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週刊SPA!2月2日号 ゴーマニズム宣言 第112章 「女性の自殺の原因は?」

女性の自殺の原因は?


 

タッチ&ゴー

このコーナーでは『ゴーマニズム宣言』の最新話を読み終えた読者が、間髪入れずの「タッチ&ゴー」で感想を語り合います☆

《収録参加》

皿:皿うどん

え:えみりん

カ:カレーせんべい

  

《収録》

2021年1月26日と27日

  

週刊SPA!2月2日号

ゴーマニズム宣言 第112章

 

「女性の自殺の原因は?」

 

 

カ:コロナ禍で女性の自殺が増加しています。自殺の原因・動機としては「健康問題」が1位らしいですが、その健康問題の内訳を見ると「うつ病」が大半なんですね。

 

 

皿:実は僕も、過去にうつ病になりました。

 

 

カ:え!そうなんですか?

 

 

皿:入院するところまでいきました。

 

 

カ:うつ病になった原因をお聞きしてもよいでしょうか?

 

 

皿:その当時、勤めていた仕事を辞めなければいけなくなったんです。収入も無くなり、借金も重なったりして、それで精神的に追い詰められました。

 

 

え:そうでしたか。

 

 

カ:その話、まさに今、コロナ禍における非正規雇用の人たちが同じ境遇になっているわけですよね! さらに問題なのは、働く女性の多くが非正規雇用であるという社会の構造です!

 

 

え:コロナ禍で仕事を辞めなきゃいけない人が増えて、うつ病になる人が増えたんでしょうね。

 

 

皿:以前に皇后雅子さまが患った「適応障害」からうつ病になるケースもあるのでしょうけど。

 

 

カ:職を失うことで、日常が激変して、適応障害なることだってあるでしょうね。

 

 

皿:そう考えると、居たたまれないですね。

 

 

え:やっぱり女性は正社員になっている人が少ないですよね。

 

 

カ:その通りです。

 

 

え:緊急事態宣言で営業できなくなった飲食業も、パートやアルバイトを雇っている所が多いでしょうしね。

 

 

カ:飲食業は学生のアルバイトも多いですね。

 

 

え:飲食業以外の会社でも、不景気になるとパートやアルバイトから先に首を切りますよね。

 

◆◆◆

 

カ:経理的観点から言えば、会社が売上が減れば派遣やパートから首を切るのは当然のことなんです。そもそも会社が正社員ではなく、派遣やパートを雇う理由は、給料を「固定費」ではなく「売上に対応する原価」にするためなんです。

 

 

え:どういう意味ですか?

 

 

カ:正社員の給料と言うのは「必ずかかるコスト」で、会社からみれば「固定費」です。経営者は「固定的に発生するコストを回収するために売上を立てなきゃならない」という視点を持つのです。

 

 

え:よしりん先生が、よしりん企画のスタッフの生活のために、本を定期的に売ろうとしているのと同じ考えですか?

 

 

カ:その例え話は分かりやすいです(笑) 固定費である正社員とは異なり、派遣やパートというのは「売上に対応する原価」として、売上を生むために必要な労働力をコストとして支払っているという感覚なんです。

 

 

え:なんだか道具みたいですね。

 

 

カ:まさに「道具」なんです!つまり正社員と違って「同じ共同体の仲間」ではないんです!だから「簡単に切ることができる」わけなんです!

 

 

皿:正社員を雇わずに、派遣やパートを雇って経営する会社が増えましたよね。

 

 

カ:経団連の会長ですら「終身雇用はもうできない」という主旨の発言をしてますからね。

 

 

え:会社って、そんなに冷たいものですか?

 

 

カ:普段はそこまで冷酷には感じないかもしれない。実際うちの会社だって派遣やパートへ対応は一見すると手厚いです。しかし経理的に物事を見てみると、給料を固定費ではなく変動費にするというのは「仲間ではなく道具」として扱うわけです。つまり『売上に合わせて、労働力を伸縮させる』という経営者の意図が確実にあります。

 

 

え:今のコロナ禍で売上が激減した会社は・・・

 

 

カ:これは当然、伸縮可能部分である派遣やパートから首を切るわけです。これは当然の話なんです。

 

 

皿:派遣やパートが女性の割合が多いというのが問題ですね。

 

 

カ:社会の構造があまりに短期的な利益を追求し過ぎてて、これでは長期的なビジョンが必要である結婚や子育てなど安心してできない社会です。今回のコロナ禍で、そのような社会構造のツケを払わないといけないわけですが、それを払わされるのが女性なんですよ!

