≪読書感想文≫ 「よしりん御伽草子」byまいこ

 

投稿者:まいこさん

  

いつもありがとうございます。

本日の感想座談会、とても楽しみです。

 

『よしりん御伽草子』を読んで以来、ずっと頭のなかで

いろいろな考えが浮かんでくるので、感想文にしてみることにしました。

 

よろしかったら御覧ください。

 

 

むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました、で始まる

昔話は、孫の寝かしつけをする語り手である祖父母が、物語のなかでも

大きな役割を占めているため没入しやすく、

幼い頃、祖母に何度も「ももたろう」の絵本を読んでもらっていたのを『よしりん御伽草子』を読んで思い出しました。

 

 

『かぐや姫』は、美し過ぎるがゆえに被せられた「最終フェイス」をもってしても、なぜか人々に愛されて罪を重ねてしまう悲劇。

 

三島由紀夫『弱法師』のラストの台詞「僕ってね、……どうしてだか、誰からも愛されるんだよ」も想起しました。

 

 

『かぐや姫』の対になるような『うらしまたろさん』での「竜宮城」は、すべての女性が同じ顔であったらという、美醜の基準の根幹をゆるがすところ、『女について』での「大概の女は好きになれる」を突き詰めた世界なのかしらと。

 

 

『ばば汁子守歌』では幼い先生が続きが気になり、かえって目が冴えておられましたが、昔話に登場するおばあさんと、語り手であるすぐそばにいる祖母との境目が夢と現(うつつ)の狭間でなくなりつつ、子ども心の深いところに真贋を見抜くための、様々な教えが沈潜してゆくという物語の効能が鮮やかに描かれていると思います。

 

 

『ばば汁子守歌』と並ぶ人喰いの物語としても昇華した『ももたろさん』倉本聰のドラマ『やすらぎの刻』で産後に産婆さんが胎盤を食べて若さを保つというシーンがあり、案外にありうることでもあったかのかなと。

蛸が自分の足を喰らうような、世代間で喰い合うような昨今の状況が早い段階で描かれていたことにも驚嘆します。

 

 

『かさじぞう』は、お地蔵さまたちが義賊であったという画期的な解釈で、こども心に「あの贈り物はどこから?」と漠然と抱いていた疑問が数十年ぶりに氷解しました。

心洗われる即身成仏となる秘訣もさりげなく描かれている味わい深い作品だなと感じます。

 

 

『かちかち山』は、キッチュな色えんぴつの風合いに和まされつつ、実は後戻りのできない超絶技巧で描かれている作品なのではと。副反応という言葉を後世に残る物語に紛れ込ませ、欺瞞に満ちた情勢が再び起きたときに巻き込まれないための道標となってゆくでしょう。

 

・・・

 

『よしりん御伽草子』の6つの物語は、3つの対のテーマ構成になっているように感じます。

 

 

◆『かぐや姫』と『うらしまたろさん』は、愛と美醜について

 

◆『ばば汁子守歌』と『ももたろさん』は、人喰いと真贋について

 

◆『かさじぞう』と『かちかち山』は、信仰と善悪について

 

 

 

『かぐや姫』愛と美醜、『かさじぞう』信仰と善悪、『ばば汁子守歌』人喰いと真贋、『かちかち山』信仰と善悪、『ももたろさん』人喰いと真贋、『うらしまたろさん』愛と美醜。

 

愛に始まり、愛で終わる短編集のなかに、美醜、信仰、善悪、人喰い、真贋という究極のテーマが内包されているとしたら、絵本の構成としても、非常に優れているように思います。

 

 

昨夜のライブで『おぼっちゃまくん』を読んでいたら、真贋がわかったはずというところも重ね合わせて、老若男女問わず、人が生きるための座標軸を失っている今、『よしりん御伽草子』が世に送り出されたのは、素晴らしいことですね。

 

 

笑いながら考えを深め、自分を変えてゆける本に、一人でも多くの人が出会えますように。

 

 

(管理人カレーせんべいのコメント)  

 

今日、一番電話でご感想を伺いたかった「まいこ」さんの感想文。

 

よしりん先生も「文章では凄いこと書いてる女性がいたな。」とブログで書いておられました!

 

まいこさんに限らず、皆様も「電話で話す」はハードルが高いかもしれませ。

 

でも、もし気が向かれたら、どうか気楽にご参加頂ければ幸いです☆

 

私も、もっと聞き上手になれるようにスキルアップしていきます。

 

電話出演の参加をお待ちしています\(^o^)/

 

 

 

「よしりん御伽草子感想座談会」

まいこさんの

感想文朗読シーン

 

動画頭出し

 

(2:24:36~)

 

https://www.youtube.com/live/JkEUcS5a1xI?feature=share&t=8676


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コメント: 4
  • #4

    トマト (水曜日, 01 2月 2023 08:49)

    すごい感想文ですね!
    ひとつひとつの物語から普遍的なメッセージを読み取って、それを言葉に表す事ができて、まいこさん、すごい!!と思いました。

  • #3

    まいこ (火曜日, 31 1月 2023 18:48)

    投稿採用とコメントいただきありがとうございます。『よしりん御伽草子』について、1月23日のライブー全てを明らかにする!三浦瑠麗とは何だったのか?「よしりん・もくれんのオドレら正気か?」—を拝見してから、「変わること」≒アップデートするという先生の姿勢を思い合わせて、ますますいろいろな考えが浮かんでくるようになったので、いったん感想文にして投稿させていただきました。

    ライブのなかで特に心に残ったのは、
    39:40頃~実際、人ってずーっと変わらないっていうんだったら、どこで完成してるの?…だから人は変わらなきゃいけない。だから男系派のやつらだって、変わると思っている。
    1:25:00頃~贋物セレブみたいな感じのやつ…1:29:00頃「おぼっちゃまくん」を読んでいたら、それがわかったはず、何が金持ちかということが。

    謝ったら死ぬ病は、今までの自分を変えたくないと思い込んでいるということでもあるのかなと。自ら率先してフルボッコちゃんになって、変わるとはどういうことかを見せてくださった先生が、幼いときから、何によって育まれていらしたのか。何度も生れ出でる『ももたろさん』など、それを垣間見ることのできる『よしりん御伽草子』を読んでいたら、「何が真か」というところを見抜くベースができるように感じています。

  • #2

    かずず (月曜日, 30 1月 2023 11:05)

    なるほど!すごく納得する感想です!よしりん御伽草子は、どう読めばいいのか。言葉にできず、なんだろうこれはって感じでした。他の人の感想も読んでみようと思います。

  • #1

    くぁん (月曜日, 30 1月 2023 03:51)

    これは凄い感想ですね!「美醜の基準の根幹をゆるがす」や「たいがいの女は好きになれる、をつきつめた世界」が特に良いですね♪