ローマ教皇「ウクライナへの兵器供与、自衛のため倫理的に容認可能」

 

投稿者:グッビオのオオカミさん

 

【ウクライナへの兵器供与、自衛のため倫理的に容認可能=ローマ教皇 | ロイター】

https://jp.reuters.com/article/ukraine-crisis-pope-idJPKBN2QH0E6

 

キリスト教、最大教派、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が異例の発言。

 

道徳的に行われるのであれば、「ウクライナへの兵器供与、自衛のために倫理的に容認可能」との考えを示しました。

 

元々、カトリックという名前の語源は「普遍的」と言う事で、どこかナショナリズムを超える''神の人類愛"を説きます。

 

歴史的、伝統的にイスラム教やプロテスタントと宗教戦争を繰り返し、またある時は宗教を植民地支配の道具としていた大航海時代や、グローバル経済に抑圧される途上国の反抗の論理''解放の神学''との葛藤もありました。

 

第二次世界大戦中はナチスドイツが欧州を席巻し、他方でソビエト連邦が暗躍していた時期には止むなくナチスドイツと妥協したという、苦い経験があります。

 

キリスト教のカトリック教会は基本的には、全てを許し、受け入れ、戦争には反対する立場なのです。

 

しかし、今回のフランシスコ教皇の発言は極めて重いと私は考えます。

 

それほどまでにロシアの軍事侵攻は非道であり、ウクライナの降伏はウクライナの一般市民の絶滅を呼ぶものであり、"自衛"のための武装は、最早やむを得ないとの現状を理解しているのでしょう。

 

ちなみに2代前のポーランド出身の故ヨハネ・パウロ二世教皇は、同国のワレサ議長と連携を取り、91年のソ連崩壊に一役買っていたとも言います。

 

日本のキリスト教徒は大半は戦後民主主義の影響を受け、反戦平和主義なので論外とします。

 

しかし、余りに残虐なロシア軍の行動に教皇は心を痛めています。

 

日本の保守派は二言目には武士道を口にしますが、保守の中で「ロシアとウクライナはどっちもどっち論」や、「ロシアにもNATOと戦う理由がある」とする意見を平気で言う論客がおり、中には「ウクライナはロシアと停戦し話し合いで解決すべき」という意見まで聞いた様に思います。

 

本来なら戦争に反対する立場のフランシスコ教皇ですらが自衛のための武器提供をやむ無しとし、「自衛は合法的であるとともに愛国の表現でもある」と述べています。

 

さて、武士道だのサムライだの言う日本は、隣国ロシアの蛮行を見て今後どんな防衛戦略を打ち出すのか、私は統一教会やコロナ禍に見られる様に利権しか考えない政府やメディアの有りたかに懸念を持ちつつ見ています。

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

宗教者としては「戦争」を否定するのが自然だと思いますが、「侵略戦争」と「自衛戦争」の区分はつけざるを得ないというわけですね。

 

なぜなら、侵略戦争に抵抗の意思を見せずに屈服してしまったら、命だけでなく、文化と信仰すらも蹂躙されてしまうわけですから。

 

そのことが”本気で分からない”のは、世界広しと言えども「日本特有の反戦平和主義者」「日本特有の保守派」だけかもしれないですね。


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コメント: 5
  • #5

    グッビオのオオカミ (木曜日, 04 5月 2023 15:41)

    いや、もしかしたら、ロシア正教会のキリル総主教は、西欧諸国で一定の影響力があるフランシスコ教皇を懐柔し、丸め込もうとするかも知れません。一種の「どっちもどっち論」か「ロシアの被害」を教皇が言い始めたら要注意だとワタシは思います。
    多分、バチカンの高位聖職者の中にも、ロシアのロビイストはいるでしょうし。

  • #4

    グッビオのオオカミ (水曜日, 03 5月 2023 23:34)

    古也さんへ
    多分、堪忍袋もそうですが、あの状況で防衛戦まで否定する事は出来ないでしょう。
    ウクライナが反攻を止めれば、国土全体を支配され、支配地域で行われた虐殺が繰り返されるのですから。
    リカオンさんへ
    ロシア正教会のキリル1世はプーチンのスポークスマンなので、反論はするかも知れません。
    ただ東欧スラブ系で多い正教会全体から見ても、ロシアは異質でしょう。

  • #3

    古也 (水曜日, 03 5月 2023 20:43)

    とうとう堪忍袋の緒が切れましたね。

  • #2

    グッビオのオオカミ (火曜日, 02 5月 2023 20:53)

    掲載ありがとうございます!
    読み直すと、とても地味な記事ですが(笑)。
    バチカン市国の教皇の発言は、欧州や南米などキリスト教徒が多い地域で聞かれます。軽はずみには言えない立場の発言ですし、諸外国の政府要人も、一応は耳にします。
    少なくとも、欧州諸国では、その発言が抵抗無く聞こえるのでしょう。
    彼らにとってロシアの脅威は現に"今そこにある危機"で、切迫感を共有出来るのだと思います。
    戦後の日本の反戦平和主義や、親露派には理解出来ない感覚なのだと思います。
    日本にとってはウクライナは遠い他人事で、アメリカが何とかしてくれると考えていそうです。
    私は日本の隣国ロシアの動向は東アジア情勢にも影響を与えると思います。

  • #1

    リカオン (火曜日, 02 5月 2023 16:47)

    キリスト教のことはよく分からないですが、ローマ•カトリック教皇と言えば世界のカトリックの最高指導者であり、その方が自衛のための戦争への武器供与を許されるという事は相当な重大な決定なのでしょう。

    片やロシア正教の方はさぞかし猛反発しそうですね。