしちゃうと、制度が動くんですよね。現在の天皇と昭和天皇では、必ずしも

象徴天皇に対する考え方が一致しているとは限らないわけですよ。もしかしたら

次の天皇は年老いても最後までやるという方がいらっしゃるかもしれないわけですよね」

 

 

萩谷「さっき竹田さんは、憲法のお話をしましたけれども、憲法は国民の総意に基づいて

皇位継承については皇室典範で定めるとありますから、現在の国民の総意がどうかで

制度化しても、別にそれはおかしいことではないと思います。

むしろ特措法で暫定的にやる方が、それは憲法の意図するところでなくて脱法的な、

違憲では仮にないとしても脱法的な行為であろうと思います」

 

 

竹田「そうではなくて、制度化して陛下の御意思が事の出発になること自体が違憲ですよ。

だって天皇陛下は」

 

 

三浦「やっぱり竹田さん、錯綜してますよ。あのね、承詔必謹(しょうしょうひっきん)とか言って

政治家の方が色んなオピニオン誌の最後にその言葉で締めくくったんですよ。これはね、

私は八木先生は冷たいと思っているんですよ、本心では。だけどもやっぱり、

国家のあり方ということでいうと、一環はしてるんです。冷たいけど」

 

 

八木制度を守れって言ってるんですよ」

 

 

三浦「だけど竹田さんのように、じゃあそこで言われたらはい、承詔必謹ですっていうのはね、

これをまた繰り返すっていうのは、やっぱり憲法マターとしてもそうだし、民主主義としても」

 

 

田原「竹田さん、さっき青木さんの言った特措法だとね、次も次も毎回、特措法でいいのかね?

っていう話はどうですか?」

 

 

竹田「今回は、陛下からお言葉があったからという、特別の、驚天動地の特別の事態があって

特措法なわけですね」

 

 

八木でもそれは憲法違反だと今、おっしゃいました」

 

 

竹田「いや、僕が言うのは制度化したら、その制度が憲法違反っていうんですよ。全然違います。

高森さんがおっしゃった、その制度案自体が憲法違反だと言ったんです。

三浦さんのことに答えるとですね、私は現状のままでいいと思っているんですね。ところが

陛下のお言葉が発せられたから、であれば問題のない限りこれをやらなくてはいけない」

 

 

三浦「それは竹田さんの思いでしょ?」

 

 

竹田「結局、譲位を制度化するっていうのは問題なんですね」

 

 

田原「譲位を制度化するのは、問題なの?」

 

 

大塚「譲位を制度化するのは問題って言い切っちゃってると、視聴者の皆さんはそうかな?と思うけれど、譲位を制度化するのが本当に問題かどうかっていうことが論点でしょ?」

 

 

竹田「だから歴史的に問題があったわけですよ。譲位というのは歴史的に問題があった。

だから僕はこのままでいいと思っているんですけれど、ただ陛下からお言葉があったから、

そうしたら、これはどういう風に実現したらいいかなと、これが問題が起きない形で実現

できないかなと考えたときに、たどり着くのが特措法なんですよ」

 

 

大塚「でも歴史的に問題があったっていうけど、これは視聴者の皆さんにお伝えしたいのは

125代の天皇のうち、58人は生前退位ですよ」

 

 

竹田「確かにそうなんですけれども、天皇が病気になったりとか、

間もなく死にそうになったという段階で」

 

 

大塚「ここはかぶせるよ☆生前退位は色々問題があったっていう風に断言しちゃうのは、

よろしくなくて、125代のうち58代も生前譲位してるから☆」

 

 

田原「小林さん」

 

 

小林「思想的なレベルで八木さんと話してみたいんだけどさ、ね、天皇制ってさ、基本的に民主主義っていうものに、ちょっと接合しにくいよね?」

 

 

八木うん、しにくいと思います」

 

 

小林「極めてしにくいよね?だから結局、GHQが本来ね、皇室の家法であった、本当は天皇陛下が決めて良かったんだよ、こういうことは、皇室典範っていうのは」

 

 

八木いや、そういうわけでもないです」

 

 

小林「そういうわけでもない?けどそれを結局ね、国会マターにするっていう風になったときに、やっぱり日本の側の方から、GHQ、マッカーサーの方に言いに行っているわけですよ。

いくらなんでも、これはおかしいじゃないかと。

皇室典範を完全に国会マターにしてしまうのはおかしいんじゃないかと。

ていうことは文句言いにいってるわけよね。

けれども、それでもやるっていう風に言ったのは、結局GHQとかの狙いとしてはね、

これは国民主権の中でね、皇室の将来を任せてしまえば

いつかこの天皇制、無くなってしまうっていうその目論見があったからなわけですよ」

 

 

田原「あーそうですか」

 

 

小林「そうなんですよ」

 

 

田原「八木さんどう?その辺」

 

 

八木『主権の存する日本国民の総意に基く。』ここをどう読むのかっていうことなんですね。

そこを共産党は国民投票でとか、そんなことも言ってるわけですよね。

世論ってコロコロ変わるわけですから、ある瞬間の国民投票をして

廃止するということだって可能と読めるのかどうか。

でも、そう読んじゃいけないと。そこは日本の歴史的な常に存在した国民の総意と、

歴史的な意思だと、こういう風に読むと。伝統に基づいていると。

こういう風に読むべきだと思うんですよ。そういう意味では、民主主義との接続っていうのは、

ちょっと齟齬がありますよね」

 

 

小林「そこが問題なわけよ。結局、本来ならば天皇が決められることがね、決められないわけですよ。自分の家系を次に任すっていうこともね」

 

 

八木それは明治の皇室典範も違うんですよ。それは高森さん詳しいと思うんですけれども。

宮内省というのがあって、その中における皇室、天皇なんですよ。周りがしっかり固めていてですね、天皇の個人の意見がそのまま通るというシステムではないんですよ」

 

 

小林「いま機関説って言ったよね、天皇機関説ね。でも美濃部達吉だってね、反対しているんですよ、国民主権を入れることを。そもそもね、憲法にね。

絶対、こういう齟齬が起こるからわけなんですよ、国民が勝手に決め始めるからなわけ。

皇位継承をね。

だから本当を言うとね、こういう場合はね、天皇陛下とか、近い皇太子殿下と秋篠宮殿下あたりで、どのように本当は考えておられるのかっていうことを、まずご意見をお聞きしてね、それに沿ったやり方で政府が決めてゆくっていうことじゃないと、ここ本当に齟齬を起こして無茶苦茶になってしまうよ、こういう議論はね」

 

 

八木歴史的には陛下を支える臣下がいて、臣下の意見も聞きながら進めてきてるんですよ」

 

 

田原「杉田さん」

 

 

杉田「今日、小林さんがおっしゃっていることを議論できたらなって思って来たんですけれど、いまも憲法の成り立ちとかも大分明らかになっておりますけれども、今回、この皇室典範がね、先ほども申し上げた通り、本来ならば憲法と同等で車輪の両輪だったのに、何故これが憲法の下におかれて、国民主権のしばりを受けなくちゃいけなくなったかという流れも段々と明らかになってるんですよね」

 

 

田原「占領軍がそうしたんだ」

 

 

杉田はい、占領軍がそうしたという。天皇陛下自身も、そこのところは反対されたっていうようなところもあるんですけれど、占領軍がそうしたという。先ほどおっしゃった通り、このまま総意に基づいてやってゆくと、結局は最終的に天皇制が無くなるだろうと、いうようなところが目的であった。

それは何かというと兵糧攻めなんですね。

先ほど八木先生がおっしゃったみたいに、それまでは御皇室にも相談相手とかもあって、ちゃんと支える仕組みがあったけれども、その支える仕組みを全部取っ払ってしまったわけですよ。

全部取っ払ってしまったというところに、いま政府もサポートしないですし、

学校教育もサポートしない、何もサポートしない。

例えば被災地に陛下が行かれたりするときに、日の丸を振ったりするとかも、あれ全部

民間の方々が配ってわけで。そういう風なことを全く政府もサポートしないしっていう中で

ですね。いまも御皇室の支持率が非常に高いというのは、昭和天皇と今上陛下の努力の結果で、

これ個人の努力の結果なわけですよ。

そういう風な個人の努力の結果でずっとやってきたときに、多分陛下はですね、

今まで死に物狂いでやってきたけれども、もしも自分が出来なくなったとき、

もしも次世代が出来なくなったときに、国民に理解されなくなってしまうことへの不安から、

今回のお言葉が出ていると思うので」

 

 

田原「いま良い意見だから議題変えたい。じゃあ象徴って何だろうていうところにいこう。

今の天皇は象徴天皇で懸命にやっていらっしゃると。だけど象徴っていったい何だろうと。

これね、1回も日本でこのことは検討されていないんですよ、実は。

竹田さん、象徴って何だと思う?英語ではシンボルだよ。」

 

 

竹田「そうですね、私はですね、主権者が象徴に変わったってよく言われるんですけれども、

やっぱり帝国憲法下であっても天皇は象徴だったと思うんですね。象徴というのは、

私たちは天皇陛下の御姿を見ることによって」

 

 

田原「いや帝国憲法では元首でしょう?」

 

 

竹田「もちろん条文上は書いてないですよ。でもその象徴っていうのは私たちが陛下の御姿を

見ることによって、そこに日本という国そのものをみている。

もしくは日本国民統合をそこにみるという、これが象徴なわけで。

例えば、富士山は日本を象徴する、富士山は物質ですけれども、それを見ることによって

日本という概念をみるわけですね。桜の花びらを見ると春の訪れを感じる。

それと同じように私たちは陛下の御姿を見ることによって日本をみている。

これが天皇が日本を象徴しているということです。

これは帝国憲法下にあっても同じだと思います」

 

 

田原「これはCMはさんで小林さんから伺いたいんですが、やっぱりもし象徴ならね、

日本国憲法は基本的人権っていうのがあるんだけど、天皇には全く基本的人権がない」

 

 

杉田「そうです、そうです」

 

 

田原「その辺の話をCMをはさんで小林さんから行きます」

 

CM 

 

 

小林「あのー、結局、天皇の自主性ね、主体的な意思が、先ほどの譲位の問題の中でもね、

自分の好きな時に退位してね、即位も自分やらないと、いう風になったらどうするんだ、

ということをすごく恐れていると、政府はね、そういう風に言っていましたよね。

基本的に天皇っていうのは、基本的人権がないわけですよね」

 

 

田原「言論の自由もないですね」

 

 

小林「言論の自由も勿論ないからあれだけ保守の方からバッシングされても反論することは

出来ませんからね。だから右翼が肉体言語でやっちゃったりとか、したがるところも

あるわけでしょ?で、わし、そのときは一生懸命、守ります、守りますよ。

バッシングばっかりやってるから。

そうやってやられても何も言えない。勿論、移動の自由もない、職業選択の自由もない。

選挙権とかそんなものも何にもない。つまり国民ではないわけですよ。

国民の規定には入っていない、天皇というものはね。

それでもってですよ、そういう中から象徴天皇とは何だろうっていうことを、

当然考えますよね、天皇陛下はね。考えて、どのようにしたら自分はいいのだろう?と

考えたときに、祭祀とね、国事行為だけやっておけば、これで象徴天皇になるかっていえば、

それはならないっていう風に考えられたわけですよね。

だって祭祀とかって、あれは私的行為になってますから、しかも奥でやってる話ですから、

こんなの国民何にも知りませんよ。国事行為ってサインだけすればいいって話になるわけでしょ?

ヘーゲルか誰かが王様の役割っていうのは、サイン、署名と生殖だけだと言った人がいましたよ。

ね、本当に実際、そうなってしまうわけですよ。

例えばそれで本当に国民の象徴になるのか、あるいは、国民ってバラバラですよ。

その中の結節点として天皇というものが存立できるのかどうかっていうことね。

例えば、ダライ・ラマなんかだったら亡命したら絶対、ダライ・ラマをチベットに戻そうと

みんなするわけでしょ?中国から侵略されてもね。日本だって同じことが起こると思いますよ。

例えば人民解放軍に侵略されてしまったらね。でも天皇が、亡命させておけば、

あの天皇がいるから、まだ日本は滅びていないっていう風に、わしは考えます。

八木さんだって考えるでしょ?」

 

 

八木まあ、昭和天皇はそうおっしゃいましたよね。終戦のときに。誰を残せればいいと」

 

 

田原「八木さん、その象徴の問題、どう思う?」

 

 

八木そもそも象徴とはどういうところから来たのかという、そこは実は明らかになっていて。

国民統合の象徴という、そこの部分が一番重要なところなんですよ。

これは占領軍が憲法を作るときにですね、参照した本があって、イギリスのジャーナリストが

書いた本なんですけども、その中にそう書いてあるんですね。

それはイギリスの君主制の説明の本なんですけれども、君主は政治に直接タッチしないと、

それゆえに政治的に対立している国民を統合することができるだろうと。

これを国民統合の象徴と言っているんです。

ですから日本国憲法の第一章はそういう趣旨でずーっと書かれているんですよ。

だから第4条でですね『国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する機能を有しない』というのが

そこの部分なんですよ。

だから政治に、いかなる政治的立場にも立たないので、全体をまとめることができるんだと

というのがそもそもの趣旨ですけれども。

今回ですね、天皇陛下は象徴、あるいは象徴天皇とは何なのかということを

ご自身で定義なさったわけですよね」

 

 

田原「なるほどね」

 

 

八木大きく役割、務めが3つあると。1つは国民のために祈ること。

もう1つが国民に寄り添うこと。3番目が各地に行かれてですね、いわゆる行幸ですよ。

この3つ。(『天皇陛下の主な活動』を指して)この公的行為ですよ。

『天皇陛下の主な活動

国事行為 公的皇位 私的行為

 

2015年(お誕生日からの1年間)

書類に署名・押印 1060件 認証官任命式 136人 外国大使の信任状捧呈式 26回

新任外国大使とお茶 30カ国 都内、近郊への公的訪問 28回 地方訪問 15県(40市町)

戦没者慰霊 

沖縄、広島、長崎など サイパン(2005年)、パラオ(2015年)、フィリピン(2016年)

被災地訪問

北海道南西沖地震(1993年)、阪神大震災(1995年)、

中越沖地震(2007年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)など』

それができるのが象徴天皇であって、ご自身はご高齢であり、ご病気でもありますから

これが全身全霊で出来なくなるので、退きたいと。こうおっしゃったわけですから」

 

 

小林「よく分かってるじゃないですか。そうなんですよ」

 

 

平沢「あのですね、今月号のある月刊誌に、古森さんがケーディスに会ったとき、

ケーディスっていうのは憲法を起草したGHQ民政局の次長ですね。

この人をインタビューしたときのことが詳細に出ていますけれども、

何故この象徴っていう言葉が入ったんだっていうと、元々マッカーサーの指示というか」

 

 

