最小の世界~日本最小~

 

ハックスレーの

ゴー宣いきもの図鑑⑬

 

「最小の世界~日本最小~」

ツミ Accipiter gularis。

 

タカ目タカ科ハイタカ属。

左が雄、右が雌になります。

全長は雄27センチ、雌30センチ。

体重75〜160g。

翼開長51~63cm。

 

雄はヒヨドリぐらいで、大きい雌でもキジバトよりも小さいです。

雄の背は濃い灰色で殆ど黒に近く、幼鳥は褐色みを帯びています。

腹面は白く、雄は胸側から脇にかけては黄褐色で、雌の腹面には黒褐色の細い横斑が密にあります。

 

ツミは日本最小のタカ。

漢字で書くと「雀鷹」と書きます。

 

呼び名の由来は、スズメを良く捕らえ餌とするという説と、スズメのように小さいからという二説があるようで、スズメはススミと読まれ、ススミタカが略されてスミとされ、更にそれが転化してツミとなったという説が有力だそうです。

 

基産地はジャワ島で、日本にはツバメと同じ夏鳥として、繁殖の為に飛来します。

ツミはかつては幻の鳥とも呼ばれ、滅多にお目にかかれない鳥でした。

近年では、関東限定で都市公園や街路樹などで繁殖していることがわかっています。

小鳥を専門に狩るハンターで、長い脚指と針のような鉤爪を持ち、スズメ、シジュウカラなどの小型鳥類を主に捕食し、獲物を見つけるとしつこく追跡し、長い脚指で包み込むようにして捕まえます。

 

繁殖は4〜6月、1回に2〜5個の卵を産みます。

抱卵はメスが行います(約30日間)。

雛が孵り、巣立ちする直前まで雌雄で育雛し、オスは直接に雛に餌を与えることはなく、メスを経由して雛に餌を与えるみたいです。

雛が巣立つ頃にはオスはいなくなり、メスは雛が巣立ち、自力で餌を取れるようになるまで側につきます。

この習性は他の猛禽類でもよく見られます。

 

日本最小のタカでありながら気が強く、特に営巣中の番は、巣の半径50m以内に入ってきた敵には、例え自分より大きなハシブトガラスやトビなどにも勇猛果敢に攻撃を仕掛けます。

その為か江戸時代に、ツミはタカ類の中でもっとも「しゅわみ」が強いタカといわれていました。

 

しゅわみとは気の強さ、闘争心のことです。

自分よりも大きな体のキジバトを捕らえようとしたり、どんな大きなタカにも臆せず向かっていくというような意味を表しています。

 

 

参考文献

※ STRIX Vol. 14, pp. 65-71, 1996

A Journal of Field Ornithology ©Wild Bird Society of Japan

ツミの繁殖成功率の低下とその原因

植田睦之 日本野鳥の会研究センター

※猛禽探訪記・弦書房


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コメント: 6
  • #6

    和ナビィ (金曜日, 12 6月 2020 21:51)

    早速お教え頂きありがとうございます。一層鳥に興味がわいてまいります。

     夜行性の鳥は3%くらいとは、やはり少ないのですね。そう言えばフクロウやミミズクはやはり暗い森が相応しいような。鳴き声も。

    ♪青い月夜の 浜辺には 親を探して 鳴く鳥が 波の国から 生まれでる 濡れたつばさの 銀の色 / 夜鳴く鳥の 悲しさは 親を尋ねて 海こえて 月夜の国へ 消えてゆく 銀のつばさの 浜千鳥 ♪(「浜千鳥」鹿島鳴秋作詞 広田龍太郎作曲)

    目に浮かぶような美しい月光の浜の風情(幻影)です。「浜千鳥」という名の鳥がいるかとかそれは夜行性なのかとかは別世界の野暮ってもんですよね(^o^)>;;。地区の「童謡唱歌を歌う会」でも愛唱しています。

     夜中、鳥の鳴き声がふと聞こえてくることがありますが、「ン?、何かあったのかな・・」とちょっと胸騒ぎするものです。

  • #5

    ハックスレー (金曜日, 12 6月 2020 08:19)

    和ナビィさん、おはようございます。
    ご質問にある夜行性の鳥ですね。
    主に日本産の鳥を紹介すると、ヨタカを筆頭に、フクロウ、アオバズク、コミミズク、トラフズク、コノハズク、ヤマシギ、アマミヤマシギ、ゴイサギ、コガモ、トラツグミ‥‥があげられます。
    夜行性の鳥は鳥全体を見渡して3%くらいですが、「あくまでの夜行性」としての紹介です。
    実はフクロウは昼間に鳴いたり、飛翔したり、カラスは夜中に鳴いたり、飛翔したり、曖昧な部分もあります。
    常識を常に壊すのが生き物です。