 

◆◆◆

 

カ:さらに言えば、これからは「技能実習生」という名のもとに外国人労働者が当たり前に入ってきます。

 

 

皿:実質的には移民ですね。

 

 

え:女性だけでなく、男性も正社員として働けなくなるわけですか?

 

 

カ:特別な能力が無い限り、外国人労働者と同じ給料で働くことになるでしょう。しかも売上に合わせて伸縮可能な道具としての待遇です。

 

 

え:いつからこんなことになったのでしょうね?

 

 

カ:それは「小泉構造改革」からとさかのぼることはできますけど・・・、でも私は、日本人自身が「共同体意識」や「仲間意識」を自ら壊したことが最大の原因だと思います。これに関しては、政治家や知識人のせいじゃない。日本人一人ひとりの意識が変わったせいです。私はあえて「お前らのせいだ!!」と言いたいくらいです。だからこれからは「実力主義」と「個人主義」が不動のルールとして定着すると思います。仮に今すぐコロナ禍がおさまったとしても、弱者が強者に踏みつけられる社会構造は強化される一方だと私は予想しています。

 

◆◆◆

 

え:今週のゴー宣でも「未婚の女性の自殺が多い」と書かれていましたが、結婚してて旦那さんがいればちょっとがんばれそうだけど、一人で職を失ったら、家賃も払えないし、自殺するのかも。

 

 

カ:自殺は・・・ダメだよ・・・。

 

 

え:私も未婚だからすごく怖くなりました。今は正社員として働いていますが、もし会社が潰れたら、その日から家賃が払えない。実家だってお金無いし、自分だってお金無いし。だからゴー宣を読んでで、ゾッとしました。

 

 

皿:僕もゾッとしました。自分が追い詰められた時のことを思い出しました。

 

 

カ:ところが、失業者増加のネットニュースのコメント欄を見ると「選り好みしなければ仕事はいくらでもある!」などと書いてたりするんですよ。

 

 

え:まったく『他人事』の感覚ですよね。

 

 

カ:「人手不足の産業はいくらでもある」とか言うけど、どうして人を思い遣ったりできないのかな?

 

 

え:想像力が無いです。

 

 

カ:自分がずっと務めていた仕事を、コロナが原因で失うことになった人の気持ちに寄り添わない。そんな人が、もしも自分が失業したら「介護産業は人手不足だから、明日からは介護の現場で働くわ」と思って、本当にそれを実行できるのでしょうか!?

 

 

え:仕事にも適性がありますよね。

 

 

カ:そうです。仕事には、適性も、動機も、縁も全て必要ですよね。

 

◆◆◆

 

カ:今週のゴー宣で、玉川徹は『自分の「煽り芸」のせいで、誰かが困窮に落ちたり、誰かが自殺しているなんて。考えたくもない』と書かれていますが、本当に欺瞞ですよね。

 

 

え:コロナ禍で自殺が増えていることについて「そういう短絡的な話はやめた方がいい」って、自分が一番短絡的やん!!

 

 

カ:ぬすっと猛々しい。反吐が出る。

 

 

皿:自分はテレビ朝日という大企業に勤めてて、悠々自適なんでしょう。

 

 

カ:自分の足元には、生活が困窮したり、病気なったり、自殺したりしている人がゴロゴロいるのに・・・。

 

 

え:玉川徹に関しては、ただただムカつきます。玉川は、自分のことを何か言われていることは理解しているんですよね。

 

 

カ:批判されていること自体は理解した上で、自分の考えは改めないんでしょうね。

 

 

え:たとえば、自殺の動機が「健康問題」だとしても、「なぜ健康問題による自殺が増えたのか?」という疑問は持たないんですね。

 

 

カ:百歩譲って「うつ病が増えたから」という答えに瞬時にたどり着かなかったとしても、「なぜ2020年に限って、健康問題による自殺者が増えたのだろう?」と、その因果関係を分析するのが公に向かって発言する者の知的誠実性だと思います。

 

 

え:ところで、経済問題が原因でうつ病になって、自殺した人は、自殺原因は「うつ病」になるのかな?

 

 

カ:おそらく病院でうつ病と診断された人が「うつ病」による自殺者とカウントされるのだと推測します。

 

 

え:逆に「経済問題」が原因とされる自殺とはどのようなケースでしょう?