田原「古森さんって、産経新聞の古森さんね?」

 

 

平沢「そうです、古森さんです。マッカーサーノートというか、マッカーサーが憲法作れっていう

指示の中には元首って書いてあったと。ところが元首って書いてあったけれども、

ケーディスはそのときの、その場の発想でシンボルっていうか、象徴っていうことを書いたと」

 

 

田原「何で書いたの?」

 

 

平沢「いや、ですからその場の発想だから」

 

 

田原「発想って、どういう発想?」

 

 

平沢「ひと言でいえば、前から深く考えてたっていうことじゃなくて、その場で急に」

 

 

田原「思いつき、思いつき」

 

 

八木種本があるんです。種本があって、極めて有名なウォルター・バジョットという人の

『イギリス憲政論』ていう本があってですね、それを参照したと、

その条文を書いた当人たちが言ってるんですよ。ネルソンとプールという2人のチームで

バジョットのその本を参照したという証言まであるんですね」

 

 

高森「ただ象徴という言葉自体については、その古森インタビューでですね、

ケーディスはそういう証言をしていますが、一方で西修先生のインタビューに対しては

別の答え方をしてるんです」

 

 

田原「どういう答え方してる?」

 

 

高森「どういう答え方をしているかというと、日本の人々が

我々にとって天皇というのは象徴であるという発言をしていて、

それにヒントを得たと言っているんですよね。

同じケーディスでも、古森さんと西先生に対して言い方が違う」

 

 

竹田「確かに外国から押し付けられた言葉かもしれませんですけれども、ある意味、

不幸中の幸いというか、すごくしっくりくると言いますか、

私たちずーっと象徴として皇室を大切にしてきたわけですからね」

 

 

田原「戦後70年、少なくともね、象徴できてるわけだから」

 

 

小「公務がやはり大事なんですよ。だから陛下はあちこちにずっと行かれて、

国民に直接、顔を合わせてきたわけですよ。それなのにね、

公務の負担軽減などに関する有識者会議とか言ったら、

その公務を負担を軽減しさえすればいいという有識者会議になってしまったら、

これは天皇陛下の意に全然そぐわないんですよ」

 

 

田原「なるほど」

 

 

高森「天皇陛下はこうおっしゃっているんですよね。

『天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく

縮小していくことには、無理があろうと思われます』と。名指しでそれを否定しておられる」

 

 

杉田「そこの部分は、先ほど申し上げた通り、陛下の業務を減らすということではなくて、

もうちょっと、しっかりとしたサポート体制を作る」

 

 

田原「何それ、サポートって何?」

 

 

杉田「皇室をサポートするっていうような体制を全部、GHQによってその仕組みを

無くされてしまって兵糧攻めにあっているような状態が日本の皇室であると考えたときに、

その今の皇室を支える、例えば、きちんとこういったことを有識者の方と、

皇室の方がきちっと相談を出来るとか」

 

 

田原「僕は異論があってね、やっぱり天皇は自らが国民の中に入ってゆくと、

変なサポートがあってガードマンがいっぱいてね、無いのを求めているんじゃないかな?」

 

 

三浦「杉田さんがおっしゃっているのは、いま演出というものがあまりなくて、民間の人が」

 

 

田原「そんなもの、無いのを求めているんだよ」

 

 

三浦「いや、まさにそうなんですよ。私は、杉田さんと反対の意見を持っているんですね。

というのは、いまここまで天皇制というものが国民に支持されている最大の理由は

いまの今上の努力であり、もしかしたら昭和天皇の努力によるものかもしれない。

でも今上の努力ってすごく大きいと思うんですよ。その今上の努力が大きい中で、でも我々は

『譲位したいという意思』を受けて話をしているんですけれども、次の問題として、

じゃあこのような人格識見に優れた今上ではない、他のタイプの天皇が生じたときに、

どうなるかっていったときに、ここでの議論の前提がガラガラと崩れるわけですよ。

そうすると八木先生がおっしゃっているような天皇というものは、個人としてのものではないと。

機関であると。だからそこは逆に言うと国民にみえることは必要だけれども、

個人の性格によってあまり左右されてはならないという方が天皇制を」

 

 

田原「ということは、今の天皇は、やり過ぎだってこと?」

 

 

三浦「八木先生は、感謝しつつも、そう思っているのかもしれないけれど」

 

 

八木私は現時点においては、やり過ぎで苦しまれたんだと思うんですよ。

それは昭和天皇の時と比べて所謂、ご公務、公的行為がですね、5倍とも7倍とも

言われているんですね。それだけ増えて、それは努力の賜物なんです。

賜物というか努力の結果、そうなった」

 

 

田原「それが象徴だという風に今の天皇は思っているんだ」

 

 

八木しかしですね、お若いとき、あるいは健康なときは、それで良かったと思うんですけれども

それが全身全霊で出来なくなったと、ということからですね。それなら、

公的行為を減らせばいいじゃないかという議論も有り得るんですけれども、そうではなくて

全身全霊で全て出来てこそ天皇、あるいは象徴天皇であるんだと

こういう自己規定をされて、自らは退きたい」

 

 

田原「萩谷さん」

 

 

萩谷「陛下が一番重要に思っているのは、何も公的行為だけではなくて、恐らく私的行為である

宮中祭祀も非常に大事にしていらっしゃる。これはいまの今上陛下は近代の天皇の中で

最も宮中祭祀に時間を割いていらっしゃる天皇だと聞いています。

例えば新嘗祭のときに2時間正座しなきゃいけない、これを滞りなくやるために、通常、

絨毯の上にお座布団を敷いてTVを観るのも正座していらっしゃると。

そういうような準備もされているとも聞いています。

ですから、何も公的行為が増えたから、天皇陛下が自分の首を絞めているとか、

大変だとか感じていらっしゃるのではなくて、宮中祭祀といった非常に、宮中にとって、

皇室にとって大切なものも次の世代に伝えてゆきたいと。そういう思いからも次の皇太子さまを」

 

 

三浦「そうなんですけど、いま萩谷さんのおっしゃったことっていうのは、

実はいまの今上の時代に増えているんですね。儀式というのも古来からの儀式を尊重するのも

逆に言うと八木先生の立場からすると、今上の個性であり、今上の考え方。

それを次の天皇が受け継ぐ必要がないっていう」

 

 

田原「宮中祭祀なんて、何で増えるの?減るもんだと思うよ」

 

 

萩谷「私が聞く限りは、今上陛下は近代の天皇よりも宮中祭祀に割くお時間は」

 

 

田原「戦後、民主主義になってね、世の中が合理化してくればね、

宮中祭祀なんて減って当たり前じゃない?」

 

 

三浦「象徴を再定義しているからなんです。ここ言わせて頂きたいんですけどね、

八木説における天皇制の連綿たる連続というものに、一部、予想しないシナリオがあるんですよ。

つまり八木説を続けて一番問題が生じるのは、辞めたい、ていう風に天皇ご自身が思われたときに

別の天皇ですよ、じゃあ首に縄付けてやらせるんですか?ていう話なんですよ。

その問題が生じる前にやっぱり色んなことを考えておかなくてはいけないというのが、

皇室典範を本質的に見直す一番の理由なんですよ。

人格識見に優れていない天皇が出てきて、国民の支持が落ちるということよりも、

もっと深刻な問題というのは、実は人権をすごく重視されている萩谷先生のような方からの

見解としても、すごく同調性の高い問題なんですけれども首に縄を付けることは出来ないんです。

首に縄を付けなければならない制度のままで、そのような天皇が生じたときに、

天皇制っていうのは終わりを迎えるんですね。それは困るんでしょっていうのが」

 

 

田原「八木さん、その辺どうですか?」

 

 

八木単純にはですね、公的行為、所謂ご公務を減らす。そうでないと今の天皇陛下のご努力で

巡行の数が増えたと」

 

 

田原「でも天皇は減らすのは嫌だと言ってる」

 

 

八木私が一番心配しているのは、象徴天皇はこうあるべきだということを

自己規定されたわけですよ。非常にストイックな形で。

それがですね、その次の世代を縛りはしないかなあと」

 

 

高森「任せるということをおっしゃっているんですよ」

 

 

小林「そうそう」

 

 

八木国民がまたそれを期待しないかなという」

 

 

高森「それは我々自身がメッセージを出してゆけばいいことで。

三浦さん、大切なことをおっしゃっていて、要するに天皇が天皇としての務めを果たす。

これ、平沢先生にも聞いていただきたいんですけれども、自民党が一番腰が引けているのは

そういう自由を解禁してしまうことだと。

天皇に自由を解禁してしまうことをね、一番恐れている」

 

 

田原「解禁?」

 

 

高森「即位をしない自由。これ、実は今もあるんですね、事実上。

要するに、皇位継承順位を変更するというルールがありますから。

本人に重大な事故がある場合は、変更可能なんですよ」

 

 

竹田「事故が無きゃ出来ませんよ。本人の意思では無理です」

 

 

高森「国事行為を辞退されたらね、これは重大な事故にあたるんですよ」

 

 

竹田「いや、あたりません。『精神と身体の重大な』これ、条文に書いてあるから

読んでみたらわかりますよ」

 

 

高森「いや、ここに書いてありますよ。

『皇嗣に、精神若しくは身体の不治の重患があり、又は重大な事故』。

この重大な事故っていうのは、一貫して元号を変える、これから始まっている」

 

 

小林「交通事故とか遭うはずないから」

 

 

三浦「事故っていうのは、そういうことです。差し障り」

 

 

高森「全ての国事行為を辞退、一切行わないということをですね、ずっと貫かれたら

これは、皇位継承順位を変えざるを得ない」

 

 

田原「本人が嫌だと言ったら、事故になるんですか?」

 

 

小林「事故と解釈することも出来る」

 

 

三浦「イギリスの王室の例を取れば、ご自分が国王になることによって自分の愛する人と

結婚できないんであれば、それは嫌だからという理由で

国王の継承順位を変えたことがありますね。例えば恋愛であるとか、

もしくは本当にやりたくないという例は一応、想定はされているんです。

ただ、その事故という風に一応、定義するというのは、ちょっと人権の観点からすると

事故があったんだっていうのは、ちょっと言い方として好ましくないと私は思っていて

オープンな場での議論とか、オープンな場での情報公開とは、また別に、

高森先生がおっしゃるような専門家であったりとか、家族たちが話し合ったときに

みんなが納得するみたいな内々のプロセスも」

 

 

田原「僕は次元を低くして申し訳ないけど。

もうちょっと天皇に自由を与えていいんじゃないですか?」

 

 

小林「それは思います」

 

 

高森「私は、八木さんの説に非常に不安なのは、要するに天皇としての務めをやり抜くというモチベーションを失わせてしまう」

 

 

小林「そう!」

 

 

三浦「そうそう、それはそうなんですよ」

 

 

竹田「その点なんですけれども、日本の国体というのは天皇が存在していれば

OKというわけではなくて、やはり天皇が国民を我が子のように愛し、その幸せを祈り、

そして国民がみんなで手を合わせて国を支えるって、これが揃って国体じゃないですか。

国民を愛さない天皇なんていうのがもし存在したら、もはや国体が破壊された状態で、

次にね、次の方がいらっしゃったら、また代わっていただければいいんですけれども、

もし、そういう天皇がいらっしゃらなかったら、もうこれは日本は」

 

 

大塚「田原さんが非常に重要な質問をして下さったんですけどね、

もっと自由を与えていいじゃないかという話と、いまの解説とは

ちょっと僕はミートしてないと思うんだけど。

自由をもう少しお持ちいただいても私はそのことによって、国事行為と宮中祭祀は、

これは増やしてるかどうかは別にしてですよ、必要最低限のことはほぼ、

オブリゲーション(義務)ですよね。ですから自由は」

 

 

田原「もう少し次元の低い話をしたい。日本の皇室ってね、行儀が良すぎるよね。

イギリスの王室はさ、浮気をするわけだから☆日本は何でこんなに行儀が良いんだろう?」

 

 

八木かつては色んな天皇が存在しましたけどね」

 

 

田原「いま、行儀良すぎるねえ」

 

 

竹田「相当ストイックですよ」

 

 

高森「やっぱり歴史が違いますよ。歳月が」

 

 

竹田「仁徳天皇が国民のために天皇があるということを自らおっしゃったわけですよね。

初代から連綿と続く国民のために存在する天皇ですから。ヨーロッパと中国の場合は、

国王のために国があって国民がいるわけですよね。ですからやっぱり、天皇が贅沢をする

なんてこともないし、そもそも根本の話じゃないわけですよ」

 

 

小林「パブリックマインドが基本的に日本の方が発達しているというのはあると思う、公の精神というものが」

 

 

田原「だけど、政治家の不倫いっぱいあるじゃない」

 

 

小林「だからそれを日本の国柄として言っていても無理なところがあって。

実際にどんな天皇が現れるか分からないんですよ、これは。

だからわしは先月も言いましたけれども、やっぱり天皇制っていうのは、やってもらっている、やっていただいているという状態でしか本当はなくて。

それでもう『退位する』とかね、『即位しない』とかいう風に言われたらお終いなんですよ。

そこでお終いなんですよ。だからいくら機関だとか言ったって、基本的人権が全くないままでじゃあこれは奴隷なのかっていう話になるんですよ」

 

 

萩谷「実際、皇位継承権を持っている三笠宮様、譲位の自由を認めるべきだとおっしゃっていますし、認めないのは奴隷的拘束だと言っていますよね。

皇位継承権を持っている方でさえそう言っているということは、やっぱり制度的に考えないといけないと」

 

 

田原「青木さん」

 

 

青木「問題は、結構、本質的な問題なんだろうけど、今上天皇のこの間のメッセージっていうのは

ある種、今上天皇っていうのは戦後民主主義の申し子みたいなところがあるんですよね。

だからある種、戦後民主主義的なメッセージなわけですよ。まさに、その・・・

自由とまでは言わないけれども、これくらいはいいでしょう?っていう。

これだけストイックにやってきたんだからという思いもあると思うんですよね。

もっと言うと、小林さんが先ほどおっしゃいましたけれども、

天皇制を存続させるとするならですよ、GHQがどうのこうのっていう議論も勿論、

歴史的にはあるんだけれども。

天皇制を存続させるとするならば。僕は、別に存続させなくてもいいと思っているんだけれど

存続させるとするならば、民主主義との親和性みたいなものを取る方向に行かなくちゃ

残らないですよ、どう考えても」

 

 

小林「そう思う」

 

 

青木「それは別にね、GHQの差し金でも何でもなくて。

例えば、いま、側室制度を作りますか?とかね、言ったって、それは国民が認めないですよね。

だから田原さんがおっしゃったように、自由ってものは何かって問題、

あるいは基本的人権とは何かって問題は別として、もう少し。閉じ籠って

お祈りだけしてればいいんです、あなたたちはっていうような議論では、恐らく成り立たない。

だからどうやって民主主義との親和性を、もし存続させるんだったら、

女系天皇も含めてですよ、あるいは女性天皇も勿論含めて、真剣に議論しなかったら、

先ほど来、おっしゃっているようなGHQの差し金だとするならば、無くなりますよ」

 

