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週刊SPA!5月5・12日号 第83章「ボーヴォワールの自虐」

ボーヴォワールの自虐


 

タッチ&ゴー

《収録参加》

皿:皿うどん(男)

え:えみりん(女)

た:たっちゃん(男)

カ:カレーせんべい(男)

  

《収録》

2020年4月28日20時30分から21時

 

 

週刊SPA!5月5・12日号

ゴーマニズム宣言 第83

 

「ボーヴォワールの自虐」

 

 

え:幼少時に男の子と女の子で好きな遊びが異なることを、ボーヴォワールさんは生物学的特質ではないと言ってたけど、私は生物学的な特質が多少あると思いました。

 

カ:それは私も同感です。

 

え:ボーヴォワールさんは「女の子は人形を自分自身の分身として可愛がる」というふうに言っていますが、男の子だって人形やフィギアで遊んだりしますよね?

 

皿:私は今でもロボットやフィギアは好きですよ(笑)

 

た:皿うどんさん、好きそう(笑)

 

カ:私が子供の頃は「キン消し」で超人同士を戦わせたり、オリジナルストーリーを作ったりして遊んでいました。

 

え:男の子の場合は、人形を自分自身の分身としてカッコ良くなりたいわけですよね? 男の子と女の子で「カッコ良くなりたい」と「可愛くなりたい」という違いがあるのは、生物学的特質ではないかなぁと感じます。

 

た:なるほど!

 

え:コロナ騒動の前は、通勤時に子供たちが通学する様子を見ていましたけど、女の子のランドセルはピンク色が多くて、男の子は黒や青が多いです。子供の頃から性別によって色の好みがあると思いました。

 

カ:いや、今のランドセルの色の話に限定して言えば、ランドセルは両親や祖父母が与えているんです。

 

え:そっかー。もらっているのか。

 

カ:子供は必ずしも選んでないです。つまりボーヴォワールさんの思想でいえば『社会的な性を押し付けている』に該当するケースだと思います。

 

え:それから《人は女に生まれない。女になるのだ。》というのはちょっと分かるところがあって、たとえば言葉遣いや立ち振る舞いは、子供の頃に親や社会から教育として押し付けられる部分があると思います。

 

カ:その言葉は「男」と「女」を入れ替えて《人は男に生まれない。男になるのだ。》と言っても成立するような気もしますね。

 

え:なるほど。

 

カ:つまり『社会的な性』というのは男女ともに存在するんでしょう。男の場合は、たとえばタイタニック号が沈没するときに女性と子供を先に救命ボートに乗せるというのが『社会的な性役割分担意識』であって、私個人としては、それは必要な性役割分担意識だと思っています。

 

た:そうですね。

 

カ:ただ「男の子と女の子の遊びの好みの違い」については、自分の幼少期の記憶をたどってみても、親や社会の強要があったとは思えないんですよねー。チャンバラごっこして、親や先生に怒られましたからね(笑)

 

◆◆◆

 

た:よしりん先生が「アナと雪の女王」の映画を見た直後に色々と思想をされていた描写がありました。もし僕が同じように感想をしゃべるとしたら、せいぜい「映像がとてもキレイでした。」とかそんなことしか言えないと思います。よしりん先生は、作品を通して「男女の描かれ方が変わってきている」と瞬時に分析されているところが、流石だなぁと思いました。

 

皿:本当ですね。

 

た:「男が男らしい行為を好み、女が女らしい行為を好むのは、生物学的特質じゃないのだろうか?」ってよしりん先生は描いているんですけど、ボーヴォワールの分析によれば生物学的じゃなくて社会から押し付けられると考えるわけですよね。

 

え:そうですね。

 

た:それは思い当たることもあります。僕には妹がいるんですけど、親は僕には割と放任というか自由に育てられていたところがありますが、妹にはこの漫画で書かれてるように「こうしたら、ああしたら」という育てられ方をしていました。だから生物学的特質も多少はあるのかもしれないですけど、社会的な押し付けみたいなのが性役割分担意識に影響してるのかなって思いました。

 

カ:なるほど。参考になります。

 

◆◆◆

 

皿:今週のゴー宣も「フェミニズム」がテーマでしたが、僕はゴー宣で取り上げなかったら多分全然興味を持たなかったと思うんです。そして今週のゴー宣を読んでも小林よしのり先生が言わんとするところが分かるんだけど、実感としてまだちょっとピンと来ないところがあるっていうか。

 

カ:それは正直な感想ですね。

 

皿:以前、「小林よしのりライジング」で木枯らし紋次郎の話が取り上げられた回があって、木枯らし紋次郎の生い立ちっていうのが貧しい農村に生まれて間引きされるかされないかっていう瀬戸際のところだったんですけど、お姉さんが吉原とかそういうところに自分が身を売るから紋次郎を生かしてくれみたいな感じで命を救ってもらった、というお話が出てて、僕は木枯らし紋次郎がすごい好きだったんで、確かにそういうものがあったなって、そこからちょっと関心を持ったんです。

 

カ:それは関心を持つ「とっかかり」というヤツですね。

 

皿:よしりん先生は薬害エイズとか憲法の問題にしても、いまいち日本の世間の人がピンと来てないようなところも、商売につなげて盛り上げていこうという描き方をされるときがあるじゃないですか? それと同じで、僕みたいないまいち実感してない人もひきつけて読んでもらおうとして、色々書いてるのかなと感じたところもありますね。

 

カ:先週と今週のゴー宣で取り上げられた「フェミニズム論」について、まだピンと来てない部分があるということですか?