 

 

カ:これも私の推測ですが、病院でうつ病と診察されていない場合で、遺書に生活苦と書いていたり、あるいは客観的な状況がそれの場合でしょうね。

 

◆◆◆

 

え:今週のゴー宣を読んで気になったのは、玉川徹の発言は『新型コロナは風邪と変わらないとか言ってる人がいましたね、かつて』とか『そういう短絡的な話はやめたほうがいい』とか、それってまるで議論をさせないために言っている感じがします。

 

 

カ:なるほど。議論を封殺するための発言か。「言ってた人がいました」と”過去形”で言ってるのがも悪質ですね。

 

 

え:異論を無かったことにしようとしている。

 

 

カ:正確には「自分の論敵を”負け犬”に仕立てる手法」だと分析します。そして議論は避けるわけです。これは岡田晴恵も似たような手口をやってました。スウェーデンの集団免疫政策を「あれもやめましたけど」と、論敵を負け犬にするためのデマを飛ばしました。

 

 

え:感染症に関してはある意味煽っているくらいが丁度いいみたいに言ってるけど、煽った結果、どんなことが起こったのか、知ってて言ってるのかな?まったく知らないわけないですよね。

 

 

カ:『自分を正義だと固く信じていて、それに疑問を産まれるような批判や情報は認められない性格らしい』『自己正当化のために、都合の悪い情報や批判を遮断する思考回路を持っている』とゴー宣に書かれていましたが、まさにこれですね。

 

 

え:この人は何が目的なのかな?

 

 

カ:コロナを煽れば煽るほど視聴率が取れるのだから、自分の存在感と影響力を高める。つまり日本医師会と全く同じ動機ですよ。我田引水のために、世界がコロナで深刻に沈んで欲しいわけですよ。

 

 

え:最後のページの「間接殺人」ってその通りですよね。玉川徹が死神みたいになって鎌を持っていますけど。

 

◆◆◆

 

カ:最後のページ『かつて青春を謳歌したはずの老人が「若者は我々のために、じっとしてなさい」「青春の1年、2年くらい我々のために犠牲にしなさい」と言っているとしたら、実に醜悪なことである』と書かれていました。

 

 

え:小林よしのりライジングで取り上げられていましたが、今の老人は戦後の人たちなんですよね。バブルを経験して、年金もそこそこもらえる人達。戦争を経験した老人は90歳以上でほとんど亡くなっているんですよね。

 

 

カ:私個人の意見ですが、そもそも老人が尊敬されるのは「死に対する哲学を持っているから」だと思うんです。

 

 

え:戦争を経験した人たちは死が身近にあったから死生観を持っていたのでしょうが、それより後に生まれた人は死生観を持ちづらいのかな?

 

 

カ:いやそれは違うと思うんです。別に戦争を体験していなくても、平和の中においても人間が60年以上生きていたら、数々の死を経験すると思います。それは親の死であったり、友人や知人の死であったり。あるいは老いていく自分の体に、死を見つめることはあると思うんですけどね。

 

 

え:だけど、私たちが老人になる頃は、さらに死生観の無い老人ばかりになる気はする。

 

 

カ:もし死生観を全く持たずに生きてしまって、いざ死を迎える時、かなりキツイと思いますよ。

 

 

え:そう思います。不幸なことだと思います。

 

 

カ:不幸ですね。死生観が無い状態で「死」を迎えてしまうのはとんでもない「暴力」に遭遇するのと同じことになると思うんです。「死」って本当にドカンと来るからさ。

 

 

え:そうですね。

 

 

カ:死に対する心の準備をしてない人間が、いざ死ぬとなるとショック死しますよ!!

 

 

え:カレーさんが言ってることは矛盾だらけですね(苦笑)でも、分かります。

 



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コメント: 2
  • #2

    和ナビィ (土曜日, 06 2月 2021 18:54)

    実際にコロナ禍の中で、職業として会社の経理を担当なさっているカレーさんの説明は、派遣やパートの経営的な意味がシビアに伝わります。
     お三人、それぞれの生活者としての立場・ご経験からの具体的なお話しによってこの章の意味が際立ってくるように感じました。

    >日本人自身が「共同体意識」や「仲間意識」を自ら壊したことが最大の原因
    >「実力主義」と「個人主義」が不動のルールとして定着すると思います。仮に今すぐコロナ禍がおさまったとしても、弱者が強者に踏みつけられる社会構造は強化される一方だと私は予想

    暗澹・・。メディアも上に立つ為政者も「本当の弱者は誰なのか・自分の言動、決定がその人達にどういう影響を及ぼすか」を感知する能力が飛んでしまっているのではないでしょうか。

  • #1

    カン (月曜日, 01 2月 2021 20:06)

    玉川徹との対比の為なのだろうけど、随分美人に描かれた山口真由氏につい笑ってしまった先週のゴー宣。
    内容に関してはもうお三方の仰る通りですね。