 

竹田「自由があるから、陛下がやって下さる。自由が無いから、みんな奴隷だと思ってやらない。

歴代をみたら、自由なんかないところで、歴代天皇、本当にですね、役割を全うされたわけですよ」

 

 

小林「そんなこともないよ、上皇とか、色々政治権力を持って、裏で操ってたりね」

 

 

大塚「近代民主主義が出来て以降の天皇制とね、それ以前と同列に議論したら、

これは答えが出てこない」

 

 

杉田「そういう日本国憲法が無い前の天皇陛下もずっと脈々としてこられたというのは、

竹田さんのおっしゃる通りだと思うんですね。ただ、先ほども申し上げました通り、

国民の総意に基くって憲法の方に書かれてしまっていて。これが本当に今の陛下を、

本当にストイックで、国民の理解を得るためにっていうようなことをやっているんですけれども。

私、自由になるっていうのは、ここからの解放っていうようなことも必要であるんじゃないかと

思ってまして、先ほどの話にちょっと戻るんですけれども、今は憲法改正とか、

自主憲法の制定っていうのも議論できる時代になっているのであれば、もう一度、

この皇室典範を憲法の下におくのではなくて、車輪の両輪の位置まで戻してくるっていう」

 

 

三浦「天皇主権ですか?」

 

 

杉田「天皇主権ではないですけれども、そこのところをしっかりと。

GHQとの話はもういいとおっしゃいましたけれども、あの白洲次郎さんは」

 

 

田原「具体的に聞きたい。何で皇室典範が憲法と違う普通の法律だと駄目なの?」

 

 

杉田「先ほどから議論の中にも出てきているように、陛下とか皇室の方々自体には、

先ほどの基本的人権が無いんですよね。職業選択の自由もないし、

居住の選択の自由もないわけですよね。そういう風な存在でありながら」

 

 

田原「本当に職業選択の自由があっていいのかなあ?皇室に」

 

 

竹田「私は無くていいと思うんですね」

 

 

杉田「それは無くていいとは思いますけれども」

 

 

青木「先ほど来、おっしゃっている、皇室典範と同等の地位にするっていうのは

どういう意味なんですか?例えば国会の3分の2の発議で国民投票するような

皇室典範にしようっていうことなんですか?」

 

 

杉田「いえいえ」

 

 

青木「それとも天皇主権にするってことですか?」

 

 

三浦「あの、杉田さんの今までおっしゃっていたことの中で、小旗を振る、

天皇陛下が行幸されたときに小旗を振るのが民間の役割じゃなくて

公的機関がアレンジすべきだって意見は」

 

 

田原「全く反対!全く反対!」

 

 

三浦「意見は明るみに出たんですね。ただ、それ以外のことで何を変えようとしているのか。

これは八木先生と杉田さんが実は違う思想を持っているっていうのは、もうちょっと

視聴者の方にも分かりやすく見せた方が良くて。杉田さんの主張を聞きたいんですよ。

何をどういう風に変えたいのか」

 

 

田原「杉田さんね、国民がみんな勝手に小旗を振ってるからね、国民は天皇をとても尊敬し、

天皇を信頼しているわけですよ」

 

 

杉田「それはそうだと思いますが」

 

 

三浦「でも他の点はどうですか?」

 

 

杉田「例えばですね、国事行為にしても、この間の国会の開会式もそうですが、マスコミなんかの

取り上げ方も、まだまだ全然少ないと思いますし。国民と共にあるのであれば、

例えば任命式とか、そういったところも、しっかりと。憲法に規定されているような

国事行為については、もっとたくさん国民の前に、しっかりと見せるべきだと思うんです」

 

 

青木「マスコミが報じろってことなんですか?」

 

 

萩谷「今の杉田さんの皇室典範と憲法を同列に扱えというのは、現在の法体系、

憲法を頂点とする法体系を全く変えるということで、それにはマスコミが扱わないとか、

そういう理由ではとても変えられるものじゃないんですけど」

 

 

杉田「具体的にって訊かれたのでお答えしただけで。他の部分は、私は全く憲法を頂点とするというところを全く変えてもいいと思いますし。あとやはり、皇室典範の問題に対しては、GHQが支える仕組みを無くして兵糧攻めにして最終的には日本から皇室制度というものを無くそうというところが目標にあったっていうことも、今は明るみに出ている話なんですね。

そこまで立ち返って」

 

 

大塚「それが事実かどうかは別にして、青木さんがさっきおっしゃったこと、僕、

かなり重要だと思うんだけれども。この、いまの民主主義の日本において天皇制を象徴という位置づけで、『健全な』、ていう言い方は語弊があるかもしれませんが、継承を継続してゆくためには、ある程度、天皇、及び皇族に、自由度を認めてあげることが結果として、良い天皇制を」

 

 

竹田「全く違うと思う」

 

 

田原「これね、CMをはさんでね、小林さんの意見をね。小林さんはやっぱりね、

民主主義、デモクラシーと天皇制には、違和感がある、違いがある。

この違和感があるのは、あるいは大事かもしれない。

そこのところをCMをはさんで小林さんに聞きたい」

 

CM

 

 

小林「自由を認めてあげた方がいいっていうのは、わしは賛成なんですね。

ただ自由っていうものが果たしてどのような自由を欲しておられるのかっていうのが問題で、恐らくそれはイギリスのようにはならないだろうと、いう風に思うわけですよ。

天皇陛下の自由というよりも、主体性をどこまで認めるかっていう話なんだと思うんだけれども。

天皇陛下にご自由にやって下さいって言った場合にね、その結果として天皇陛下が見つけて答えを出したものが、象徴天皇制として国民とどのように切り結んでゆくかっていうフォームだったと思うんですよ。

これはまさに天皇陛下が選ばれた自由ですよ。

それともう一つは、これを若き皇太子が育ってきておられる、この息子さんに譲位して、どのように皇太子殿下が次の代を作ってゆくのか、それを見たいっていう思いがある。

自分の歳を、年齢を越えてしまった。同じ天皇の即位の期間を、持たせてあげたいと。

どのような日本を作るのか、どのような天皇になるのか、っていうのを自分は退いて見たいと、こういう自由を与えて上げたっていいんじゃないですか?」

 

 

田原「どうです?八木さん、その辺は?」

 

 

八木まあ、そこは良く分かりますけどね。私は気持ちは、そこは同じなんですけれども。

今の憲法も皇室典範も、生前での退位を制度としては認めてませんから、認めてないというか、

積極的に排除しているわけですね。ですからそこに新たにですね、生前の退位、譲位を可能にする

ということになってくると、まあちょっとこう・・・大変な」

 

 

高森「さっき八木先生がおっしゃったように、明治の典範でも、今の典範でも、意図的に、譲位の可能性は排除したわけです。それに対して、それでは象徴天皇の役割を果たすことはできないと。

要するに、象徴であるだけでは駄目で、国民統合の役割を果たしてこそ象徴天皇だと、いう天皇像をはっきり自己規定されて、それを実践してこられて、そしてその、結果も現れているんですね。

だからご自身、自信もあると思うんです。正しかったと。

それを完成させるために生前退位を切り出しておられる。

それともう一つ言いたいのはですね、自主性、かなり主体性を発揮してこられています。

先ほどから宮中祭祀の話が出てて、これ私的行為って言っていますけれども、

これは専門家は御存じだと思いますけれども、いま政府はですね、

私的行為という括りをしていませんで、国事行為と、公的行為と、

その他の行為と言っているんですね。

その他の行為の中に、私的色合いの濃いものと、公的色合いが濃いものと、様々ありますよと。

その中で宮中祭祀はですね、必ずしも私的とは言えないという位置付けで。

それで今、天皇陛下がですね、天皇としての務めとしておっしゃっている中身を見るとですね、

例えば今日、岩手県にお入りになっているわけです。

それで公的行為としてこれまで定着してきているのは、国体にお出ましになる。

ところがその前の2日位前から入られて、被災者の方々と触れ合っておられる。

これは今までいうところの、公的行為ですらないんですよ、言ってみれば。

その他の行為というべきものを、どんどん発掘してですね、そこに全力を投入してこられている」

 

 

田原「被災者と会うのは、公的行為じゃないんですか?」

 

 

高森「言ってしまえばそうなんですけど、今まで公的行為として定着していない、

その他の行為になるかもしれない。要するに公的行為として定着しているですね、

地方行幸に付随したものを、付け加えておられるんですよ。

その面で、天皇陛下がやられておられることは、国事行為を憲法通りやりますよと。

そして昭和の時代から受け継いできた公的行為もやりますよと。

しかし、それだけで象徴天皇が務まりますかというところで、実は補ってこられて。

それでさっきおっしゃった宮中祭祀が増えているというのはですね、毎月1日に旬祭というのが

ありまして、それに必ずしも、天皇陛下が毎回、出ておられるわけじゃない。

あるいは明治天皇なんかは欠席もいっぱいあるんです、新嘗祭を欠席されたりとかですね。

そういうのも洩れなくやられる。

それから2年前でしたか、昭憲皇太后、要するに明治天皇の皇后ですね、昭憲皇后が亡くなって

100年の節目だった。これ本当はですね、昭憲皇太后であれば100年式年祭というのは、

やる必要はないし、そのようなルールはないのに、天皇の気持ちでそれを加えたんです」

 

 

竹田「それほど真面目にやっていらっしゃる方が今回お言葉で、譲位の御意向を滲ませられた。

でもそれは自由とか私のためではなくてあくまでも国民のため、国のためですよ。

だからそこで自由っていうところで語られると、ちょっと違和感があって。

何も天皇陛下は自分のことを考えているんじゃない。国民のため」

 

 

小林「自由で何を選ぶかっていうのは、人によって違うよ」

 

 

竹田「だから私はそれは、天皇陛下が自由だからって聞くと、多くの人は、陛下がご自分のための老後っていう風に。

自由っていう言葉を使うことに、ちょっと違和感がある」

 

 

大塚「竹田さんと八木先生のご意見をお伺いしたいんですが、実は前回ですね、譲位というのは

明治憲法下では、それを認めるとまた幕末のようなことが起きるかもしれないという、

まあ伊藤博文の考えですね。結局、終身天皇。譲位は認めないという風にしないと

また混乱が起きる。

それから今の皇室典範は新憲法の下ではですね、天皇の戦争責任論から、

退位の動きを加速させるかもしれないという、そういうその時々の歴史的背景があったから、

譲位を排除したというのが、この間、話に出たんですよ。

僕はそれは正しいというか、多分、史実だと思うんですけれども、

だとしたら、もうその当時と今は違いますから。譲位を排除する理由が無いんですよ」

 

 

竹田「そんなことない、ありますよ」

 

 

大塚「僕は無いと思う」

 

 

竹田「僕は特措法でいったら良いというのは、今の陛下が譲位なさることに関しては、

恐らくそういう問題は起きない。例えば天皇陛下が天皇を辞めたあと、

いきなり政治家に立候補する、多分ないですし。すでに表明済みだから、

何かのタイミングで政治的に圧力をかけることもない。だから特措法でOKだと。

ただこれを、制度にしてしまうと、例えば20年後、30年後、50年後、わかりませんよ。

皇室と内閣が対立することだってあるかもしれない。もしかしたら絶妙なタイミングで

特別な法案が提出された日に、いきなり天皇が譲位って言いだすかもしれない。

将来、ありえます」

 

 

青木「大塚さんがおっしゃった一世一代っていうものはね、八木さんや竹田さんが

そういうお考えなのかは僕は知りませんけれども、1つは皇室制度が、場合によってはね、

崩れるきっかけになるかもしれない。

譲位の自由を認めることは即位の拒否を認めることになりかねないっていう問題。

それは確かにあるんでしょう。

もう1つは、明治体制下におけるところの、ある種、天皇を装置にして、

神国日本みたいなものを作った。だから天皇は神聖にして侵すべからずっていうものが

一世一代っていうのと密接に結び付いているから、これはやっぱり

認めたくないんだっていう思いは、やっぱり一部の、特に政権もそうですけれど、

一部の層にはあるんじゃないですか?」

 

 

竹田「そもそも神聖にして侵すべからずっていうのは、そういう意味じゃなくて、

天皇に責任が及ばないようにするという意味ですから。

みんなで崇め奉れっていう意味じゃないですよ、完全にはき違えてますよ」

 

 

青木「だけどそれとイコールで、一世一代っていうものが存在するわけじゃないですか?」

 

 

八木むしろ伊藤博文の発想は機関説なんですよね」

 

 

青木「そうですよ」

 

 

八木そこに存在して欲しいと。歴史的な権威のある存在として天皇の地位について欲しい。

そこの働きの部分、務め、機能の部分は2次的というかですね、

だから終身の在位でいいということでもあるんですよ」

 

 

高森「ある意味では歴史のパラドックスというか、大日本帝国憲法下の天皇からですね、

統治権の総攬者であることをマイナスしたら、象徴が残ったわけですね。

残った象徴、GHQとしては引き算のつもりだったものがですね、その残った象徴に

今の陛下が全力投球された、全身全霊を傾けられた。

そのせいでですね、ものすごく天皇の存在感が巨大になり、

また皇室に対する求心力が高まったと。こういう現象だと思うんですよ」

 

 

三浦「そこに政治家が利用するという現象が生じていて、これはですね、

憲法学者の保守と政治家の保守が違うところなんですよ。政治家の保守というのは、

やはりですね、被災地に行って欲しい、自分の地元に入って欲しい、

自分が大事な産業だと思っているところにお顔を出して欲しいと。

そういう風にちゃんと利用してきてるんですね。天皇を利用するというのは、

日本のお国柄ですから。必ず消えることはない伝統なんですね。

他方で八木先生のような学者としてやっている方からすると、そこまでやらなくていいし、

あんまり天皇を政治利用し過ぎると問題だよという発言をされると思うんですよ。

ただそこでも保守的な国家観として天皇を機関として利用してることも確かなんですね。

そこにいてもらうだけで。

例えば摂政がついてて、本当に重病に侵されているような状況でも、

機関としていていただくことは、やはり個人に相当な責任を負わせていて、

自由を奪っているという部分があるわけですから。

そこで利用してるっていうのは、どの色合いによっても違いますけど、一緒なんですよね。

利用している限りは、やはり先ほどCMの前に高森先生がおっしゃった、

モチベーションっていうものを維持させなければいけない。維持させるためには、

ご本人としてのある程度の思想の自由というか、天皇制をめぐる、

象徴をめぐる思想の自由をある程度、受入れなきゃいけないんですよ」

 

 