 

皿:フェミニズムを称して、反権力だったり、天皇制はいらんっていうような主張をしているようなフェミニズムではなくて、保守の為のフェミニズムを分かりやすく書いてるんだなっていうのは読んでてすごく感じます。それに僕自身も自分の近しい女性から、女性ということで理不尽な目にあったという話は聞いたりもします。ところが・・・自分が男だからかもしれないですが、まだちょっと実感としてストンと来ないところがあるというか・・・これから自分が腑に落ちて変われるのかなぁっていう感じなんです。

 

カ:今週のゴー宣の中身でなにか印象的なことってありましたか?

 

皿:ゴー宣道場のエピソードを、設営隊の人を取り上げて書いているのを見て、ゴー宣道場を社会実験みたいな感じでやってるとこがあるのかなと感じました。女性の設営隊のリーダーとか、僕は詳しい内情はわからないですけど、よしりん先生は漫画家として観察してるところがあるのかなって感じました。

 

◆◆◆

 

え:質問ですが、男の人って、どんなとき女らしいなと思うんですか?

 

カ:やっぱり「母性を見たとき」かな。

 

え:それって受動的な印象を受けたときってことですか?

 

カ:いや、そうじゃなくて「無償の愛」と言えば言い過ぎかもしれないけど、守るべきもの、弱いものに対して愛情を注いでいる姿を見ると「女らしいな」と思います。そういう母性というのを見たときは女らしいかなと思います。

 

え:母性っていうのが受動性が含まれてるような気もしないでもない。

 

カ:えー、ほんと? 私はそうは思わないけど、母性に受動性ってありますかね?

 

え:お母さんは子供に対してある程度のことって受け止めるじゃないですか。怒ったりもするけどもやっぱり自分の子供やから。母性ってのが一体どんな感じのことなんかなって・・・。

 

カ:私の主観ですが、女の人ってナチュラルに優しい。つまり母性って「損得勘定無しの優しさ」だと感じます。

 

え:男の人も優しいですよね?

 

カ:男の優しさは、なんかちょっと「理性的な優しさ」のような気がします。例えば、小さな子供と道を歩いていたら突然、猛獣が飛び出してきたとする。男は理性を振り絞って守ろうとすると思うのですが、女は本能でその子供を守ろうとする。そんな場面を私はイメージするんですけど・・・まぁ、他にもあるかもしれないですね。男らしさ女らしさというのは。

 

◆◆◆

 

皿:ゴー宣道場の門下生の人たちに「生まれ変わったら、男と女、どちらになりたい?」という質問をしたら、男は「次は女になりたい」と答える者が結構いて「次も絶対に、女がいい」と答える女が圧倒的に多かったというのが印象的でした。僕は子供の頃を振り返ってみたら、「次は女性になれるもんだったらなってみたいな」とか思った時期もありました。だから子供の頃で生理とか出産とかそういうのがピンと来てない頃ですね。単純に、その頃女の子の方がちょっと贔屓されてるような気がしていいなっていうアホな考えで思ってたんですよ。

 

カ:えっ! 生まれ変わったら女になってもいいと思ったことがありましたか!?

 

た:僕は、どっちかというと男ですね。偏見かもしれませんが、女の人って表では仲良くしてても、裏では悪口言ってたりとかよくあるじゃないですか? だからそういうところで生きていくのしんどそうやなって思うから男がいいです。男は馬鹿馬鹿しいことばっかりで盛り上がってる感じじゃないですか。

 

カ:そうね、下ネタ言ってりゃ腹いっぱいになるもんね(笑)

 

た:色んな意味で男の方が気楽かなぁ~。

 

カ:会社でも女の人は昼飯をみんなで食べるんですよ。よく観察すると別に仲良しで食べてるわけでもないんよね。なんか集団論理みたいなのがあって、みんなで食べなアカンみたいな暗黙のルールみたいなのあるんですよね。あれ見るとしんどいなーって思うんよなー。

 

皿:えみりんさんは次に生まれ変わったら男性がいいですか? 女性がいいですか?

 

え:うーん、女の人かなあ。特に理由はないけど、まあ、今は女やから次も女でもいいかって。

 

カ:今現在、「女で嫌だ」という思いがないということですか?

 

え:特にないかな。

 

カ:それは自己肯定感があって、前向きでいいかなと思います。

 

た:じゃあ、カレーさんは?

 

カ:僕は絶対に男がいいです!!!!

 

た:絶対にですか(笑)

 

カ:絶対に男。女絶対に嫌です! 男尊女卑やなんやレッテル貼られようと、女だけは嫌、願い下げです。

 

た:その理由は何ですか?

 

カ:「もし女になったら男と付き合わなアカンから」です!

 

皿:それは、男やから思うんじゃ・・・。

 

カ:もっと平たく言うと、絶対男に抱かれたくない!!!

 

皿:いや、それも男やから思うんじゃないですか?

 

カ:男がどれだけ不潔な生き物か、男はみんな知ってるでしょう!?

 

た:知ってますけど(笑)

 

カ:僕が女の人のことで唯一軽蔑してるのがそこなんですよ! 「よく男なんかと付き合えるよね」と。どいつもこいつも全員スケベやぞと言いたい(笑)

 

皿:自分が女やったらそう思わないかもしれないじゃないですか?

 

カ:でもまぁ男はいいですよー。なぜなら「女の人を愛せるから」。なんか明石家さんまみたいなセリフやね。実際にそんなん言ってたかどうかも知らんけど(笑)

 



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