  • #4

    和ナビィ (木曜日, 11 6月 2020 22:19)

    ご回答どうもありがとうございました。
     動画でヨタカの様子や鳴き声を視聴してみました。地味な色で、昼間はじっとしていてまるで木の枝のようですね。

     「鳥目(とりめ)」---夜になると目が見えにくくなる病気---という言葉があるように、ほとんどの鳥は夜間は活動しないのですか?。夜行性の鳥って珍しいのでしょうね。

      大きく口を開けて夜空を飛んで飛び込む羽虫を食べるという、そして「分類学的にはヨタカ目ヨタカ科」とのこと。なんか分類も孤独な?感じがします。
     久しぶりに青空文庫で「よだかの星」を読みました。
     
    >ヨタカの名前の由来‥(中略)‥女性読者前では割愛します。

    あの、こちらの方の意味はだいぶ前から落語などで知っておりました(^へ^)>;;。

  • #3

    カレーせんべい (木曜日, 11 6月 2020 18:40)

    >>2
    さっそくググってしまいました(笑)

    このような言い回しがあるとは知りませんでした!

  • #2

    ハックスレー (木曜日, 11 6月 2020 18:29)

    和ナビィさん、ご質問ありがとうございます。
    ヨタカですね。
    まず、タカと付いておりますが、分類学的にはヨタカ目ヨタカ科に分類される鳥で、猛禽類とは系統的に離れたグループです。
    ヨタカは全長29センチほどと中型で、大きな頭部、尖った翼を持っています。
    アジア大陸の温帯から熱帯にかけて分布しており、日本全国の低山帯に渡来して繁殖する夏鳥で、夜行性です。
    独特の「キョキョキョキョ…」と連続的に鳴きます。
    全身の羽の色は暗い褐色、その褐色をベースに黒色、赤色、灰色などが混じります。
    更に複雑な斑模様が入り、樹の幹や落ち葉の色合いとよく似ており、保護色になると言われてます。
    オスの成鳥は、頭部の側面や初列の風切りや尾羽に、白い斑模様が入り、メスの斑模様は暗褐色をしており、尾羽には斑紋がないか、目立ちません。
     次に特徴的なのは口です。
    ヨタカは想像以上に口が大きく開きます。
    それは何故?と言われると、口を大きく開けて空中で昆虫を吸い込むように捕らえるからです。
    特にオーストラリアに分布するガマグチヨタカは口の大きさが際立ってます。
    羽の音もフクロウと同じく、見事に消音され、他の鳥と違い、嘴で獲物を突く捕食行動を行いません。
     それから繁殖に関しては、ヨタカは地上の落ち葉の上などに、1回に1〜2個の卵を産みます。
    主にメスが抱卵しますが、夜中にはオスも抱卵するみたいです。
    抱卵期間は17〜19日。
    抱卵中や子育て中は敵に見つからないようにあまり動きません。
    雛もあまり鳴かずに嘴を引っ張って餌をねだるみたいです。
    もしもヘビなどの敵が近づくと親鳥は翼を広げて威嚇します。
    天敵は多く、イタチや野良犬、猛禽類などが獲物として狙っています。
     興味深い事に、ヨタカは足が短く地上を歩くのが不得意です。
    その訳は、指が後ろ側に向いていないからです。
    だから枝を足で掴んでとまるのも苦手です。
    なので昼間は太い木の枝に平行に座って過ごしています。
     最後にヨタカの名前の由来‥‥平安時代から「よたか」で知られているみたいですが、恵方巻と同じく卑猥な話になります。 
    女性読者前では割愛します。
    何せ、「ありのまま」だからです。

  • #1

    和ナビィ (木曜日, 11 6月 2020 10:27)

    体は小さくともまさしくタカの面構え、そして鋭い爪。
    このタカは足首までの長ズボン羽(あれはいかにも強そう)でなく短パン?で軽やかですね。

    手作り質問箱(^-^)設置どうもありがとうございます。
    「タカ」と言えばお訊ねしたいことがあります。子供の頃、宮沢賢治の「よだかの星」というお話を泣きながら読んだことがあります。ある日、鷹がよだかの家にやって来て「お前はタカの仲間じゃない、『市蔵』改名しろ、そうしなければ殺す」と言う。・・・最期に鋭く鳴いて夜空をどこまでも高く高く飛んでいく夜鷹。
     「夜鷹」(鳥類の;)って鷹とは付いていても、容姿もあの勇猛果敢さではないような。この鳥について知りたいです。