高森「自己規定ね、自己規定ですね?」

 

 

三浦「そうそう」

 

 

竹田「思想は自由ですよ」

 

 

三浦「いや、そうじゃない。象徴をめぐる思想は、恐らく今上は、相当大きな象徴を信じておられるんです。その自由を多少、八木先生が認めてあげないと、それを受け入れると」

 

 

竹田「自由じゃないですか、いま。思想は自由ですよ。だから実際変わってきてるじゃないですか」

 

 

小林「女系を認めるとか、そういうことを含めての思想の自由なんだよ」

 

 

竹田「そこまで話してないじゃないですか」

 

 

小林「いや、それも思想なんだから」

 

 

三浦「そうですよ」

 

 

竹田「思想っていうのは、頭の中の話ですよ。憲法学上そうですよ」

 

 

小林「なに言ってるんだ」

 

 

平沢「天皇陛下を政治利用って言われましたけれど、やっぱり天皇陛下を

政治利用させないようにあるのが宮内庁なんですよ。宮内庁がしっかりしてれば。

ですから私はそんな政治利用なんていうのは、そういうのはあったかもしれないけれど、

今はほとんど出来ないと思いますよ」

 

 

高森「宮内庁の次長人事、これは大変問題が大きいんじゃないですか?」

 

 

田原「どういうことですか?」

 

 

高森「この前までね、バリバリの官邸の高級職員だった人間をですね、

いきなり宮内庁の次長に入れて、次は長官をですね、狙わせると。

これ明らかに官邸のコントロールの下にですね、皇室を置こうと。

だって宮内庁が皇室を直接、支える唯一の機関ですから」

 

 

小林「お言葉がもれてしまったことを、暴走だと思っているんですよ。安倍政権はね」

 

 

青木「あれは大体、平沢さんの後継だから、平沢さんがよく知ってる」

 

 

小林「玉音放送が政権の方は、暴走したと思っているわけ」

 

 

田原「政権は」

 

 

小林「そう、政権は。だから宮内庁に入り込んでコントロールしなければならないと、ていう風に思っているわけよ」

 

 

竹田「宮内庁は政府の機関ですよ」

 

 

小林「そのこと自体がおかしいんだけどね」

 

 

平沢「宮内庁は政府の一機関ですから、宮内庁長官とか次長っていうのは、もともとこれは政府の閣議の人事なんですよ」

 

 

田原「いま小林さんが言ったね、要するにこの間、8月8日に天皇がああいうことを言ったのは、

暴走だと。宮内庁の」

 

 

平沢「それは・・・」

 

 

小林「いや、そう思ってるんですよ」

 

 

平沢「誰がですか?」

 

 

小林「政権はそう思ってるんですよ。これ、何度も何度も話があったはずなんですよ、宮内庁から。

でも全部、拒否してきたはず」

 

 

八木宮内庁人事はですね、年来の課題だったんですよ。

宮内庁の次長から長官になるわけですけれども、次長人事がどこで決まっているのか、

政治家がさっぱり分からないと。内閣が分かないというので、つまり官僚たち、

旧内務省の官僚たちで人事を決めていて、政治が全くタッチ出来ないというのが

ずーっと続いててきて。だからある意味、高森さんのおっしゃっているのも

問題なのかもしれませんけれど、ある意味、画期的な人事なんです」

 

 

田原「ただね、小林さんのことで僕がリアリティがあると思うのは、例えば7月の13日、

NHKが午後7時のニュースで生前退位みたいなことを天皇が考えていると言ったら、

時の宮内庁の長官でしょ?」

 

 

小林「そう」

 

 

田原「そういうことは、有り得ないと言った。でもこれは嘘だよね。あった、実は。

ああいうNHKのニュースは、八木さん、どうとらえてる?」

 

 

八木その前に、5月か6月かに、宮内庁が一度、官邸に投げてますよね。

投げて、官邸からは摂政で如何ですかと、いう風に返してますね。

しかしそれでは陛下のお気持ちは収まらなかったと。ということでですね。

しかし、そういうやりとりがあったということを、宮内庁の長官は当然、

 

公言出来ないわけですから、その場では否定したと。まあしかし、それはリークで出てきたと」

 

 

萩谷「今回の宮内庁人事は、これから譲位の問題を検討に入ると。

そこからむしろ問題を広げないように監視と言っては何ですけれども、

そういう役割をするために送り込んだ人事ではないかなっていう気もするんですね」

 

 

平沢「いや、元々」

 

 

萩谷「例えば譲位から問題を広げないとすれば、皇位継承のことには触れるなということだと

思うんですけど、果たしてじゃあ、譲位は認めないと。それ以外の皇位継承については

触れるなとした場合に、どうやって皇位継承を永続的にしてゆくつもりなのかなと」

 

 

八木それは別途検討。別途検討なんです」

 

 

萩谷「別途検討として、先送りして良い状況なのかっていうことを」

 

 

竹田「だからまずは陛下が30年までにと」

 

 

田原「この辺で前回にやり残したことをやりたいんですが。前回、つまり生前退位は良いと。

今は天皇は皇室の男子だけれども、女性天皇というのを認めるのかどうかという話。

あるいは女系天皇をどうするかっていうことで、非常に話が盛り上がって、

ケリがつかなかった。改めて聞きたい。女性天皇を認めるかどうかは、萩谷さんはどうですか?」

 

 

萩谷「私は、女性も女系も認めるべきだと思います。認めざるを得ないところに

来ているんだろうと思いますし。それを男系男子で繋がっているというのは、

万世一系と言うんだと思いますが、万世一系=男系男子ではないと思うんです。

そこの中に天皇の血統を継続してゆくということを重要視するのであれば、

別にそれは女性であっても繋げてゆけるだろうと」

 

 

田原「杉田さん、如何ですか?」

 

 

杉田「私は男系継承というものは、今までずっと続いてきたわけで、ちゃんと尊重するべきだと

思っておりまして、このまま続けるべきだと思っております。その理由といたしまして、

その男系継承というのは、実はよく女性差別だと。この間も国連の差別撤廃委員会で

述べられたというような問題もあるんですけれど女性差別だと言われるんですが、

実はこれは男性を排除してきたのであって女性差別ではない。結局、日本女性は

誰でもプリンセスにはなれるんですよ。だけれども、男性は皇室に入ることは出来ないわけですね」

 

 

田原「男性を排除してきた」

 

 

杉田「はい。これは何かというと、私は男性の本能的野心を食い止める歯止めだったんじゃないか

という風に思っています。男性はね、よく聞くのは本能的に自分の種を

子々孫々残したいっていうような方、沢山いらっしゃいますけど、

女性でそういうこと言う方、いらっしゃらないですよね」

 

 

田原「本当かねえ☆」

 

 

杉田「そこはでも私は、男性と女性の違いだと思っています。これは本当に本能的な違いだと

思っていまして、渡部昇一先生なんかは、男性は種で女性は畑だとおっしゃるんですけれども。

それは渡部昇一先生だけがおっしゃっているんじゃなくて、江戸時代の子供向けの

図鑑の中にそういう人体とかを、男性と女性の違いを図解した中にも、

そういった記載がちゃんとあるんですね」

 

 

小林「あのね、種子ってね、種子の中にね、雄しべと雌しべが入ってるんだよ。

そもそもそこで受粉されてるんだよ。畑は関係ないんだよ」

 

 

杉田「結局は、そういう自分の種を残したいという男性の願望とか本能を上手く排除した。

例えば蘇我氏とか、藤原氏なんかも、娘を皇后にすることはできたけれども、

自分の種を皇室の中に入れることは出来なかったわけです。これ結局、

何が機能してきたかというと、日本で、この2676年の永きに渡り、

革命が起こっていないということなんですね。

男性の野心を排除したということは、それが即ち、これだけ永く国家が続いているということで

今まで革命が起こらなかったということは、ここに起因することだと思います」

 

 

田原「今の杉田さんの、要するに男性の野心を排除したことが

日本が続いた原因であるということについての議論をCMをはさんで大塚さんからいこう」

 

CM

 

 

田原「はい、大塚さん」

 

 

大塚「杉田さんのおっしゃったことは、科学的根拠は無いので、私は敢えて反論はしません」

 

 

杉田「反論して下さい」

 

 

大塚「敢えて反論はしないっていうのは、科学的根拠がないから、荒唐無稽かもしれないっていうことを言ってるわけです。それよりも」

 

 

田原「反論する価値がない?」

 

 

大塚「いや。それよりも、やっぱり視聴者の皆さんにご理解いただくために、

今日いらっしゃる皆さんには釈迦に説法ですけれども、直系と傍系、嫡系と庶系、

この違いをご理解頂いた上で意見を言いたいんですけれども。

直系はまさしく、おじいさん、要するに天皇、皇太子、皇太孫という、この流れですね。

傍系というのは、叔父さんとか、そっちの方にいく、まあ今回で言えば」

 

 

竹田「弟とかね」

 

 

大塚「そうですね、そういう方にいく話ですね」

 

 

高森「秋篠宮殿下ですね」

 

 

大塚「そうですね。で、嫡系と庶系というのは、嫡男の嫡系ですから、まさしく、

いまの今上天皇と皇太子様の関係です。ところが庶系っていうのは、

正妻ではないところに生まれているお子さんたちのことなので。今日は前段でね、昔のような」

 

 

田原「側室」

 

 

大塚「側室とかね、そういうのは難しいと。浮気とかいう話も出ましたけれども。

そういう時代ではないという話が出ました」

 

 

高森「ちょっと浮気とは違いますよ」

 

 

田原「側室はね」

 

 

大塚「はい。日本の天皇家の124回の皇位継承のうち、実は55回は庶系なんですよ。

だからつまり正妻じゃない側室にできたお子さんたちで継承されてると。

それをもう認められる時代ではないという前提に立つと、

これは庶系のお子さんたちも継承できるということで、脈々と皇位が継続していたのが、

やっぱり時代に合わないとなれば、やはり、女性、女系天皇を認めるという方向で

天皇家を継承してゆくという方が、私は合理的だと思います」

 

 

竹田「それは途絶えたときの話でしょ?」

 

 

小林「男尊女卑なんですよ。男尊女卑っていうのは、男を排除するとかいう話じゃないの。

つまりね、皇族になられた女性にね、必ず子供を産めと。ね?出来ればなるべく多く産めと。

しかもなおかつ、男子でないといかんぞと。こんなね、プレッシャーを与えるってこと自体が男尊女卑だって言ってるんだよ。

これは本当は女の人から言って欲しかった」

 

 

竹田「だから宮家が増えれば」

 

 

小林「こんな馬鹿馬鹿しい話はない。全くの男尊女卑なんですね。子供を身ごもるってこと自体だって奇跡的なことですよ。

それがね、ちゃんと妊婦の期間を経てね、安定期に入る前にスクープされてしまったりすると、雅子様みたいに流産してしまったりするわけですよ」

 

 

竹田「今はご懐妊の可能性のある女性皇族は少ないですから、1人にその期待は集中しますが、それなりの宮家があれば、それは分散するわけですよ」

 

 

小林「(竹田さんを指して)よーし!来たな!だったら言おう。

ちょっと平沢さん、先月言われたね、民間人からね、赤ちゃんのうちに、とにかく強制連行してくると」

 

 

竹田「いや、赤ちゃんも可能だと言っただけで」

 

 

小林「養子ってね、双方の関係性がないと成り立たないんだよ?」

 

 

田原「話がよく分かんない。平沢さん、分かる?」

 

 

平沢「ちょっと良くわからないですけど、要するに養子のことでしょ?いま日本の皇室典範は

養子を禁止してるけども、要するにGHQが11宮家を廃止しましたですね。それで結局

皇位の安定的継承が非常にしにくくなったと。いまのご皇族の方の中で、男性の方は、

悠仁様までは大丈夫だろうけど、その後は全然、保障がないわけです。悠仁様がもし

女のお子さんだけだったら、もうこれで皇統は途絶える可能性が大きいわけです。

そのため、安定的な継承のためにどうしたらいいかってことなんで、それはやっぱり

小泉内閣のときに、2005年のときに、報告書を出して、女系天皇とか女性天皇とか、色々」

 

 

田原「まず女系の前にね、愛子様が天皇になることは駄目なの?」

 

 

平沢「これはですから、女性天皇ですから、歴史的には今までも8人の方がおられたわけで。

ですからあるんですけれども、愛子様がもし、男のお子さんをお産みになられて、

その男のお子様が天皇陛下になられると、女系天皇になっちゃうんです。

そうすると125代の中では違うからっていう意見も、かなり強いわけですよ。

125代の天皇の歴史の中では、今まで無かったこと」

 

 

田原「愛子様が天皇になると、結婚できないと」

 

 

平沢「結婚されてもね、男のお子さんをお産みになられるのはいいんですけど、天皇陛下にはなれない」

 

 

大塚「ただ平沢先生、私の理解が正しければ、あのイギリスですら、またデンマークもそうですけれど、男子優先から、長子優先に変わってるはずなんですよね、つい最近」

 

 

平沢「だから何度も言うように、歴史伝統が違うからね、要するに日本の国民がこういう方向で

まとまるかどうかなんです。やっぱり天皇制ですから、国民の皆さんの9割、できれば100%

近い、合意が得られる必要があるわけで。それが得られるかなんです」

 

 

小林「養子をね、じゃあ三笠宮様のところが養子を受け取ってくれるの?

高円宮様のところが受け取ってくれるの?常陸宮様のところが受け取ってくれるの?」

 

 

平沢「それはあの・・・」

 

 

竹田「それは僕が言った話なんだから」

 

 

小林「何処が受け取ってくれるの?じゃあ何処が受け取ってくれるの、言ってごらん」

 

 

竹田「まずね、何処が受け取ってくれるというよりも、今、赤ちゃんって言いましたけれど、僕、赤ちゃんじゃないといけないって言ってないんですよ。

養子というのは赤ちゃんもあるし子供もあるし、成人した大人もあれば、結婚を伴う入り婿っていう形もある、夫婦養子だってある。

これは民法で全部、あるんですよ」

 

 

小林「赤ちゃんでいいんです、赤ちゃんでいいんですって何べんも言ったからね」

 

 

萩谷「この間、赤ちゃんを持ってくればいいんですっていうのは、ちょっと奇異な思いしましたけどでも、さすが竹田さんだなって思いました。

やっぱり天皇というのは、尊敬されるというのは一般庶民と天皇というのは、明らかな差別化がある。

そこは全く違う存在であって、生まれも育ちも庶民とは違うからこそ、尊敬を集めるんであって。

例えば竹田さんのお歳で、一般庶民として育って皇室に入ったとしても、

(竹田さんを指して)やっぱりちょっと世俗的過ぎて、尊敬を集めないだろう。

だから、赤ちゃんだったら育ちも、そういう意味で、さすがに内実は分かっていらっしゃるんだなと☆」

 

 

竹田「赤ちゃんじゃないと駄目とは言ってないんです。赤ちゃんは良い面もあるんですよ。

普通に考えたら可哀想とか言うじゃないですか。でもね、本人の意思が

どうのこうのと言うんだったら、赤ちゃんだったら本人の意思はないじゃないですか」

 

 

萩谷「赤ちゃんじゃなきゃ駄目だと言ってないというのは、私ちょっと・・・」

 

 

竹田「赤ちゃんで入ると、皇族として生まれたのと似たような環境なんですよね」

 

 

小林「赤ちゃんか夫婦養子だろう?それを何処が受け取るのかって言ってるわけ。リアリティで考えてよ」

 

 

竹田「だから、もうすでに途絶える宮家がたくさんあるじゃないですか。

そこのご当主が途絶えさせるのか、もしくは旧皇族から養子を取ることによって

自分の宮家を存続させたいと思うのか。まずは養子を取る側が誰がいいかを選ぶわけですね」

 

 

大塚「小林さんね、何処が引き取るのかという問題もさることながら、

これ視聴者の皆さんにも事実としてご理解いただかなくちゃいけないのは、宮家からですね、

遡って先祖が一緒の天皇候補を連れてくるというのはですね、古くは第26代の継体天皇。

これが10親等離れていたっていうのが最大なんです。

竹田さんがおっしゃっている11宮家というのは、釈迦に説法ですけれども、

祖先が何処で一緒になっているかというと、600年前の伏見宮なんですね。

そうすると何親等離れているかって言ったら、私が調べた限りでは35親等から37親等。

だからちょっと無理がある」

 

 

竹田「いや、無理じゃないですよ」

 

 

八木10親等が良くて37親等が駄目だというのは、ちょっと分かりません。

100親等でもいいっていうのが、井上毅の見解です」

 

 

竹田「個人的な見解だっていうだけの話ですよ」

 

 

大塚「勿論そうです、個人的な見解」

 

 

竹田「無理はない。だって言っときますけど、終戦のときにですね、

私の祖父は皇族だったわけですよ」

 

 

高森「祖父が」

 

 

竹田「伝統的にも、法律的にも、正真正銘の皇位継承権を持っていたんですね。

皇位継承権を持っていること自体、おかしいっていうんですか?」

 

 

大塚「そんなことないですよ」

 

 

竹田「じゃあ、いいじゃないですか」

 

 

大塚「その時はですね。でも事実関係を申し上げた」

 

 

高森「継体天皇っていうのはですね、応神天皇の五世の孫ということですけれども、当時も実は

王として推されていたんですよ。これは和歌山県の隅田八幡神社に伝わっている

人物画像鏡にですね実は男大迹王(をほどのおおきみ)っていう名前が出てきて、

王、すなわち皇族であるという認識のもとに社会生活を送っておられた。

その方が皇位を継いだわけですから、今の議論と全くレベルが違う」

 

 

小林「でもそのレベルの継体天皇だって、19年間、大和に入れなかったんだよ」

 

 

竹田「それで?それは当時の政治勢力の問題ですよ」

 

 

田原「旧皇族を民間人にしたのは、これはGHQですよね?無理やりにされたんだよね?

じゃあ復活したっていいじゃない」

 

 

竹田「と思います。たかが70年の話ですよ」

 

 

高森「これですね、昭和29年の段階で神道思想家の葦津珍彦先生という方がおられて、

バリバリの保守ですよね、その方が29年の段階で、君臣の分儀をおろそかにする、

国民と皇室の違いを無きものにするから、22年に皇籍離脱した人は7年後で、

もう駄目だと、おっしゃってるわけです」

 

 

八木それはですね、まだ三笠宮系の男性皇族がたくさんおられて、葦津さんはそういうことも

言ってますけれども、男系継承っていうのを、その前に持ってきてるわけですよ。

男系継承があって、皇室のサイズが大きかったので、君臣の別というのは大事だと」

 

 

高森「そのとき議論してたのは、側室を復活しろって議論をしてたんです、男系を守れと。

そのためには側室を復活するしかないと。29年当時は議論があった」

 

 

田原「でも復活出来っこない」

 

 

高森「だから昭和29年当時です」

 

 

竹田「だからこそ側室が現実的ではないので、それなりの一定数の宮家を確保することによって

備えることが出来る。ちょっとそれ、見てもらいたいんですけど(『皇位継承順』を指して)

ずっと女の子ばかりですよね。いま、少子化少子化って言いますけれど、皇室には少子化は

起きてません。何で継承者がいないかっていうと、9人連続で女の子だったわけですよ。

紀宮殿下からずーっと愛子内親王殿下まで。

9人連続で女の子の可能性っていうのは512分の1なんですよ」

 

 

高森「でも起こった」

 

 

竹田「だから恐らく、もう起きないんですね」

 

 

高森「いやいや☆」

 

 

竹田「512回に1回しか起きない。カジノに行って、9回当たるってことですよ。

少子化が起きてるんじゃなくて、今回、生れたじゃないですか、男の子が」

 

 

三浦「竹田さんの意見を聞いてると、いまのところ宮家の復活っていうのを切り離して考えると

やはり雅子様がおかれた環境というのが、恐らくまたそういう人身御供が生じるんです。

ずーっと縛りつけられて、不妊治療なんかもしなければいけないかもしれないんですよ。

そんなところにですよ、例えばバリバリの保守である杉田さんもですよ、もしそのような

立場に立って皇室で、直系男子が1人しかいないところにお嫁に行って、自分が子供を

産めるかどうかも分からないのに、産む確信を持ってお嫁入りする人っています?

私無理です」

 

 

高森「男子が生れなければ、返せって言ってるわけでしょ」

 

 

萩谷「いま考えれば、生殖補助医療が非常に発達していて、現在でも精子提供や、これは

恐れ多いことですけれども。不妊治療もその一環ですけれども、代理懐胎というようなことも

出来るようになっています。いま悠仁様がいるので、あと5、60年、例えば病気だとか事故の

リスクを排除すれば、男性が天皇に就くことはできるでしょう。その頃には生殖補助医療は

非常に発達していて、男系の、天皇の精子を残すということであれば、恐らく医療技術で

残せるだろう。だからそういう意味では心配はないのかもしれませんけれども、そこまでして

男系男子にこだわって、天皇にするということが、国民が受け入れるというところが」

 

 

竹田「受け入れるとか、受け入れないじゃなくて、ずーっと男系継承なんですよ」

 

 

萩谷「いま一番重要なのは、憲法上、国民の総意じゃないですか」

 

 

田原「竹田さん、僕は詳しいことは知らなくて素人だけどね、やっぱり藤原氏の時代からね、

摂政関白、太政大臣、征夷大将軍、全部、男じゃない。女はいないんだよね。つまり

女を全て排除してきた歴史なんですよ。だからやっぱり女系の天皇は排除なんで、この歴史は

間違った歴史なんだよ」

 

 

八木皇室全体を否定することになりますよ」

 

 

田原「僕はそう思う。つまりね、今ね、もう時代が変わったんだから」

 

 

八木男系で継承されてきたからこそ、いま天皇陛下がおられるんですよ」

 

 

田原「だけど、今はいいんだけど、時代は変わったの。ごく最近までね、女性は

総合職では就職出来なかったんだよ」

 

 

小林「そうそう」

 

 

田原「それが総合職で就職できるようになったの。それから男女雇用平等法になったんですよ。

第一、男女同権になったのは戦後なんですよ。時代が変わったんですよ」

 

 

竹田「いま摂政、関白、太政大臣、征夷大将軍って、これ権力闘争の場ですよね」

 

 

小林「あのね、そんなこと言ったってね、安倍政権は自衛隊に行ったってね、男女同権じゃないと、

女性の活躍は自衛隊の中でされていないと、説教しているんだよ。ヒラリーに会ったときは、

女性活躍の時代っていう我々のポリシーをヒラリーさん認めてくれてありがとうございますなんて

言ってるわけよ。ところが、皇室だけは女性は活躍できませんからねと言うわけ?」

 

 

竹田「それに関してはですね、私は女性蔑視とは思わないです。

仮に百歩譲って女性が天皇になれないのは蔑視だとしましょうか?

憲法には確かに男女同権も書いてある。でも皇室のことも書いてあるわけで、

憲法の中で矛盾があった場合は、これは憲法の中で予定されたものなんですよ。

憲法の中に矛盾があるからといって、どっちかを直せということにはなんないんですね。

原則があるということは、例外がある。男女同権は原則。でも例外ですよ、それは」

 

 

高森「違憲という議論をしてるんじゃないんですね、今はね」

 

 

八木時代が変わったから、皇室典範を直すと?」

 

 

小林「当たり前じゃない。だって伝統っていうものはドグマじゃないから。

伝統っていうのは変わるんですよ、そもそもが」

 

 

八木これは継承の原理なんですよ。原理なんですよ、原理。

原理が変わると対象が変わってくるんですよ」

 

 

小林「日本の国は原理主義ではないんです」

 

 

八木いや、原理主義という意味での原理と言っているんじゃなくて、

ずーっと男系で継承されてきたからこそ、今の皇室が存在するんですよ」

 

 

小林「男系の継承もされていないんですよ、実は。女系もいろいろ入っているんですよ、そもそもが」

 

 

八木そんなことはないですよ、一貫して男系ですよ。女系とも読めるという位のことですよ」

(第43代 元明天皇(女帝 平城京遷都)→第44代 元正天皇(女帝 元明天皇の内親王))

 

 

田原「青木さん、こういう話は興味ないかもしれないけれど☆」

 

 

青木「あのー、まあ今回の天皇のメッセージっていうのはね、

『安定的に継承してゆくことを、ひとえに念じる』という言葉があるわけですよね。

田原さんが言った通り、時代が変わった、男女同権とかいう問題以前にね、

女性に選挙権が与えられたのは戦後ですよね。

つまり、やっぱりこの70年っていうのは、天皇制も勿論だけれども、

まあ万世一系の天皇制の歴史も勿論だけれども、ものすごく変わったわけですよね。

日本も変わったし、世界も変わったし。そりゃ逆戻りしようっていう動きも

あることはあるんだけれども。

しかし、女系天皇、女性天皇を認めないっていう論理が、今お話しを聞いていて

(八木さんと竹田さんを指して)お気持ちは分かりますよ」

 

 

竹田「分かってないね」

 

 

青木「分かってないならいいですけれども、だけどその論理は、多分通じないと思いますよ」

 

 

竹田「あなたに通じないだけで。だって現に今、ずっと男系で続いてきてるんです」

 

 

小林「だから男系で続くためには女性を、奴隷扱いしなければならないっていう現実があるだろう!

必ず男を産めと、いう現実があるだろうが!」

 

 

竹田「複数の皇室があれば大丈夫です」

 

 

三浦「気持ち悪いと思ったら民間の心が離れるんですよ。世の中ね、半分女性で出来てるんですよ。

ここでね、寝室のことをぐちゃぐちゃ話してね、強制的に子供を産めとか言ったらね、

私の世代の女性は」

 

 

竹田「そんなこと誰も言ってない。誰が言いました?」

 

 

杉田「そういう話ではないと思いますよ」

 

 

三浦「でもね、寝室のことを議論する、ていうのは、別に日本に始まった話ではなくて、

フランスでは王による生殖行為というのは、公開の場でね、公開されてたんですよ」

 

 

竹田「フランスとは背景が丸っきり違うんですよ」

 

 

三浦「だから貴種存続というのは、たとえ日本の方が歴史が長いとしても

貴重な種を存続させるということの困難っていうのは大変なものなんですよ。

昔は王妃の他にも側室がいたかもしれない。

いま、1人しか妻を娶れないということになると。物凄く気持ち悪い議論が展開して、

もうね・・・本当に私、ちょっと女性の権利訴えようかなと思って来たんだけど、

途中からもう気持ち悪くなっちゃて、吐きそうになっちゃったんです」

 

 

田原「ここでCMですが、CMをあけて、視聴者から相当来てると思うんで、そこからいきます」

 

CM

 

 

「ここで皆さんから寄せられたご意見をご紹介します。

『女性天皇に賛成ですか?反対ですか?』という質問に対して、まず賛成の声からご紹介します。

ツイッターのご意見で大阪府の62歳の男性。

『女性天皇に賛成です。象徴天皇となっている今、政治利用されることもないでしょうし、

男女同権を社会広くに根付かせることにも繋がると思います。ちなみに黒田清子さんのように

民間人に嫁がれても皇籍は残して宮家を興されるべきと考えます』

続いてツイッターのご意見で47歳の女性です。

『女性天皇に賛成です。理由は昔、卑弥呼は女性だった。世の中は男女平等になっているのに

皇室だけ男性とはナンセンスだと思います。皇室典範も時代に合わせるべきです』

 

続いてもツイッターのご意見です。

『女性天皇に賛成。女性の社会進出が進む中で、女性だから天皇が出来ないということは

男女差別になるのではないでしょうか?生前退位も女性天皇もこれからの

新しい日本の時代に向けて新しい風が吹くことは必要不可欠だと思う。

また違憲だの何だの言っている専門家や議員だけでなく世間の声をもっと聴いて欲しい』

続いてはお電話での意見です。香川県の無職の38歳の男性です。

『女性天皇に賛成。男性だけでなく女性にも活躍して欲しいから』

続いて賛成のご意見、ツイッターからです。

『女性天皇も認めてもいいけれども、イギリスのように辞退や皇位継承権放棄が

出来るようにした方がいいと思う。前回、今の若い娘に、天皇になる人と結婚する娘は

いないというような発言があったけれども、逆に今の男の方が

女性天皇になる人と結婚するという人はいないと思う』」

「続いて反対論です。女性天皇反対だという意見ですが、ツイッターの意見です。

『女性天皇は悠仁親王が即位されてから考えればいいこと。

その前に女性天皇を容認すれば、親王に失礼』

『女性天皇は女系天皇の始まりになりかねないから、絶対反対。女系天皇が認められていたら、

天皇家はとっくの昔に藤原家とか豊臣家とかに乗っ取られ、歴史の彼方に埋もれていたと思う』

『国の象徴、国事行為を行う上で女性だと弱く見える。伝統を尊重して欲しい』

『日本独自のものであるから』『現時点でふさわしい女性がいない』

『女性天皇反対。今、時代は女性の活躍、女性都知事や、もしかしたら女性大統領になるかも

しれないと世界の流れとして女性の力や活躍が目立ってきてはいますが、

天皇になるということは比べてはならないくらいの問題の違いがある』という意見」

「続いては、様々なご意見も寄せられていますので、ご紹介してゆきます。

ツイッターのものなんですが 

『男系の女性天皇は認めるけれども、女系天皇は認めない。

長い歴史を通じて受け継がれてきた男系をあくまでも維持するべき。

女系天皇を容認してまで天皇制を続ける必要はない』

続いてのご意見は電話です。北海道の67歳の男性、エンジニアの方です。

『女性天皇に賛成か反対かは、国民に投票してもらえば良い。

憲法学者が話し合っているだけでは駄目だ』

続いてはツィッターのご意見です。

『初めてこの話題に関心を持った。天皇というものは、これまでの人生で

会話に出たこともなく、正直、天皇というものは日本の象徴だという理解しかない。

今回、初めて天皇の言葉を聞いた。私のような人間には聞いたことのない、

生の天皇のお言葉は尊重したいと思った』

続いてもツイッターのご意見です。

『生前退位などの議論以前に、天皇が必要か否かを議論すべき。

実は天皇の伝統文化ではなく、その時々に、様々な形で利用された受動的な存在で

権威を纏った張りぼてみたいなもの。よって天皇を温存することは、

将来、再び天皇が政治利用されて国民の幸福と安全が脅かされる危険性を持つ』」

「小林よしのりさんに質問が来ているので、ちょっとお答えいただきたいんですが、

大阪の24歳の会社員の方からの質問ですが

『小林さんが「天皇論」を書いた頃と今、天皇に対する考えは変わっているのか聞きたい』」

 

 

小林「変わっていますね。それはやっぱり、こういうことがありますよ。

まず、わしは今の天皇陛下が即位される時っていうのはね、わしの描いた

『おぼっちゃまくん』が、このテレビ朝日でアニメ化される年なんですよ。

その時は本当に自分のテレビアニメが始まるかどうかの方が心配でしたよ。

自粛ムードがあまりにも強くてね、果たしてそんな時に、わしのギャグ漫画なんかが

本当に放送されるのだろうかっていうくらいの感覚しかなかった。そっちの方が心配だった。

それが徐々に、やっぱり天皇陛下の積み重ねていかれる人徳を見て、徐々に変化していくのね。

尊敬心みたいなものまで持てるようになったのは、この方の人徳のおかげだっていう風に

考えたわけ。

決してね、最初から血脈で男系のみだと、どこかに鎮座ましておられれば、

それでいいとかね、御簾の奥におられればいいとかっていう風な段階だと、わしはね、

そういう天皇陛下に対して、敬愛の念も何も持たなかっただろうね。

やっぱり変化してゆくんですよ、どんどん」

 

 

高森「『天皇は天皇、わしはわし』っていうね」

 

 

小林「そうそう。そこから始まったわけだから。だからホリエモンなんかが

全く天皇に関心を持ってないという様子を見たら、わしは本当によくわかる、その気持ちは。

それはね、変化してゆくの、ずーっと見ながらね。だから天皇陛下の人生そのものを賭けて、

国民の一人である小林よしのりの考え方を変えてしまったのよ。

だから次の皇太子殿下がどのようなことになるのかとかね、あるいは上皇となられた

天皇陛下が今後どのような行動をされるのか、それによってもまた、

わしは変わってゆくかもしれない。時代と共に徐々に変わっていってしまいますよ。

だからどこか一定のところで決められるというものじゃないんですよ、

天皇陛下の人生をどう評価するかっていうのは。

だから公務をずっとやってこられた天皇陛下の人生そのものを否定するような、

そういう特別立法なり、有識者会議の結果がそういうものになったら、本当に気の毒だと思う。

わしは天皇が神とか、現人神とか、そんな風に思っているわけじゃないからね。

人であって、人徳であると思っている。例えば八木さんなんかは、

天皇の資格は能力じゃないって言いますよね?」

 

 

八木(肯く)」

 

 

小林「天皇陛下だって最初から人徳を示すことは出来ませんよ。人生を賭けて示すんだから。

ね?それによって変わってゆくわけ、国民の側も。っていうことがあるわけだから、

一緒に変わってゆくんですよ」

 

 

竹田「小林さんも『天皇論』の1でですね、『人格は天皇の即位の資格ではない』と

明記されているじゃないですか。じゃあ何なのかというと万世一系だと。

脈々と継承されてきたものだというとこですよね。

多分、天皇の尊さというのは、色んな人、色んな思いだと思うんですよ。

天皇の人格関係なしに、歴史がこうだから尊重するという人もいれば、

陛下の御姿を見て、ああ素晴らしいなあと思う人もいる。

色々な理由があると思うんですね。その中で核を見たときに、

天皇って何なんだといったときに、人格という人もいると思うし、血統だと思う人もいる。

今、小林さんはどういう風に考えていらしゃいます?」

 

 

小林「まず、わしは吉田松陰の言った万葉一統とかね、帯状の家系図の中で

色々と繋がってきたという部分から、細い一本の糸で繋がってきたという風ではないと思っているわけね。

それから、血統としては勿論、血統原理というものがなければ天皇制というのは存在してないからね、これは有り得ないです。

けれども、男系とか女系とかいうものは、伝統ではないという風に思っている。

そういうものを固定する必要はないと思っています。それはやっぱり、

時代によって少しずつ変化していったとしても、エートス、魂の部分は残る。

これが本来のもので、何でもそうでしょ?

例えば老舗のお店とか、あるいは歌舞伎とかいったって、時代に合わせて

どんどん変化してゆきますよね?そうやらないと残らないからなんですよね。

歌舞伎だって猿之助がスーパー歌舞伎やったりね、勘九郎が浅草で

下町のあたりに小屋作ってやったり、そういうことを常に常に繰り返していっているよね、

ワンピースをやったりとかしてますよ。そうやっても核として残るものがある。

これが伝統であって、伝統っていうのは、ある意味、バランス感覚なんですよ」

 

 

竹田「そうすると、その伝統の中でも、変えていいものと変えちゃいけないものの

判断基準が多分違うんですよね。絶対、男系じゃないと駄目だっていう人と、

いや、男系は変えてもいいと言う人。変えちゃいけないものとの境の問題だと思うんですよ」

 

 

小林「ここでもう1つ問題があるんですよ。つまりね、それを一体、誰が決めるのかって言ったときに、要するに相対的になって、みんな考え方が違ってきますね?

だから皇后陛下がおっしゃったことがありましたよ。

つまり、この伝統の変化っていうものを変える資格があるのは、御一人、天皇陛下だけですと。

我々家族は全然、これにタッチすることは出来ないんです、ていうことを

皇后陛下はおっしゃいました。あれが正しいと思うんですよ。

この天皇制というものに関しては、やはり皇位を継承する方、天皇陛下、あるいは皇太子殿下、

このあたりの会議で変えてゆくっていうことになるんですよ。それを我々国民が、

忖度し、拝聴し、それで政府として機能して天皇陛下の御意向をそのまま実現しようとすれば、

それで伝統っていうのは繋がってゆくんですよ」

 

 

竹田「少なくとも天皇陛下が、男系か女系かなんていうのを明言なさったことはないじゃないですか」

 

 

小林「またそれを言うか」

 

 

高森「その変化の尺度を測れるのは皇位継承に繋がる人たちだけだっていう」

 

 

小林「今までの政治に表されてきた色々なアプローチを見ればね、女性天皇も女系天皇も認められているっていうことは、本当に間違いないですよ」

 

 

竹田「それは小林さんのお考えで、私はそうは見ないですけども。

それは見解が違いますよ、それは」

 

 

田原「青木さん、青木さんは日本で天皇ってどういう存在だと思う?」

 

 

青木「どういう存在、難しいけれど」

 

 

田原「青木さんは、いてもいなくてもいいと言ってるんでしょ?」

 

 

青木「いや僕は、基本的にはね、さっき話が出た通り、ああいう形でね、人権をある種、奪われているという言い方をするのか、保留されている人っていうのは、僕は基本的にいるべきではないと思っているので。

だから僕は、言葉が適格かどうかは別として、解放してあげるべきだっていう意味でいうと、

天皇制っていうのは、あるべきではないと思っている。

ただね、いま僕、小林さんの話を聴いて、ちょっと一個だけ引っかかったのは、

天皇がこう言ったんだったら、その通りにしてあげればいいんだっていうのは、僕は、

ある種の危険性を孕んでいていてね、むしろ天皇を尊崇している人たちが

サボっているんだけれども、やっぱりね、皇室典範にきちんと書くべきですよ、

もし天皇制を維持するのであればですよ。例えば女系天皇はどうするのか、

あるいは生前退位の問題はどうするのかっていうことを国民的な議論をして」

 

 

小林「皇室典範に書くっていうのは、勿論のことなんですよ。ただね、

承招必謹っていう感覚が無かったら非常に危ないことが起こるんですよ。

それは何でかって言ったら、これは大御心じゃないって言えるわけですね。

つまりご聖断があったと、戦争は止めだと言ったって、いや、それは大御心じゃない、

これは宮内庁か何処かが陰謀を働いているんだとかね。

あるいは自分の大御心は、男系という血統だけだという風に言っているんですよ、

男系派っていうのはね。

今の天皇というのは器に過ぎないと。Y染色体、男系血脈を入れる器に過ぎないから、

だから個人としての天皇というのは何にも尊敬する必要はない。

大御心は血脈だという風に言っているでしょう?」

 

 

竹田「歴史的な器に大変尊敬出来る方が、今のっていらっしゃるわけですよ。

器に過ぎないなんて思ってませんよ」

 

 

小林「器の方が大事でしょ?」

 

 

竹田「いや両方大切ですよ」

 

 

小林「(竹田さんを指して)器の方が大事なんですよ。器というか、血脈の方が大事でしょ?」

 

 

八木器があってこそじゃないですか。小林さん、血統だって言われましたよね。

血統があって、その上でですね、今の天皇陛下のようにお務めを勤勉になさっていると。

そこに我々、心が響くわけじゃないですか、国民はその」

 

 

小林「誰でもいいってわけでもないでしょ、だから」

 

 

高森「今回の今上陛下のね、お言葉を拝すると、じゃあ何故血脈が血筋が尊く思われてきたのか。

何故、天照大神に由来すると、神武天皇以来と言われる、この血統が尊貴にして

神聖な血筋であるというコンセンサスが何故、国内に成り立ったのか。

そこをですね、もう一回問い返せということをおっしゃってると」

 

 

田原「ここをね、一番聞きたいの。実は打ち合わせでも言ったんだけど、

例えば日本の天下を獲ったね、源頼朝とか、あるいは足利尊氏とか、織田信長。

普通は天下を獲るってことは、天下一位になるわけね。

日本は天下を獲ると必ず、その上に大して力がない、金がない、勿論、軍隊も持っていない、

そういう天皇を上におく、必ず。これ何でしょうね?

これ竹田さん、何だと思う?血統じゃないと思うよ、きっと」

 

 

竹田「勿論、血統はあるんですよ」

 

 

田原「いや、あるけど、源頼朝やね、織田信長がね、天皇の血統を重んじてね、上においたとは思えない」

 

 

竹田「これはやはりですね、天皇が国民の幸せを祈るという」

 

 

田原「国民なんか、どうでもいいんだよ」

 

 

竹田「いや、そういう天皇のお考えというのは、みんなのためのものだって、

これを否定する人はいないわけですよ。みんなが幸せであって欲しいという

日々の祈りがあるわけですから」

 

 

田原「そんなこと、織田信長が考えてるわけない」

 

 

竹田「みんなが尊敬してるから、それを潰したらですね」

 

 

田原「みんながって、国民は天皇なんて知らないでしょ」

 

 

竹田「知ってますよ」

 

 

田原「知ってません、知ってません」

 

 

竹田「よくそれ言われるんですけれど、例えば江戸時代に天皇・・・」

 

 

田原「江戸時代は知っててもね、戦国時代なんか知りませんよ」

 

 

竹田「元号を変える度にですね、やっぱり天皇が元号を変えるって意識されるわけですよ」

 

 

田原「三浦さん、何だと思う?」

 

 

三浦「それはですね、権力と権威を分断することによって、この国が血みどろの内戦状態に常時陥ることを回避したと思うんですよ。

権力と権威を分断するっていうのは、我々からしてもですよ、近代的な人間になった戦後の日本国民からしても、やはり権力の分立っていう概念。

例えば、首相がいるような政府と国会を分けるというような感覚とも合致しているんですけれども、この場合は、もっと大きなところで意味があって、日本というのは村社会の集まりなんですよね。村社会の集まりの中で、それぞれが自治をやっていて上手くいっているんですよ。

会社の人間はずーっと会社に尽くして。

そのような日本を統合するというのは、1つは選挙で国会で総理を選ぶというのはあるでしょう。

でもやはり精神的にはですね、田舎だけを見る限りにおいては、都会は違うんですけれども、

田舎だけを見る限りにおいては、やはり天皇というものが、

すごく大きな存在になっているんですよ。

それは、変わっちゃうかもしれないんですよ?だけれども、この村村を統合する

何らかのほわっとした象徴というようなものを、いまのところ、

とても我々は価値があるものだと、特に田舎では思われている。

そのような日本国民の統合っていうものを、結構大事だと思うのか、

それともそんなの要らないよっていう都会派でやるのか。

多分、人口的にはですね、6:4とかで割れると思うんですよ。

6:4で割れたときに、本当に保守の人たちが、例えば悠仁様の皇后になる人に、

とても醜いような生殖医療を強いて、閉じ籠めてやっていたときに、

多分、自分自身ですね、田舎に存在していた温かいものを壊す、

首を絞める結果になるんじゃないかと思っているんですよ。

私は都会の人間ですから、別に日々ですね、天皇陛下について考えたりしませんよ。

だけれども、結局のところ、6:4で人口比が分かれてるんだから、

6割の人間がこのまま天皇制を続けたいと思うのであれば、大事にするんであれば、やはり小林よしのりさんがおっしゃるように変わらなければいけない。

首を絞めてるんですよ、今は、そのすごくすごく、ニッチな議論をすることによってね」

 

 

田原「高森さん、さっきの僕の素朴な疑問。

何で頼朝やね、信長や、家康が、何で自分の上に天皇をおいたのか」

 

 

高森「これ2つの点から説明できると思うんですね。1つは今まで議論が出ている皇統という皇室の血筋。それからもう1つは天皇という地位、皇位ですね。

順番に説明すると、私自身が問題を投げかけた、何で皇室の血筋は尊いと思われてきたのかというと、その血筋を受け継ぐ人たちが常にフェアに、そして国民たちのために、人々のために、あるいは豪族たちのために、振る舞うということを代々続けてきた。それを実感するということを繰り返した。

初期の頃は天皇といっても、連続殺人、第21代の雄略天皇はライバルを

みんな殺しているわけですよね。天皇が代わる度に血みどろの戦いを繰り返してきた。

そういうのが段々と歳月を経てですね、洗練されてゆく中で。

最初の頃は有無を言わさぬ力があったでしょう。しかしそれが繰り返されてゆく中で、

やはりこの人たちは違うなと、思わせるものを代々積み重ねてきた結果、

皇統は神聖だという観念を生み出した。

そしてその血筋を受け継ぐ人たちが、古代の日本が形成されてゆくときに、

公けの権力というものが初めて形成されるわけです。

豪族たちの権力ではない。それらを全て束ねた公けの権力が形成されるときに、

この地位に就くのは、この血筋の人たちでなければならないと、

この血筋の人たちであれば個別の豪族たちの権力を規制してしまってもいいと、

ブレーキをかけてもいいと、こういう仕組みを作った。

これが最初に登場する天皇という位置なんですね。

天皇というのは有力者たちの対立抗争の上に最初から位置付けた。

それにふさわしい血筋を選んだ。それが続いてきてますから、織田信長にしてもですね、

その他諸々、いわば力自慢で上がってきてるだけなんですよ。その力自慢で上がってきて、

国内がそれで束ねられるかというと、とても束ねられない。

そうすると今までですね、有力者が皆、コンセンサスを持って自分の上に位置付けて、

そこからオーソライズ(権威付け)されることで、自分の権力を正当化するという、

仕組みを継承することが。

だって信長だって結局は、本能寺で殺されないで最後まで国内統一戦争を続けていったら

どうなるか、分かりませんけれども、それがつまずいたということは、

やはり暴力一本やりでいけば、限界がある。暴力だけでは日本列島という規模のスケールを

束ねることは出来ないという1つの、いいサンプルだと思うんですね」

 

 

田原「青木さんは、どう思う?」

 

 

青木「何がですか?」

 

 

田原「何で信長や、家康や、そういう連中が天皇なんてものを上においたのかという」

 

 

青木「知らないですよ、僕は。歴史学者ではないので興味ない」

 

 

高森「もう1つ言わせていただけると、武家勢力で一番強かったのは江戸幕府なんですよ。

家康が関ケ原で勝って、そして大阪の陣で豊臣を滅ぼして、まさに天下人になったわけですよ。

天下人になったときに、側近の天海僧正が、もう天皇は伊勢の神主にしてしまえ、という提案を

したんですね。これは恐らく唯一、天皇という地位が失われかねない、最高権力者の側近、ブレーンがそういう提案をして、形だけの聖なる存在だけど、社会的影響力のない統治には一切、関わりのない位置にすれば、徳川家が君主の地位に上ることができる。

という提案をしましたけれど、それに対して、藤堂高虎、まさに地元、津の伊勢の藩主ですよ、

藤堂が、そんなことをやったら、諸大名が全部、反乱を起こすよと、また戦国に戻るよと、

いうことを言って、家康は結局、藤堂の意見を取り入れて、天海の提案を退けたと。

ここによく表れていると思うんです。武家権力の限界。力だけでおさえると」

 

 

竹田「結局、自分が天皇を無き者にして、天皇と同じような地位に上りつめたりしたら、

日本中、群雄割拠になる。天皇から認められれば、簡単に日本中を治められるって、

そういうことですよね?」

 

 

小林「合理的にいったら、要するにイラク戦争っていうのは、天皇がいないから無茶苦茶になっちゃうわけよ」

 

 

田原「中国がね、新しい権力が常に古い権力を倒してるんだね」

 

 

竹田「王朝交代のことですよね」

 

 

田原「そう、王朝交代」

 

 

高森「先ほど、三浦さんが言ったように権威と権力の分離が出来ないんですよ、中国は」

 

 

竹田「王朝交代っていうのは、要するに中国の原理、猿山の原理で、戦争で勝った奴が王になる、

皇帝になる。でもこれは統治の正当性がないんですよね。みんな従うのは、

王の人徳に惚れているわけでもなければ、ビジョンに共鳴しているわけでもない。

戦争に勝ったから、みんな従っているだけですよね」

 

 

高森「力のある間だけ従っている」

 

 

竹田「ですよね。だから何かというと、すぐ王朝が代わる。

でも日本の場合は、戦争で勝ち上がった者が天皇になったというのではなくて、やはり話し合いで国が統合した、3世紀か4世紀に統一国家になったときも話し合いだったと考古学でも分かっていることなんで。ちょっと国の成立の背景が全然、違うんですよ」

 

 

田原「CMをはさんで、杉田さん、いきます」

 

 

杉田「はい」

 

CM

 

 

田原「はい、杉田さん」

 

 

杉田「先ほどの権威と権力を分けるっていう話の中で、高森先生の話で、

聖なるっていうお言葉が出てきたんですけれども、やっぱり私は、神話、古事記だとか」

 

 

田原「関係ないよ。ちょっと杉田さん、こんな国はね、世界に日本しかない。

何で日本だけがこうなのか」

 

 

杉田「それを読み解くのが」

 

 

田原「こんな古事記や、みんな関係ないと思う。(八木さんに)どう思う?

そんな織田信長が古事記なんて関係ないよ、考えてないよ」

 

 

竹田「勝った者が牛耳るのか、みんなで協力したらいい国ができるっている建国の精神、

ここが全然違うと思って。国民のための国家って日本が一番最初じゃないかと思うんです。

仁徳天皇がですね、国民のために天皇があるとおっしゃった。

ということは国民のために国家がある」

 

 

田原「国民のための国家じゃないから、第二次大戦で負けたんじゃないか」

 

 

竹田「それはまた、ちょっと別ですよ」

 

 

田原「別じゃないよ」

 

 

竹田「でも国民のための国家っていうのは、ずっとあったんですよ」

 

 

八木祭祀者なんですよ。祭祀を行う。お祭りを行う。元々ね」

 

 

小林「例えば祭祀とかそういうことを言ってもね、もっと唯物論的な物の考え方をする人には伝わらないんですよ、そういうものはね。

ただ単に合理的にこのシステムが良いっていう風に思うのは、やっぱり北朝鮮なんかもね、暴力で国を治めようとするのならね、これは徹底的に暴力を使っていかなければ駄目なわけですよ。

なおかつ自分自身を偶像化しなければ駄目ですよね、権威っていうのは生まれない。

けれど天皇陛下の偶像をあちこちに立てる必要なんか、もうないでしょ?

それほどまでに権威っていうのは、やっぱり今現在、既にあるわけですよ。

大東亜戦争、終戦のときのお言葉を聴いてね、中にはそんな言葉は吐かせないと、

言う人もいるわけですよ」

 

 

田原「いや、僕は天皇制を認めているんですよ。じゃあ敢えて言う。

何で天皇は、あの戦争を止められなかったのか?」

 

 

高森「開戦をですか?」

 

 

田原「開戦を。あんな戦争、勝つわけないじゃない!」

 

 

青木「もう1つ言うんだったらね、小林さんね、僕はそれにすごく違和感あるのは、

確かに北朝鮮のようにね、暴力的に天皇が弾圧するってことはないんだけれど、

ただ天皇の名の下に戦前、戦中ね、非常に暴力的な国家になってしまった、一時的にですよ、

なってしまったこともあるわけですよね。

遥か彼方に遡ってゆけば、高森先生がお詳しいでしょうけれど、僕は知らないけれども、

そういう時代だってあったわけじゃない?だから僕は、北朝鮮なんかはむしろ、

僕は何度も取材に行ったけれど、戦前、戦中の日本を学んでいるところ、沢山あると思いますよ」

 

 

小林「うん、真似してるんだろうけど、その権威が作れない」

 

 

三浦「日本が真似したのは、カイザーの時の、ドイツの帝国なんですよ。帝政ドイツを真似して」

 

 

田原「そう。伊藤博文が、それを真似した」

 

 

三浦「そうなんです。それで昭和天皇には、一種その傾向があって、ただ単に統治するっていう象徴としての存在ではなくてですね、やっぱり軍馬に乗ってというところがあったわけですよ。

歴史において色んな戸惑いはあったんだけれども、日本においての特殊性って、

先ほど田原さんがおっしゃった最初の質問に戻ると、日本においては支配者は正義で支配してるんじゃないんですよ。

すごく重要な点で、天皇家は勿論、血筋ですよね。その他の権力者についても、

これは自分が正しいからじゃないんですよ。イデオロギーとは無縁なんですね。

すごく大事なんです。

正義で支配するとなると、やはり中国のように、天からの啓示を受けて

自分たちが正義だっていうように、正当付けをしなければならないですし、

例えばカンボジアのクメール・ル―ジュがどのようなことになったかってことを考えれば、

正義っていうものがもたらす血みどろの戦いってあるんですよ。

日本は正義じゃなくて経緯論で支配してるんですね」

 

 

大塚「竹田さんがね、古代日本は、最初話し合いで習合したという、

ちょっと自分で調べてみないとわかりませんが、そういうようなことは僕も読んだことがあって。

もしそれが史実だとすると、その段階で国をまとめる上で平和裏にそれが行われたとしたら、

それ以降も原則は平和裏でやりたいんだけれども、色々争うけれども最終的に、

まさしく権威付けされて、あなたでいいですよ、という作法みたいなもの、手続きというか、

それが最初の国の成り立ちがもし史実だとしたら、それを継承するというのが

歴史の中に埋め込まれたということだと思うんです」

 

 

竹田「そうですね」

 

 

青木「最後にもう1個だけ問題提起したいんだけれど、じゃあここで誰も言わなかったけれども、

田原さんが最初におっしゃったじゃないですか、じゃあ何故、

天皇制の問題を他のテレビ局はやらないのかと。これはね、やっぱり

天皇制っていうのが一種のタブーになっているからからですよ。それはやっぱり、

ここに踏み込んだらいかんのだっていうことになってるわけですよね。

これは、やっぱり健全ではないわけですよ。大いに議論するべきだ」

 

 

小林「健全ではないね」

 

 

青木「象徴的な話で言えば、メディア、それは朝日新聞もそうですよ、産経新聞は勿論だけれど、

テレビ朝日もそうだけれども、敬語を使うわけですよ。例えば、様、おっしゃられた。

僕は変な話だなと思うわけ。じゃあ外国の王室と会談したときに、わが国の皇室には敬語を使い

相手の王室には敬語を使わないって、ずいぶん失礼な話じゃないですか」

 

 

八木その場合もあります。シアヌーク殿下とか」

 

 

青木「基本的におっしゃられたとか、行かれたとかね、あるいは様とかね、ていうような敬語って、

メディアは本来、使うべきじゃないんじゃないかって、僕は思うわけ」

 

 

田原「青木さん、敬語の問題はあるけど、それ以前に、まず天皇問題を扱わないんだよ。

これは問題がある。正直に言いますと、僕は敗戦が小学校の5年生なんです。やっぱりね、

戦争に負けた、その最高責任者がね、裁判にかけられない、処刑もされないってのは

おかしいと思ってましたよ、当時、そういう気持ちになった。

僕はその気持ちが変わったのは、やっぱり当時はね、正直言うと、やっぱり世界は将来は

共産主義になると思ってた。共産主義は素晴らしいと思ってた。

実は1965年に世界ドキュメンタリー会議っていうのがあって、何故か日本から僕が選ばれて、

モスクワであった。その時には、ソ連が素晴らしい国だと思い込んで、ソ連に行った。

行ったら、言論の自由が全くないことが分かった。

でもう、共産主義、社会主義に絶望的になった。

ところが帰ってきて、そういうことが言えなかった。何故なら日本のマスコミは全部左翼だから。

そういうことを言ったら、多分僕はパージ(締め出し)された。いつか言わなきゃいけない、

という思いがあって、やっぱり天皇を見直し始めた。だから見直し始めたんだけど、

そういう思いがあるので、僕の中では複雑なんですよね」

 

 

青木「朝生をね、やろうとしたらときに、天皇論を最初やろうとしたときに、出来なかったわけじゃないですか」

 

 

田原「やった」

 

 

青木「やったんだけど、基本的には出来なかったわけでしょ?」

 

 

田原「要するに、もっと言うと昭和天皇が病気になった、あの時に危篤の状態で、

いまこそ天皇論やるべきだと。当時の編成局長の小田久栄門に、当時の日下っていう

プロデューサーが行くと、馬鹿野郎って言われた。

日下の偉いところは馬鹿野郎って言われて引き下がって、また4、5日経って行く。

3回馬鹿野郎って言われて、4回目に僕が一緒に行って、企画を変えたと。

当時ソウルオリンピックがあった直後だったんで、オリンピックと日本人でやると言ったら、

それは良い企画だと。それでやれ。

だけど、と言った。オリンピックと日本人でやるけれども、朝まで生テレビは、生テレビだと。

始まるのは1時過ぎ、小田さん、寝てますよね?終わるのは4時過ぎ、小田さん、

まだ寝てますよね?差し替わっても、小田さん気がづかないし、責任もないって言ったら、

俺を騙す気かと、承知しない!こういう話し合いを4回やった。

それで小田久栄門の偉いのは、最後は騙されることを承知で、どうもOKした。

で、タイトルはオリンピックと日本人。ちゃんとオリンピックの人を呼んでやって、

4、50分経って僕が、本番で、今日はこういうことをやる日じゃないと思う。今日はやっぱり、

天皇論をやりたいと思う。それで大島渚とか、野坂(昭如)とか、小田実とか、そんなのを呼んで

それで天皇論をやった。

僕が自信があったのは、野村秋介、彼と仲が良かった。彼を知ってるでしょ?右翼でね。

で、彼を出した。それでやったら、普段よりも視聴率が3倍あった。

それで小田久栄門に月曜日に謝り行ったら、悪いけど、大晦日にもう一回やって

冗談だけど、そういう時代です」

 

 

竹田「田原さんが熱い何かを、ブレイクスルーしたっていうことですよね?

それがなければ、いまだにもっと語ることが出来なかったかもしれない」

 

 

萩谷「天皇のご一家の姿を、私たちがこれほど見ることになったのは、やっぱり

今上陛下の時代になってからであって、今上陛下の平成流の特徴というのは、

地方巡業に御一人で行かない。多分、昭和天皇は、ほとんど御一人で行かれていたと思うんです。

美智子皇后も御一緒に行く。それによって、やっぱり開かれた皇室というのを、

私たちが見るようになったのは、即位されてから10年後からの20年くらい。

やっと皇室について、私たちが見ることが出来る、知ることが出来る、

それを今上陛下がこれだけ開かれた皇室を目指してきたから」

 

 

平沢「開かれた皇室で、国民の皆さんはほとんどの方が皇室を支持しておられるんですよ。

皇室を尊敬しておられるんですよ。先ほどの青木さんの話、

マスコミが敬語を使うのはおかしいということを言われましたけれど、それはマスコミが、

私たちがそれを読んでも全然、違和感がないんですよ。

ですから国民のほとんどが違和感がないから、マスコミが使っているんじゃないですか?

逆に敬語を使わなかったら、恐らく読者の方が、非常な違和感を感じるからじゃないですか?」

 

 

高森「最初のきっかけは、やっぱりミッチーブームじゃないかと思います。要するに平民からと。

それまでの明治の皇室典範だと、原則、皇族同士ですから、あと特に許された華族と。

それを取っ払ってですね、やっぱりミッチーブームで、テレビも普及して、

週刊誌もどんどん出て、53万人の人々が群衆で集まって、

勿論、最初は石を投げたような不心得者もいたわけですけれども、

その中でやはり国民が皇室に対する、身近な敬愛するべき存在だと」

 

 

田原「これもね、言いましょう。70年前後です、フランスに行った。フランスでね、言われた。

日本の皇室はおかしいと。平民からお嫁さんを貰ったと。これなら皇室の意味がないと。

何でこんな馬鹿馬鹿しいことをするんだと言うわけ。

悪いけど、その時、宮家に適当な女性がいなかった。オランダにだっているし、

イギリスにだっているし、世界の何処だっているじゃないかと言われてね☆」

 

 

高森「欧州の人が?」

 

 

田原「欧州の人が」

 

 

青木「ただ平沢さんがおっしゃったのはね、日本語だけじゃないんだけれども、

敬語とかがあるっていう複雑さっていうのはあるんだけれど、国民が尊敬していようが、

個々人が敬意を表そうが、敬語を使おうが全然、かまわないんだけれども。

ただマスメディアが、例えば最初、天皇論を論じましょうと、天皇制について論じましょうと

言ったときに、陛下が何々でございますっていう話をしたら、少なくとも

客観的に論じられなくなるわけですよ。それが引いては、天皇制ってものをね、

ある種のタブーの空間に押し籠めるってことに繋がるわけですよ」

 

 

小林「あのね、敬語の話はね、わしも本当に皇室を語るときに、敬語が物凄く下手な人。

まあもう漫画家なもんだから、本当に敬語が覚えられない人なんですよ。

一般社会の上においても、目上とか目下とか、そういうところの敬語が物凄く下手くそなわけ」

 

 

青木「わし、ですからね」

 

 

小林「そうなんですよ。だけど、やっぱり日本語の中に敬語っていうのは、

あるわけじゃないですか。その美しさはあるわけでしょ?だったら、やっぱりそういう

豊富な語彙っていうものを、覚えようと思えば。しかもなおかつね、

例えば本当を言うんだったらね、雅子様じゃ駄目なんですよ、

雅子妃殿下って言わなきゃいけないんです」

 

CM

 

田原「八木さんに是非、お伺いしたいことがあるんですけれども、ある自民党の幹部の方が、

天皇陛下にも天賦人権はあるから、意思は縛れないという風に言ったんですね。

もしお気持ちに沿って退位する自由が認められれば、逆に即位しない自由というのも

可能性としては考えられますよね。お気持ちに沿うことと、八木さんがおっしゃるような

安定した天皇制を維持することを何でもって両立させることが出来るとお考えですか?」

 

 

八木バランスの問題だと思うんですね。ですから今回は、陛下は退位なさりたいと、こうおっしゃってるんですけれども、次の方々が即位をしないという自由意思を認めるのか認めないのか。

認めると皇室制度、天皇制度そのものが存立し得なくなる可能性が非常に高い」

 

 

小林「だから法では縛れないんですよ。国民の気持ちで、

やっていただくという気持ちじゃないとね。法では縛れない」

 

 

八木即位拒否を、どう制度としては排除してゆくのかという法技術の問題が、官邸は頭を悩めてるところだと思うんですよ」

 

 

小林「信頼しなきゃ駄目だって、もう」

 

 

高森「天皇陛下ご自身はむしろ、象徴天皇というものを機能させるためには、譲位という制度を導入しなければ機能しないと」

 

 

平沢「そうそう」

 

 

高森「象徴天皇という制度を完成しようとしておられるんですね」

 

 

八木でもそこは、憲法が想定している制度とは違うんですよね」

「アンケートの結果が出ました。

『第354弾 激論!象徴天皇と日本の未来

Q1 あなたは女性天皇に反対?賛成?(理由も)

    有効受付数 521件(理由は複数回答可)

賛成 339件

1 男性天皇にこだわる必要はない 80件

2 皇位を継承する人がいなくなる 56件

3 男女平等の時代だから     52件

4 過去にも女性天皇はいた    45件

5 外国には女王・女帝がいるから 20件

6 女性天皇ならではの魅力がある 16件

                 以下略

賛成65% 反対27% その他8%

反対140件

1 伝統が失われるから      49件

2 男系の血筋を絶やさないため  28件

                 以下略』」

 

 

平沢「女性天皇と女系天皇をちょっと混同してる。女系天皇っていうのは」

 

 

三浦「でも、もし混同しているとすれば、それは女系と女性天皇の違いというのを、

国民が大事だと思っていないということの表れでもあるんですよね」

 

 

小林「全くその通りです。まったくその通り。

ちょっと前のニュース映像とか観てますとね、

平沢さんの関わっていらっしゃることだと思うんですけど、

天皇陛下と記者会がやり取りするときに、いまよりもっとフランクに色んな質問をし合ったり。

いまは天皇陛下がいらっしゃって、こちら側に記者会がいるっていうのを感じたんですけど、

昔のを観てると、隣にも記者が座ったりして、囲むような感じで質問をしたりという時代が

ずっとあったんですよね。むしろ今の方が、畏まってしまっている。

距離を取ろうとしているという風に映像を観てると」

 

 

竹田「確かに昭和天皇の時代は、好きな力士はいますかとか、どんな番組を観てますかとか、こういうフランクな質問も出てるんですよね」

 

 

田原「何で出なくなったんだろう?」

 

 

大塚「自己規制しちゃってる

もっとね、面白いっていうと変ですけれど、フランクなやり取りが

映像にちゃんと残っているんですよ」

 

 

田原「テレビ全体がそうなったよ。自粛自粛」

 

 

高森「放送局も競争が激しいからとか☆」

 

 

田原「この番組、是非観て欲しいね。是非観て欲しい」

 

 

***

 

 

以上です。お読みいただきありがとうございました。


↓(スポンサーリンク)↓



コメント: 17
  • #17

    あしたのジョージ (月曜日, 14 8月 2023 18:22)

    何とか全部読ませて頂きました。
    改めてまいこさん、大変お疲れ様でした。
    最初のうちは声に出して朗読しました。
    段々面倒くさくなって普通に読みました。
    番組は生放送で見ていたと思います。
    多分録画もしていたと思います。
    文字起こししてもらうとまた違いますね。
    読んでいるうちに、段々なんとなく絵が浮かんできました。
    竹田恒泰や八木秀次の発言に小林先生が熱くなって話している様子が思い浮かびました。
    高森先生も冷静に反論していたと思いました。
    上皇様は何とか退位出来ましたが、あれから何年経っても未だに皇室典範の改正も女性宮家創設も女性、女系天皇容認の話も宙ぶらりん状態で、何も変っていません。
    本当に待ったなしの状況なのに。
    岸田総理には、そろそろ安定的な皇位継承問題に対する態度をはっきりと示して欲しいと思いました。

  • #16

    まいこ (木曜日, 10 8月 2023 22:18)

    投稿採用とコメントいただきありがとうございます。
    2016年9月30日深夜放送「朝まで生テレビ 象徴天皇と日本の未来」の視聴後、すぐに文字起こししていたものを、今回、カレーせんべいさんが2時間もの時間をかけて、特に先生の御発言を見やすく、わかりやすく整理してくださいました。先生の御発言を中心に読んでいただければ、比較的、短時間で概要がつかめるように思います。

    この回の約一か月前の2016年8月26日深夜放送「朝まで生テレビ 激論!象徴天皇と”生前退位”」では、パネリストがかなりヒートアップしており、「種と畑」「赤ちゃんを養子に」「血の器」と歴史に残る発言がなされていたのを受ける形で放送された「象徴天皇と日本の未来」は、比較的、淡々と議論がなされていたような印象です。

    いま読んで特筆すべきことの一つは、この議論では明らかに女性・女系天皇容認であった大塚氏が、現在、男系派になってしまったこと。この7年間に何があったのか、名古屋の次の市長に立候補を表明しているので、注視してゆきたいです。

  • #15

    枯れ尾花 (水曜日, 09 8月 2023 21:40)

    凄いの一言!

    …それにしてもよしりん先生の話は分かりやすいんだよなあ…言葉や絵によって相手に伝える能力が卓越しておられるんだな。

  • #14

    サトル (水曜日, 09 8月 2023 17:23)

    おじゃましますm(_ _)m

    まいこさん
    私も文字起こしをしたことがありますが、ねこだるまさんのご指摘どうり、大変な労苦があります。そしてその発言に関して、拒否反応がある場合、ストレスは最大限になります。
    (玉川モーニングショーが、そうでした。)

    この「文字起こし」は、最早超一級の「歴史の資料」と、賛辞を。

    そして、まいこさんにも、最大限の賛辞を!と思う次第ですm(_ _)m

  • #13

    通りすがり (水曜日, 09 8月 2023 13:23)

    田原総一朗なかなか良い。今後も、皇位継承で、強い味方になり得るかもしれないと思ってしまいましたが、甘いですか。

  • #12

    さとがえる (水曜日, 09 8月 2023 07:16)

    まいこさん、非常に長編の文字起こしありがとうございます。
    全文読ませていただきました。
    八木、竹田の両氏はまだ冷静に陛下は間違っていると主張されており、誰よりも皇室を理解しているという不遜さを感じました。

  • #11

    さらうどん (火曜日, 08 8月 2023 21:04)

    文字起こしお疲れ様です。
    これは大変だ・・・。

  • #10

    英二 (火曜日, 08 8月 2023 19:09)

    まいこ様 3〜4時間分の文字起こしをされるとは恐れ入ります
    全て読まさせていただきました あの頃の画面が自然と脳裏に浮かびました
    これは大作です 

  • #9

    牛乳寒天 (火曜日, 08 8月 2023 17:38)

    まいこさん、すっごいです。とんでもない労力の賜物、拝読しました。
    朝ナマ、観ていると最初は面白いですが、話の流れが早く、途中で話を見失って睡魔にやられてしまいます。文字になると丁寧に追えるので、大変助かりました。どうもありがとうございました。

    出演者が皆さん強烈すぎて、素晴らしい神回でしたね。
    余計な理屈をこねずにスパっとした話をしてくださるよしりん先生の話は頭に入りやすいですが、そうでない方の語りはわかりずらくて…。読んでいて三浦るりの話がなぜわかりずらいか、改めて理解できました。たまにいい事言うから、この回は良かったですが。
    竹田の詭弁ぶりも強烈ですね、話の端々に血筋誇ってるのも論点ずらしもいやらしい。高森先生に突っ込まれてるのが痛快でした。杉田みおの「兵糧攻め」のニュアンスも、文字だと違和感ありますが、話だと「まぁ、いいか…伝えたいニュアンスはなんとなくわかる…かな」と、自分の中で余計な思考働いて話がわかりずらくなりました。

    全体でとても印象的だったのが、男系で固執せず、特に立ち位置をはっきりさせていない識者がほとんど女系・女性天皇容認に納得していた事です。萩谷まいこさんの話が一番親近感沸きました。視聴者アンケートも同じで、それでも男系に拘る方は男のプライド固持のみの回答ばかりで…問題の根っ子の闇を感じました。
    ずっと議論がタブー化して進展がなかった為に現在まで問題が引き延ばされてきたことが、改めて申し訳なく思いました。

    お話にもあったように、天皇の自由がかなうようになればいいなと思いました。

  • #8

    リカオン (火曜日, 08 8月 2023 17:15)

    まいこさん、膨大な文字起こしありがとうございます。やっと読み終わりました。
    自分の中で他の天皇制の書物と合わせて、考えを深めるのに使わせていただきます。

    それにしても八木、竹田はこの時はまだ言葉は穏当だが、最近はエスカレートしている感じがします。

  • #7

    リカオン (火曜日, 08 8月 2023 16:07)

    文字起こしお疲れ様でした。
    まだ終わっておりませんが、読みます。

  • #6

    グッビオのオオカミ (火曜日, 08 8月 2023 15:40)

    まいこさん、文字起こしお疲れ様でした。
    動画とはまた違った、理解の仕方が出来るものですね。
    読後、印象的だった所をいくつか。
    竹田恒泰氏は詭弁が上手い。これは未だに変わらない。
    八木秀次氏も相変わらずですね。彼が途中で「原理」と言いますが、統一協会の目線から見ると、どこか違和感を覚えました。
    青木理氏がこの場にいたのは驚きました。
    安倍晋三銃撃事件以後、安倍晋三とカルト問題を扱っていますが(日本会議や統一協会など)、皇室典範にはあまり関心が無い様ですが、民主主義との親和性を問題提起しているのが、なるほどと私は思いました。
    小林先生も高森先生も、この頃からずっと戦って来たのですね。少し感慨深い気もしましたが、感慨に浸っているヒマはありませんね。

  • #5

    ねこだるま (火曜日, 08 8月 2023 12:32)

    読んだ〜(笑)

    読んでる途中で重要なフレーズもあった気がしましたが忘れました(笑)

    全体的な感想を言うと、文化の話ってのはまとまらないな、気がしました。
    各自が持ってる幻想が強すぎて。

    やっぱ「皇統(皇室)の存続」という現実ベースで考えないと合意は無理と思いました。

    あと事実やデータってのは客観的にあるとしても、人や社会を動かすためには「物語」みたいなものがどうしても必要ですねえ。

    とりとめない感想ですみません。

  • #4

    あしたのジョージ (火曜日, 08 8月 2023 11:25)

    文字起こしお疲れ様でした。
    ごめんなさい、読んでからコメントするべきかもしれませんが、時間がないのでまだ読んでいませんが、余りに長いのでびっくりしました。
    物凄い労力だと思いました。
    私にはとても出来ません。
    朝まで文字起こしになってしまいます。
    この生放送は多分見たと思いました。
    ビデオテープに録画したかもしれません。
    忘れてしまいましたが。

  • #3

    ねこだるま (火曜日, 08 8月 2023 00:18)

    文字起こしおつかれさまです。

    スクロールしてもなかなか終わりに到達しない。

    文字起こしって高森氏も言ってましたが、すっごい大変なんですよ。
    ちょっと聞き取れないと巻き戻し、頭出しを何回もやり、10秒以下の場面を聞き取るのに 10分かかるなんてザラ。

    それでこのボリュームですから、相当時間かかったと思います。
    熱意と根性に敬服します。

    読む方、見る方にも時間がかかりますが、じっくり気長にやってみます。

  • #2

    マーちゃん (火曜日, 08 8月 2023 00:10)

    大変お疲れ様です。
    これは私も生で視てましたが、朝生はとにかく深夜長時間ですからね。
    最も記憶に残っているのは、青木氏の「わし、ですからね。」だという、情けなさです。

  • #1

    佐々木 (月曜日, 07 8月 2023 23:31)

    文字起こしお疲れさまです。